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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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464ー魔鳥オンパレード

「ロロ! 何落ち着いてんだ! 攻撃するんだ!」

「あ! にこにい、わしゅれてたのら!」


 いかん、いかん。今は魔鳥を落とさなきゃ。我に返った俺は、大きく魔法杖を振る。


「たぁーッ!」


 ビュンッと風の刃が魔鳥の群れの中に飛ぶと、ヒューッと魔鳥が落ちてくる。それを待ち構えていた、リア姉やロッテ姉がぶった斬る。


「アハハハ! 相変わらずロロは予想以上のことをするな!」

「テオ様! 感心してないで、手を動かしてください!」

「ジル! やってるっての! けど、キリがねーよ!」


 かなり数を減らしたのだけど、それでもまだまだ多い魔鳥さん。これって、一度にもっとたくさん落とせないかなぁ? ピカさんや、どう思う?


「わふ?」


 焼いちゃう? なんて物騒なことをピカが言った。でもそうか、何も風でしか攻撃したら駄目とは決まってないじゃないか。炎と言えば、リア姉だ。俺はバルコニーから大きな声でリア姉に言った。


「りあねえ! やくのら!」

「えぇ!? ロロ、何言ってんの!?」

「そうか! 姉上、炎を飛ばせただろう!?」

「そうだったわ!」


 なんだよ、リア姉ったら忘れていたのか?

 リア姉が剣を構える。魔法を付与したのだろう。それまで普通の剣だったのに、炎を帯びて剣身が伸びているように見える。それをリア姉が思いきり魔鳥目掛けて振り切った。

 青い炎が(くう)を切り裂いて飛び、大きな炎が魔鳥に襲い掛かる。焼かれた魔鳥がボトボトと落ちてくる。


「ええ!? リアったらそんなことができるの!?」

「ワッハッハッハ! リア! いいぞぉッ! どんどん飛ばすんだぁッ!」


 ロッテ姉は驚いているけど、お祖父様ったら楽しんでないか? さっきから笑いながら魔鳥を切っている。こんなにたくさんの魔鳥なのに、お祖父様からは余裕が感じられる。


「踏ん張れぇーッ! このまま攻撃を続けるんだーッ!」


 時々大きな声で、兵士さんたちを鼓舞したりもする。その度に、兵士さんたちの雄叫びが響く。それに紛れてあの子たちの鳴き声も聞こえる。


「ピヨピヨ!」

「アンアン!」


 やっつけるアルね! 一網打尽アルよ! と、物騒なことを叫んでいる。あの子たちのあのイケイケ感は誰に似たのだろう? 絶対に俺ではないぞぅ。


「ロロ! もう少しだ! 頑張れ!」

「にこにい!」


 いかん、ついボーッとしてしまった。見るのも忙しいし、色々考えることがあるのだよ。


「とぉッ!」


 ――きゅぽぽんぽん!


 エルもピコピコハンマーを使い熟している。よし! 俺も頑張るぞ!


「えいやーッ!」


 風の刃を飛ばす。もっといっぱい魔力を込めたらどうなるだろう? そう思ってやってみる。


「たぁーッ!」


 すると、とんでもなく大きな風の刃が飛び、グイングインと回りながら魔鳥の群れの中を大きく一周した。


「ろろ、しゅげー!」

「でっけーな!」

「え……」


 あんなに大きな刃になるとは思わなかったよね。自分でやっておいて、ちょっと引いちゃった。容赦ないじゃないか。


「ロローッ! いいぞーッ!」


 お祖父様が下から叫んでいる。いいなら、いいか。じゃあ、もう一度だ。


「とぉーッ!」


 この魔法杖は凄いのだ。俺の魔力をしっかり溜め込み、そして増幅して放ってくれる。さすがディさんが作った杖だ。

 あれれ? なんだっけ? たしかこの杖を貰った時に炎も出せなかったっけ?


「ロロ! またボーッとしてるぞ!」

「にこにい、ほのおもだしぇるかも」

「えッ!?」


 確かあの時出せたのだ。よし! 俺はチャレンジャーなのだ!


「たぁーッ!」


 大きな炎よ出ろー! て思いながら杖を振ると、ほら、ほぉ〜ら。やっぱ出たよ、炎が。炎を纏った刃が魔鳥をボォーッと焼いていく。おー、これは凄いと自分で感心してしまった。

 でもリア姉みたいに青い炎は出せなかったのだけど。きっと芯に、フェニックスの羽を使っているこの杖だから出せたのだろう。やっぱディさんは凄い。


「ろろ、しゅげーな!」

「ちがうのら。このちゅえが、しゅごいのら」

「しょうなのか?」


 そうそう、そうなのだよ。俺の魔力を増幅してくれているし、炎まで出せちゃった。

 俺ってば無敵じゃない? なんて思いながら胸を張る。


「ロロ! だから他のこと考えてないで飛ばせって!」


 ニコ兄に言われちゃった。ついつい忘れてしまう。こんな緊迫した場面なのに、俺ってば呑気すぎる。

 やるぞ! と杖を構え、思い切り振って魔鳥に炎の刃を飛ばす。下からはリア姉も剣から炎を飛ばしている。そして、レオ兄とピカは風の刃を飛ばす。


「これで最後よ!」


 リア姉が青い炎を飛ばし、とうとう魔鳥の群れをやっつけちゃった。


「ニコ! ロロ! よくやったぁッ!」


 下から大きな声でお祖父様が褒めてくれた。


「おおじいじ! ぼくもやったんらじょ!」

「ワッハッハッハ! そうか! エルもよくやったーッ!」


 ふふふ、三人とも誉められちゃった。良かったね。

 これで魔鳥騒ぎは一段落だ。街に被害が出なくて良かった。だけどね。


「なんで魔鳥があんなに襲ってきたんだろうな?」


 そう、ニコ兄の言うとおりだ。俺とエルが洞窟へ行った時にも魔鳥が出てきた。ここにくる道中にも魔鳥が出た。なんだか魔鳥のオンパレードって感じではないか? 魔鳥特集でも開催中なのか?


「ロロ、何考えてんだ?」

「なんれもないのら」


 いかんいかん、ちょっぴりおバカなことを考えてしまった。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


カッコよく決まらないのがロロです。ちょっと惚けた感じで力が抜けてるのです。

今日も投稿できて良かった(^◇^;)


ココちゃんのイラストが続々と上がってきています。

ココ、咲、隆の…おっと!まだ秘密でした。

コミカライズの方も色々進んでます。

12月にはロロの2巻が発売になるそうですよ。現在、担当さんが表紙を吟味中です。

楽しみです。


ノベルは11月のロロ④とココちゃんが年内最後になります。もう来年の初稿を一つ出していて、これから二つ作ります。頑張らねば!

動物病院代を稼がないと!(๑•̀ •́)و✧

投稿も頑張りますよ〜!

よろしくお願いいたします。٩(๑˃ ᵕ ˂ )و


4巻の書影はまだなので、久しぶりに1巻の書影を!

ロロはここから始まりました。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
魔鳥がボトボトと落ちてくるという下りで蚊取り線香を思い浮かべたのは私だけでしょうか?(≧▽≦)
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