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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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296ー弱くない

 俺が無分別に言ってしまった言葉で、リア姉が凍り付きレオ兄は焦っているのだ。

 テオさんとジルさんは、意味が分かっていない。それでも下手に関わってはいけないと本能で感じ取ったのだろう、傍観者といった感じで黙っている。目線まで合わせてくれない。


「ロロ、私は弱くないのよ?」

「り、りあねえ、よわいといってないのら」

「そうかしら?」

「しょうなのら。りあねえもちゅよいのら」

「リア姉()?」


 おぉっと、とっても繊細な言葉選びが必要になってしまっているぞ。

 どうする、俺!?


「りあねえは、ちゅ、ちゅよいのら」

「そうね、うん。そうそう」


 取り敢えず、大ピンチは脱出したようなのだ。

 とっても手に汗握る綱渡りみたいなのだ。どうして俺はこんな事を聞いてしまったのだろう? と、後悔していた。


「ロロ、家に戻ろう」

「うん、にこにい」


 ニコ兄が助け船を出してくれた。

 このままやり過ごそう。うん、それがいい。そう考えていた俺に、リア姉がいつも通りに軽い感じで言った。


「お腹空いたわね~」

「うん、しゅいたのら」


 ふう〜、どうやらなんとか違う話になったのだ。良かった。ドキドキしたのだ。


「ロロ、レオの方が強いって誰に聞いたのかしら?」

「え、どるふじい」


 あ、しまったのだ。ちょっとホッとした時に、聞かれちゃったから言ってしまった。

 俺のお口ったら、勝手に喋ってしまったのだ。


「そう、ドルフ爺ね」

「姉上、そう気にする事じゃないし」

「なによ、レオ」

「え、いや」


 えっとぉ、ドルフ爺。ごめんなのだ。俺の手にはもう負えない。


「おい、ロロ」

「えっちょぉ……」


 ドルフ爺がリア姉につかまってしまった。

 だって仕方ないのだ。本当にドルフ爺がそう話していたのだし。

 リア姉だって分かっていると、ドルフ爺も言っていたじゃないか。


「ロロ!」

「どるふじい、ごめんなのら!」


 テッテケテーと走って逃げた。

 俺だけじゃない、ニコ兄にテオさんやジルさんも一緒に、家に向かって走ったのだ。

 一人、残ったレオ兄。なんて勇気があるのだ。


「ねえ、ドルフ爺」

「いや、まあ……その、なんだ」

「言葉になっていないわよ」

「まあ、な、ハハハハ」


 ドルフ爺、ガンバなのだ。家の中からお顔だけ出して、成り行きを見守る。

 俺がポロッと言ってしまった事なのに、ごめんなさいなのだ。


「そうね、確かに最近はレオの方が強いわね」

「姉上」


 おや? リア姉は分かっていたのか? これもドルフ爺が言っていた通りなのだ。


「だって私はいつも、レオに補助魔法を掛けてもらっているじゃない」


 お、それも分かっていたのか? リア姉なら、気付いていないという可能性もあったというのに。


「ロロ、お顔を出しているから分かるのよ」

「あ、あい」


 おっと、離れているからといって油断してはいけない。リア姉はよく見ているのだ。


「ロロ、本当にドルフ爺がそんな事を言っていたのか?」

「うん、言ってたのら。どるふじいは、びぃらんく」

「ええ!? ロロ、何だって!?」


 おやおや、テオさん達も知らなかったのか? そうだよな。なら教えてあげよう。俺も知ったばかりなのだけど。


「どるふじいは、びぃらんく」

「おう、そうだぞ。ドルフ爺も強いんだ」

「ニコ、そうなのか?」

「おう、だってあのブラックウルフと戦っていたからな。クーちゃんを乗せた荷車を、引っ張りながらだぜ」

「なんだって!?」


 うんうん、そうらしいよ。ドルフ爺が戦っていたなんて、俺は見ていなかったけど。

 ニコ兄もよく見ているのだ。俺はそんな余裕なんか全然なかった。


「ロロはララちゃんを守らないと、て思っていただろう?」

「うん」

「だからだよ」


 いやいや、ニコ兄だってなんだっけ? あの孫娘のお名前を覚えられない。


「にこにいも、あのれいじょう」

「ん? リュシエンヌか?」

「しょうしょう。まもったのら」

「おう、だって守ってやんないと、あれは危なっかしいだろう?」

「うん」


 なるほど、それでもニコ兄は周りの様子をちゃんと冷静に見ていたのだ。


「ドルフ爺は、野菜の研究だけじゃないんだな」

「あれは研究って言うより、ドルフ爺の趣味だぜ」


 うんうん、俺もそう思うのだ。だってとっても楽しそうにやっているのだ。あ、そうだ。


「にこにい、ぷぷーのみもら」

「そうだな。まだめっちゃ小さい芽だけどな」


 ん? ちゃんとお話についてきているかな? と、後ろにいるテオさんとジルさんを見る。


「ニコ君、ロロ君、そのププーの実ってあのププーですか?」


 え? 他にもププーの実があるのか? と、ニコ兄を見る。


「そうだぞ、あのププーの実だ」


 ニコ兄がそうお返事すると、何故か二人は大きく溜息をついた。テオさんなんて、額に手をやって首を振っている。

 何故に? あれれ? もしかしてププーの実は育てたら駄目なのか?


「ププーの実も珍しい貴重な物ですよ。だから驚いているんです」

「そうか? 森に行けば生ってるぞ」

「うん、とってもおいしいのら」


 そんな話をしていたら、リア姉の件はまとまったらしい。

 リア姉とレオ兄と一緒に、コッコちゃん達と家に入って来た。


「こっこちゃんは、ぷぷーのみがしゅきなのら」

「え? そうなのか?」

「うん。らからしょのときに、ちゅかまえるのら」


 ふふふん、俺が発明した画期的な捕まえ方があるのだ。


お読みいただき有難うございます!

皆様のお陰て、総合評価ptが5万ptを超えました!

有難うございます!

ロロは早くもリリを追い越してしまいましたね〜

いつも有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


11/1ロロとリリ⑤の同時発売です!

今、超頑張ってます^^;

宜しくお願いします!

因みにハルちゃん②は来年です。

②の書影も超プリティになりそうですよ〜!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] ロロくんの可愛いお口ってばついつい喋っちゃうんだから~w
[良い点] やはりドルフ爺に振りましたか。仕方が無いよね。でもリア姉も分かっていましたね。レオ兄が強い事を認めているし。それよりもドルフ爺がBランクという事の方が驚いたのでわ。 [一言] テオさん達、…
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