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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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291ー交換なのら

「まりーしらない?」

「奥様の杖ですか? ピカちゃんが持ってくれていますよ」


 俺達が家を追い出される時だ。邸にある物を色々ピカに収納してもらった。

 その時に母様の魔法杖も、当然持って来ていた。だって母様が使っていた物を置いてくるはずないのだ。


「マリーはロロのお母上が使っていた魔法杖を、見た事があるのかな?」

「ああ……はい。見ましたよ。私が綺麗に拭きましたから。でもオーブにひびが入っていて……」

「ああ、そうか……オーブに……そうなんだ」

「はい」


 ディさんのお顔が曇ったのだ。どうしてなのかな? 俺は全然分からない。

 ディさん、説明して欲しいのだ。

 どうして、二人ともそんな暗いお顔をしているのかな? 悲しそうなお顔にも見える。

 取り合えず、見てみたいのだ。母様が使っていた魔法杖。


「ディさん、どうしましょう?」

「う~ん、僕が説明しようか? 話しても良いのかな?」

「そうですね、私には判断できません。リア嬢ちゃまとレオ坊ちゃまに、相談してからの方が良いかと思います」

「そうだね。ロロ、そう言う事だ。少し相談してみるよ」

「え? でぃしゃん?」

「うん、リアとレオがいる時の方が良いと思うんだ」

「ん~、わかったのら」


 本当は分かっていないのだけど。だって気になるじゃないか。

 でも、ディさんとマリーがそう判断したのなら待つのだ。

 ディさんが場の空気を変えるかのように、態と明るく言った。


「それより、ロロ。これの代金だ」

「でぃしゃん、いいのら」

「え? どうして? 支払うって約束したじゃない」

「らって、ボクのちゅえ、ちゅくってくれたから」

「ええー、そう?」

「うん。ちゅえのほうがしゅごいのに」

「そんなことないよー! こんなに付与のされている物はエルフだって持っていないよー!」


 それはあれだろう? エルフはきっとそんな付与は必要ないんだ。それだけ凄いのだから。

 話を聞いたりディさんを見ていると、別格だと思うのだ。俺達とは全然違う。


「アハハハ。ロロは本当にお利口さんだ。じゃあ、杖と交換って事だね」

「うん、ありがと」

「ええー、僕の方こそ有難うだよ! 大切にするね!」

「うん、ボクもたいしぇちゅにしゅるのら」


 ふふふ、嬉しい。ディさんが喜んでくれた。それが一番嬉しいのだ。

 早速首に巻いてくれた。フワリと巻いたグリーンの大判スカーフ。ディさんの髪色に映える。

 スカーフの緑色が端からグラデーションで薄くなっている。それに合わせて、俺の刺繍も色を変えてある。生地のキラキラ感と刺繍糸は質感が違うから、同じ様な色を使っていてもちゃんと模様が分かる。

 派手にならず、お上品な感じでとっても良いのだ。


「おにあいなのら」

「そう? 有難う!」


 エルフのディさんが、こんなのを着けると無敵なのではないかな?


 その日はリア姉とレオ兄と一緒に、テオさんとジルさんも帰って来たのだ。

 ただいま~! と、言いながらみんな帰って来た。


「おかえりー」


 と、俺は庭先で出迎える。


「わふ」

「ぴかもおかえり」


 ふふふ、ピカさん役に立ったのかな? と、ピカさんの首筋をワシワシと撫でる。


「ロロ、ピカは強いな!」

「うん、しょうなのら。ぴかはちゅよいのら」

「ピカは索敵もできるのですね、驚きました」

「しゃ、しゃく?」


 なんだろう? 分からないのだ。


「アハハハ、ロロ。索敵だ」

「れおにい、わかんないのら」

「うん、あっちに何かいるよとか分かるんだ。ピカはできますよ。教えてくれるでしょう?」

「そうなんだよ、だからサクサクと魔獣を討伐できたぞ」

「多分、攻撃力も上げてくれているはずですよ」

「なんだとッ!?」

「ああ、やはりそうですか。おかしいと思ったんです。テオ様があんなに簡単に倒せるはずないと」

「ジル、その言い方!」


 ふふふ、仲良しさんだね。

 何より、うちのピカさんは凄いのだ。

 そんな事をしていたら、俺は母様の杖の事を忘れてしまっていたのだ。

 だってみんながいると、とっても賑やかでたのしいのだから。


「ふふふん」

「ロロ、また何か自慢気だね」

「らって、れおにい。ぴかはしゅごいのら」

「うん、そうだね」


 あれれ? 先に帰って来ていたニコ兄とディさんはどこに行った?

 と、思ったら二人とドルフ爺も一緒に池の端にしゃがみ込んでいた。


「にこにい、でぃしゃん、どるふじい、ろうしたのら?」

「ん、ロロか」

「この池の土だよ」


 ほうほう、マンドラゴラが好きな土だね。

 何かな? なんだったらピコピコハンマー取ってくるのだ。


「ロロ、違うぞ」

「にこにい、ばしこーんって」

「ロロ、土だぞ、土」

「どるふじい、ちゅち?」


 ふむふむ。同じ様にしゃがんで座ってみよう。ピカさんもおいで。


「わふん」


 ニコ兄、ディさん、ドルフ爺、俺、ピカの順に並びしゃがみ込んでいる。

 池の端にね、土を見つめてさ。その池にはクーちゃんの小亀さん達がススイ~と泳いでいる。気持ち良さそうなのだ。


「だから、土だと思うぞ」

「そうだよ、ディさん見てくれよ」

「そうだね、見てみよう」


 何の事だか分からない。土がどうとか?

 て、土を見るのか? 見るってきっと精霊眼で見るのだ。土を?


「うん、やっぱりそうだ」

「ニコ、凄いじゃないか」

「だろう? 俺が思った通りだっただろう?」


 そろそろ教えて欲しいのだ。土がどうしたって?


お読みいただき有難うございます!

昨日の投稿で、ピカは出掛けているのに登場していました。昨日投稿分の最後の方を、少し変更してあります。

ピカさんがいないのを、すっかり忘れていました。^^;

申し訳ありません。

いつも感想を有難うございます!また何かお気付きの事がありましたら、教えて頂けると助かります。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


リリ⑤の作業をしているのですが、④が今月発売されたばかりだと忘れていました^^;

リリ⑤とロロ①が同時発売です!マジで、未知の領域でした。^^;

リリ④も宜しくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] ディさんはスカーフ似合いそうだなあ~
[良い点] ロロが刺繍したスカーフをしたディさん、映えます(^。^) そしてお母様の杖の行方の分かって一安心。と思ったらまた池に方が騒がしい❓またあのマンドラゴラが出現したと思ったら土❓❓❓ 土土••…
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