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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第5章 大変なのら

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285/469

285ー魔法

 よしッ! あの的を狙って杖を振る。


「たぁッ!」


 魔法杖の先端にある魔石に俺の魔力が引っ張られて、凝縮されるような感じがあった。

 その瞬間に、ビューッと風の刃が出て的に命中だ。


「上手だ。今のは風属性魔法だね。水属性も使えるかな?」

「うん、れきるのら。やぁッ!」


 今度は水の刃が飛んだ。うん、とっても使い易いのだ。この杖無しの時よりもずっと、魔力がスムーズに流せて発動するのも楽だ。杖なしの時とは全然違う。

 どれ程違うのかというと……ん~、分からない。


「でぃしゃん、これれ、しゃわしゃわ~もれきる?」

「うん、できるよ。コッコちゃんの小屋を洗っているヤツだね」

「しょうしょう。このちゅえ、とってもらくなのら」

「そうだろう? この杖と魔石で魔法を補助するし、増幅させる事もできるんだ。ロロがもっと大きく強くと思ったらそうできる」

「なるほろ~」


 あれ? テオさんとジルさんが静かだぞ。退屈だったかな? 二人してボーッと見ている。


「ロロが使える魔法の属性は何なんだ?」


 とっても真剣なお顔をしてテオさんが聞いてきた。けども。


「しらら~い」

「え?」

「ブフフ」

「アハハハ! ロロは気にしていないんだよ」

「いやいや、ディさん!」


 魔法の属性、ふむ。お水とか風とかだよな。リア姉は炎を出せる。その事だとは分かるのだ。


「この兄弟はね、凄いんだよー」


 ディさんがちゃんと分かっているみたいなのだ。ならお任せして、俺はもう少し杖を使ってみよう。練習なのだ。


「とぉッ!」


 ボボボボッ! と、水の塊が飛んで行った。ほうほう、なるほど。


「やぁッ!」


 ヒュンヒュンヒュン! 今度は風だ。ふむふむ。


「えいッ!」


 ドドドドッ! 土の塊が飛んだ。へえ~。あとは炎なのだけど、今まで俺は炎を出した事がない。できるかな? 試してみよう。


「んんー、たぁッ!」


 ボワッ! と丸い炎が飛んで行った。なんだ、できるのだ。


「ちょ、ちょ、ロロ!」

「ん? ておしゃん、ろうしたのら?」

「アハハハ! ロロ、どうかな?」

「うん! ちゅかいやしゅいのら! でぃしゃん、ありがと!」

「うん、良かった」


 テオさんとジルさんを、置いてけぼりにしている感があるのだけど。

 ディさんが態々俺の為に作ってくれた魔法の杖だ。とっても嬉しい。こんなのちびっ子用なんかだと勿体ない。大きくなっても、ずっとずっと大事にするのだ。

 そして俺がいなくなったら、ちゃんとディさんのところに戻ってね。


「とんでもないな、ジル」

「ええ、テオ様」


 ん? どうかしたのかな? 何だかテオさんとジルさんが、フリーズしている様に見える。


「ロロは凄いって事だ」

「れおにいは、もっとしゅごいのら」

「なんだって!?」


 そうだよ、だって俺はレオ兄に教わったのだ。ディさんと仲良くなるまで魔法の師匠はレオ兄なのだ。

 今も、レオ兄には全然敵わない。

 魔法だけじゃない。ポーションを作るのだって、レオ兄には勝てないのだ。


「ロロとレオは歳が違うじゃない」

「でぃしゃん、けろれおにいは、しゅごいのら」

「うん、そうだね。レオはロロ達兄弟の中でも一番だ」

「ええー……これ以上なのか」

「テオ様、益々勿体ないですね。私達が通っていた学院の魔術科に入ると良いのにと思いますね」

「ああ、まったくだ」


 魔術科なんてあるのか。え、この国の学園にもあるのかな?

 俺は全然知らないけど。


「この国の学園には、魔術を専門で学ぶ学科はないんだ。この国では基本的な事は教わるけど、専門的な事になると学園を出てからになるね」


 ほうほう、そうなのか。レオ兄は母様に教わったと話していたな。


「かーしゃま」

「ん? ロロどうしたの?」

「でぃしゃん、れおにいはかーしゃまに、おしょわったっていってたのら」

「そう、やっぱりロロ達のお母様は、魔法に秀でていたんだね」


 確かお墓参りに行った時に、色々話してくれたのだ。

 母様は魔法と勉強を、父様は剣と槍、弓を教えてくれたと。

 魔法操作も、母様から教わった事だと教えてくれた。


「僕の祖母もそうだ。きっとロロの母上は僕の祖母に似たんだ」

「ておしゃん、しょう?」

「ああ、僕もお祖母様に魔法の基礎を教わったよ」


 へえ~、そうなのか。お祖母様かぁ。どんな人なのだろう。母様の事だって覚えていないからなぁ。そういえば……


「ておしゃんのかーしゃまは、ろんなひとなのら?」

「母上か? そうだな、普段は明るい賑やかな人だけど父より厳しい時もあるな。少しおっちょこちょいかな」

「へえ~」


 俺の母様はどんな人だったのだろう?

 色々話は聞いたけど、覚えていないからあんまり想像できないのだ。

 魔道具で見た母様は、とても優しそうだった。


「ロロのお母上は、とても優しい人だったと聞いている」

「ておしゃん、しょうなの?」

「ああ、いつも穏やかに微笑んでいたと」


 赤ちゃんだった俺を抱っこしていた母もそうだった。

 とっても優しいお顔をして、抱っこしている俺を見ていた。


「ふふふん」

「ロロ、どうした?」

「まろうぐれ、みたのら。ボクをらっこしている、かーしゃま。にっこりしていたのら」

「ロロ、寂しくはないのか?」


 テオさんが、少し切なそうな表情をして聞いてきたのだ。

 ボクがまだちびっ子だからかな? それなのに父様や母様がいないから。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ロロは凄い❣️もしかしたらロロは全属性かもしれませんね。 ディさんは、多分知っていると思うけど。ロロよりレオ兄の方が最も凄い何て、流石ですね。本当にこの四兄弟は、素晴らしい(拍手) 最後の…
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