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268ーリーダー

「でぃしゃん、みて。しぇいれいがんれみて」

「ああ、分かった分かった」


 その結果だ。やっぱ、ハイパーコッコちゃんだった。何がハイパーなのかと言うと、親コッコちゃんの狙い通りだったのだ。

 フォーちゃん達より、身体能力が高くなるだろう事と知能だ。


「君はお利口だね。レオの魔力の所為かな?」


 んんん!? これは聞き捨てならないぞ。俺の魔力だけなら駄目だと言う事なのかな? ディさんや。


「アハハハ、いや、まあ、ね」


 と、バチコーンとウインクをした。ウインクで誤魔化されないぞ。

 何が、まあ、ね。なのだ。

 

「それよりロロ、お名前どうするの?」


 それが問題なのだ。ブラックやぶーちゃんは駄目と、先にニコ兄に言われちゃったし。


「……りーだー」

「えぇー、それは可哀想じゃない?」

「らって、おもいちゅかないのら」

「折角、黒いんだから」

「りーだー」

「え、もう決まりなの?」

「りーだー」

「本当に?」

「らから、おもいちゅかないのら」

「アハハハ、まあいいんじゃない?」


 と、いう事で、真っ黒な雛のお名前は『リーダー』に決まった。

 ちゃんと、ペカーッて黒い雛が光ったから名付けに成功なのだ。

 俺もね、一応色々考えた。黒だからノワールからとってノワとか、ネロとか。

 でもどれもしっくりこなかったのだ。この子だけ、かっちょいいお名前にするのはどうも違う。

 やっぱ最初に思いついてしまったからだろう、リーダーってさ。

 だって本当にリーダーになってもらわないと困るのだ。親コッコちゃんがね。

 そんな期待も込めてリーダーなのだ。


「うん、でも大丈夫だろう。この子はお利口さんだ」

「ふぉーちゃんたちも、おりこうなのら」

「アハハハ、そうだね。ちょっぴりやんちゃなだけだね」


 やっぱ、やんちゃだよな。今だってどこに行っているのか。

 鳴き声は聞こえるけど、姿は見えない。多分、ニコ兄の近くにいるのだろう。

 なんだか、ニコ兄がリーダーみたいなのだ。

 さて、雛を見てもらったし、俺は家に入ろう。


「あれ? ロロ、今日はお家の中なの?」

「うん、ししゅうしゅるのら」

「そうなんだ、僕の?」

「しょうなのら。もうしゅこしらから」

「楽しみだ! じゃあ、僕は畑に行こうっと」


 と、麦わら帽子を被って片手に籠を持っている。いつものディさんの恰好なのだ。

 スキップしながら畑に行った。本当、お野菜が好きだよね。


「あらあら、ロロ坊ちゃま。ディさんと畑に行かなかったのですか?」

「うん、ししゅうしゅるのら」

「はいはい」


 マリーが俺のお道具箱を出してくれる。

 ずっと前にディさんに依頼された大きなスカーフ。それに少しずつチクチクと刺繍をしていたのだけど、あと少しで出来上がるのだ。


「もう少しですね」

「しょうなのら」

「こんなに大きな物を、頑張りましたね」

「うん、がんばったのら」


 俺が刺繍したものといったら、ハンカチとかおリボンとか小さな物ばかりだ。まだそんなに沢山できないから。

 少しずつしかできない。それは俺がまだちびっ子だからだと思っていたんだ。ちびっ子だから集中力が続かないのかと。

 でも、俺が刺繍をしてるのを見ていたディさんが言った。


「ロロは無意識で付与しているんだ。魔力を使っているんだよ。だから長時間できないんだね」

「え? しょうなの?」

「うん、魔力量がまだそんなに多くないから。それでも普通の大人並みの魔力量があるんだけどね」


 俺は刺繍をする時に、一針一針魔力を使って付与しているらしい。

 いたいいたいは駄目とか、守ってねとか主に防御なのだけど。

 それに魔力を使っているという事なのだ。まさか一針ずつとは知らなかったのだ。

 それで疲れるのか。そうだったんだと、新しい発見だ。

 いつも、守ってくれる様に思いながら刺繍をしていたけど、そんなに魔力を使っているとは思わなかったのだ。


「でぃしゃん、ましぇきにもれきる?」

「うん、練習したらできるんじゃないかな? でももっと大きくなってからでいいよ」

「しょう?」

「うん、そうだね。今はポーションも作っているだろう?」

「うん、ときろき」


 ピカがいつも持っているポーション。常に充分な量があるように、レオ兄と一緒に作っている。最近レオ兄は、上級ポーションが作れるようになった。

 俺はまだ中級までなのだ。他にも色々作っている。

 毒消しとか、状態異常に対応する物をね。どんな状態異常でも治すポーションは、ドルフ爺が育てているリカバマッシュが育ったら作れるかも知れないと言っていた。

 何気に、お店ができるくらいのレベルになってきたのだ。


「レオとロロは魔力量が多い。これはお母さんの方の遺伝なのかな? リアは完璧に体力派だものね」


 そうそう、リア姉は体育会系だ。いつも動いていないといけないのか? と、ツッコミたくなるくらいだ。

 それでも、自分で知らないうちに身体強化を使っていたりする。それは才能だと思うのだ。


「ピヨピヨ」

「クック」

「ピヨヨ」


 フォーちゃん達だ。三羽揃ってどうしたのだ?

 ニコ兄の側にいたのじゃないのか?


「ピヨ」

「うん、りーだーらからね」

「クック」

「らってまらかえったばかりなのら」

「ピヨヨ」

「なかよくしてね」


 新しい子お利口アルね。まだ小さいアルね。兄弟アルか? と、聞いてきた。気になるのだね。


お読みいただき有難うございます!

『ボクは光の国の転生皇子さま!④』発売記念SSを投稿しております。宜しければそちらも是非。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


④では、かっちょいいリリパパがお読みいただけます。

挿絵(By みてみん)

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