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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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257ー勢揃い

「ろろ~」


 ララちゃんが、可愛い笑顔で俺に話しかける。

 今日も可愛らしいフワリとしたワンピースに、ポニーテールのおリボンが揺れているのだ。

 俺の手を当然の様に握ってくる。また会えて良かったのだ。

 昨日はララちゃんも俺も帰りは眠ってしまったから。

 小さなララちゃんがとても可愛い。その場だけ、明るくなったように見える。微笑ましくて、思わず笑顔になってしまうのだ。


「ララが今朝起きるなり、ロロに会いたいと言い出したんだよ。こんなに仲良くなるとはね」


 と、クリスさんが言っていた。それはとても嬉しいのだ。


「ボクもあいたかったのら」

「ふふふ」


 と、ララちゃんが嬉しそうに笑った。

 出会いは、突然ララちゃんが俺の服を握っていた事だった。今にも泣きそうな顔をして、ギュッと俺の服の裾を小さな手で握っていた。

 どうして俺だったのか分からないけど、これも縁なのかと思えるから不思議なのだ。


「ぴかちゃんも、おはよう」

「わふ」

「なんだ、朝からみんな揃って」


 ドルフ爺だ。ドルフ爺は怖い者無しなのかな? 王弟殿下もいるのだけど。


「ドルフ爺、そう言わないでくれよ」

「殿下も何をしておられるのですか」

「いや、だってリカバマッシュを見たいだろう?」

「アハハハ、何ですかそれは」


 あら、にこやかに話しているのだ。


「昨日はニコに、リュシエンヌの命を助けてもらった。有難う」


 王弟殿下に深々と頭を下げられてしまって、驚いたのなんのって。ニコ兄がめちゃくちゃ慌てていた。見ている俺まで、変な汗が出そうだったのだ。

 リュシエンヌが危ない時に、ニコ兄が身体を張って助けた。怖かったのだけど、かっちょよくて目が離せなかったのだ。

 このリュシエンヌってお孫さん。俺を誘拐したあの令嬢に少し似ていると昨日は思った。だから関わりたくないなぁと思っていたのだ。でも、今日は少し違っていた。

 戸惑いながら、いや恥ずかしがっていたのかな? ニコ兄にお礼を言っていた。これはカナリーさんに、きつく叱られたのだろうな。


「昨日は……助けてくれてありがとう」

「おう」


 ふふふ、ニコ兄ったらなんてぶっきらぼうなのだ。照れているのかな?

 次にやって来たのが、領主様とクラウス様だ。


「お、王弟殿下!? どうしてここに、いらっしゃるのですか!?」


 王弟殿下がおられる事を知らなかったみたいで、驚いていたのだ。


「フォリコッコは大人しいのだな」


 と、王弟殿下がコッコちゃん達の小屋の前でマジマジと見ていると、領主様が秘密を言っちゃったのだ。


「殿下、それだけではありませんよ。あの大きな亀は聖獣らしいですよ」

「なんだって!? 聖獣だと!?」


 みんな揃って、クーちゃんの前に移動だ。でもクーちゃんはお昼寝中なのだ。身体をのべっと伸ばして、スピーッと寝息をたてて眠っている。クーちゃんの大きな甲羅の上には、子亀達が乗っていたりする。警戒感が全くない。

 アハハハ、なんだかおかしいのだ。秘密なのだけど、王弟殿下なら良いのかな?


「レオ、あのプチゴーレムはどこにいるんだ?」

「プチゴーレム!? クリス、プチゴーレムと言ったか!?」

「今の時間は、畑のパトロールをしていると思いますよ」

「レオ! プチゴーレムが勝手に動くのか!?」


 また王弟殿下が驚いている。忙しい人なのだ。驚いてばかりだ。


「はい、ロロが作ったんです。庭先で」

「ロロが!? に、庭先だとッ!?」


 もう全然秘密になっていないけど、まあいいか。


「この家はどうなっているんだ!?」

「アハハハ! 殿下、ロロが連れているピカも神獣ですから」

「フォーゲル卿、そうなのか!?」


 領主様もよく知っている。そりゃそうなのだ。例の事件は、その神獣のピカを手に入れようとした事が原因だったのだから。

 でもあの時は、ピカが神獣だと公にはしないでいてくれた。それはとても助かった。

 ピカと離れたくないのだ。


「君達とは、ちゃんと話しておかないとと思ってね」

「クリスさん、有難うございます」


 きっと例の調査の申立ての事だろう。なら、俺はララちゃんと遊んでいよう。


「ろろ、おしゃんぽしゅるのよ」

「うん、ぴかにのる?」

「うん、のるのよ」


 ピカさん、いいかな?


「わふん」

「ねえねえ、ロロ。畑に行くのかな?」

「うん、ららちゃんとおしゃんぽなのら」

「そう、僕も一緒に行くよ」


 いつの間にかディさんは、いつもの麦わら帽子を被って首からタオルを掛けていた。もちろん、手には大きな籠を持っている。お野菜を収穫する気満々なのだ。


「ララちゃん、乗せてあげよう」

「あい、ありがとごしゃいましゅ」

「君はお利口さんだね~、誰かとえらい違いだ」


 おっと、それは嫌味というものなのかな?

 でもその嫌味の相手が、ディさんを見ているのだ。

 カナリーさんの後ろから、身体半分だけを出してディさんの方を見ている。

 昨日みたいに『私も』と言ってこない。昨日はカナリーさんが鬼の様にすっごく怒っていたから、叱られたのかも知れない。でも、怒るのはリュシエンヌが大事だからだよ。

 ディさんは綺麗だから、女の子は憧れてしまうのだろう。だってキラキラして王子様みたいだから。


「リュシィ、私達は大切なお話があるの」

「お祖母さま、でも私……」

「俺が辺りを案内してやるよ」


 お? ニコ兄がどうした? ニコ兄も優しいのだ。

 

「ニコ君だったかしら?」

「おう、ニコでいいぞ」

「ニコ、リュシィの相手をお願いしても良いかしら?」

「おう」

「ほら、リュシィ」


 カナリーさんが、リュシエンヌの背中を押す。もじもじしながらニコ兄に言った。


「わ、私もこの周りを見てみたいわ。一緒にいてもいいかしら?」

「おう、案内してやるよ。ユーリア、予備の麦わら帽子あったよな?」

「ええ、持ってくるわ」


 むふふふふ。にやけてしまったのだ。

お読みいただき有難うございます!

明日で第4章は終わりになります。予想以上に長くなってしまいました。

第5章も宜しくお願いします!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とうとう王弟殿下達にも秘密の秘密がバレてしまいましたね。 この際だから仕方がないですよね(๑>◡<๑) 孫娘のリュシンのお祖母様に叱られて少しは反省してのですね。 ディさんも結構言います…
[一言] あらあらニコ兄素敵 むふふふふ♪
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