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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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249ールルウィン祭 夜の部 3

「お祖父様、お祖母様」


 直ぐ後ろから女の子が出て来た。


「ああ、この子は私達の孫娘なんだ。リュシィ、ご挨拶できるかい?」

「はい、お祖父様。リュシエンヌ・テンブルームですわ。リュシィって呼んでも良いわよ」


 ほうほう、孫娘とは。そんな風には見えないのだ。

 シェルピンクのふんわりとした髪を顔のサイドだけ編んでいて、ココア色の瞳がお利口そうだ。


「冒険者ギルドに登録していると聞きましたわ」


 その孫娘のリュシエンヌが聞いてきた。どうもララちゃんの様に『ちゃん』とは呼べない雰囲気だ。ニコ兄より小さいと思うのだけど。


「ええ、私達はCランクよ」

「あなたも冒険者ギルドに登録しているの?」


 おや? ニコ兄にロックオンなのか?

 聞かれたニコ兄が、少し面倒そうに答えた。


「俺はまだ9歳だから登録できないんだ」

「なんだ、そうなの。私もまだ6歳だから登録できないのだけど、毎日鍛練しているのよ。もう魔法だって使えるわ」


 ふふん、と鼻で笑ったぞ。ニコ兄が、なんだこいつと言いたそうな顔をしている。

 わかるぞ。俺もそう思ったのだ。魔法なら俺達だって使えるのだ。


「私達もこれから行くんだ。一緒に行こう」


 王弟殿下がそう言った。まあ、良いのだけど。


「ドルフ爺、元気そうじゃないか」

「殿下、お久しぶりですな」

「アハハハ、今日は何を引っ張ってきたんだ?」

「亀ですよ。川で泳がせてやろうと思いまして」


 ドルフ爺が丁寧な言葉を使っている。ていうか、ドルフ爺も知っているのか?


「ドルフ爺も有名人だからね」

「え、しょうなんら」

「そうだよ。この国のお野菜がこんなに美味しいのは、ドルフ爺の功績なんだ」


 ほうほう、何か? 品質改良でもしたのか?


「ロロはお利口さんだね~」


 そう言いながら、ディさんが俺の頭を撫でた。

 なんだ? 睨まれているような気がするぞ。


「ディさん、私も一緒に行きますわ!」

「はいはい」


 あらら? ディさんが冷たいのだ。珍しい。


「我儘ではないんだけどね。何と言うか……高飛車(たかびしゃ)なんだ。自分の祖父母が偉いってだけで、自分は偉くもなんともないのにね」

「ほうほう」

「アハハハ! ロロは時々大人みたいな反応をするね。高飛車って意味が分かったの?」

「わかるのら。えらしょうなの」

「そうそう、分かっているじゃない」


 それ位は分かるのだ。でもその孫娘は、ディさんと一緒に行きたいみたいだよ。

 王弟殿下の孫娘がジト目でこっちを見ている。


「いいんだよ。僕はロロ達の方が好きだもの」


 ディさんの塩対応を見ていると、それは分かるけど。でも相手は王弟殿下の孫娘なのだ。


「僕はこの国の誰にも束縛されないからね」


 不思議なディさん。一体どういう立ち位置なのか、全然分からない。


「ロロ、行くよ」

「うん、れおにい」

「ろろ、おててをちゅなぐのよ」

「うん、ららちゃん」


 小さな手を出してくる。ララちゃんと手を繋いで歩く。やっぱララちゃんは可愛いのだ。


「ララはロロと仲良しだな」

「とうしゃま、ろろはおともらちなのよ」

「そうだったな、ララの初めてのお友達だ」


 え? そうなのか? 貴族の子供ってお友達がいないのか?


「ララはまだ小さいから、邸の庭ぐらいしか外に出ないんだ」

「へえ~、しょうなんら」


 俺は毎日お外に出ているぞ。毎日ピカに乗って走るのだ。


「わふ」

「しょうらった。まいにちのってるのはひみちゅ」

「ロロ、だからもうバレているからね」

「しょうらった」


 いけない、全部バレバレなのだ。

 ギルマスがいたテントから川まで、砂利で足元が悪くて歩き難い。


「ロロ、抱っこしようか?」

「あるくのら」

「ららもあるくのよ」

「アハハハ、ララはこんなに歩いたのは初めてじゃないか?」

「そうなのよ。とってもたのしいの」


 楽しいのなら良かった。俺のすぐ隣りでふんわりとしたおリボンが揺れている。

 でも、本当にお外に出ないのだね。なんなら毎日畑を案内するのだ。


「ルルンデの街は平和だし治安も良い。私達の街より畑も多い。良い街だ」


 うん、暮らしやすい街だと思う。

 俺は今の家がお気に入りなのだ。

 やっと川に着くと、何人もお花を流している人達がいた。昼間の賑やかなお祭りとは違って、なんだか静粛(せいしゅく)な雰囲気だ。

 真っ暗な夜の川に、ふんわりと光る魔石とお花を乗せた葉っぱのお舟が流れていく。

 淡い光が水面を照らしながら、ゆっくりと川の流れに沿って点々と続いている。

 下流を見ると、光の川ができているみたに見える。幻想的な光景なのだ。

 あの光が魂を連れて行ってくれると言われている。


「ここが、精霊様が張った結界の境目なんだ。この川から向こうは魔獣も多くなる」

「森にも近くなりますからね」

「そうだね。レオ達がお墓参りに行った時にも出たんだろう?」

「はい、出ましたよ」


 でも、リア姉とレオ兄が難なく倒していた。もっと向こうの森の外れで、ポップントットの種が飛んできた時の方が驚いたのだ。


「れおにい、ぽっぷーんって」

「アハハハ。ロロ、あれは魔獣じゃないからね」

「もしかして、ポップントットか?」

「はい、クリスさん。突然種が飛んで来たんです」

「アハハハ! あれは驚くだろう」

「驚きました。知らなかったので」

「でも、美味いだろう?」

「おいしかったのら」

「ららはしらないのよ」


 もう残っていなかったかな? ピカさん。


お読みいただき有難うございます!

ララちゃんのお名前を紹介するタイミングがなかったのでこちらで。

ララちゃんは、ララリーネ・アウグストといいます。通称ララちゃん。

ロロの初めてのガールフレンドです♡

温かい目で見守って頂ければと。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ディアはリリのガールフレンドになるのかしら?

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
[良い点] ディさんは、やはりモテますね(๑>◡<๑)いくらモテてもディさんでも好き嫌いが有りますよね⁉️ ララちゃんは、貴族の子供でも優しく可愛い〜 [一言] この王弟殿下の孫娘も領主の娘みたいで我…
[一言] ララロロちびっこカップル可愛いのら♡
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