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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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244ールルウィン祭 8

 ララちゃんと一緒にフルーツジュースを飲む。冷たくて美味しいのだ。


「おいしいの」

「おいしいのら」


 ふぅ~、ちょっと落ち着いたのだ。今日は朝から初めての事ばかりで、ずっとワクワクドキドキしていた。

 ずっと楽しい。こんな日もあるのだ。お祭りだからね。

 『うまいルルンデ』の中は、いつもと少し違った。いつもは、冒険者だろう人達が多いのだけど、今日はお祭りにやって来た人達が多い。他の街からも来ているのだろう。

 そして『うまいルルンデ』の中にもお花が沢山あったのだ。


「にこにい、おはながいっぱいなのら」

「な、上手に咲かせているよな」


 どこで育てていたのだろう? 裏にはお馬さんとコッコちゃんがいるし。


「裏の奥だよ。もっと奥があるんだ」

「しょうなのら」


 ディさんは何でもよく知っているなぁ。この街の事で、知らない事がないのではなかと思うくらいだ。


「ロロ、飲んだら帰ろう」

「うん、れおにい」

「ちょっと待って。僕食べてしまうから」


 ディさんが慌てて特盛サラダを食べる。うちでユックリ食べれば良かったのに。


「もちろん、ロロの家でも食べるよ」


 そうなのか。好きにすれば良いのだ。それより、ドルフ爺とセルマ婆さんはどうしたのだろう?

 姿を見なかったのだ。広場でダンスが始まるまでは一緒にいたのだけど。


「先に帰っているよ」

「いちゅのまに?」

「パレードを見たら、帰るって言ってたよ」

「ろろのおうちにいくの?」

「しょうらよ。いっしょにいくのら」

「うん」


 ふふふ、可愛い。何度も言うけど、可愛いのだ。

 小さくてフワフワしていて、リア姉とは違う女の子なのだ。お手々を繋ぐ時だって、リア姉みたいにガシッとは繋がない。

 貴族の女の子。リア姉も父様と母様が生きていたら、きっとこんな綺麗なお洋服を着ていたのだろう。毎日剣を持って出かけたりする事もなかっただろう。

 お転婆だと叱られたりしたのかな?

 俺はどうだったのだろう。

 全然覚えていないから、想像もできないや。

 それから、家までゆっくりと歩いた。

 帰りは少し疲れて、ピカに乗せてもらった。


「ららものるのよ」

「ララ、父様が抱っこしているだろう」

「らって、ぴかちゃんかっこいいの」

「ロロ、ララも乗って大丈夫かな?」

「らいじょぶなのら。ボクがしゃしゃえているのら」

「そうかい? じゃあ、頼んだよ」


 ララちゃんを俺の前に乗せる。もうララちゃんも慣れたものだ。

 何も言わなくても、ピカの手綱を握っている。

 その後ろから、手を回して手綱を持ち体で支える。


「ろろ、ありがとう。ぴかちゃんもね」

「いいのら」

「わふん」


 ピカがいつもより揺れないように、気を付けて歩いてくれているのが分かる。ピカさん、優しいね。

 尻尾が大きく揺れている。ピカもかっこいいと言われて、ご機嫌らしい。


「お利口な犬だな」

「ちがうのら。ふぇんりるなのら」

「え!?」

「ロロ、それは秘密だろう?」

「あ、ひみちゅなのら」


 よし、秘密だと言ったからこれで大丈夫だ。


「アハハハ、秘密なのか?」

「しょうなのら。ちろもひみちゅなのら」

「チロ?」

「ロロ、だから秘密だって」

「あ、れおにい。わしゅれちゃうのら」

「アハハハ! 可愛いな!」


 頭を大きな手でグリグリされてしまった。

 知らない大人の手だ。でも優しいと思ったのだ。


「とーしゃま、ひみちゅらって」

「ああ、ララ。秘密だ」

「かえったら、かーしゃまにも、おはなししゅるのよ」

「ララ、それなら秘密にならないぞ」

「しょうなの?」


 そうそう、でもララちゃんのお母さんなら大丈夫だと思う。今日は一緒じゃないのだね。


「かーしゃまは、あかちゃんがいるのよ」

「へー、あかちゃん?」

「しょうなのよ。おなかがおおきいの」


 まだ生まれていないという事なのかな?


「もうすぐララはお姉さんになるんだ」

「なるのよ、おねえしゃんなの」


 ララちゃんのお母さんは、今お腹に赤ちゃんがいるそうだ。なら、こんな人混みの中は危ない。

 だから今日はお留守番なのだそうだ。

 去年は一緒に来ていたらしい。

 いつか会えるといいな。どんなお母さんなのだろう。ララちゃんに似ているのかな?


「あかちゃん、たのしみなの」

「ほんとらね」


 俺が生まれてくる時も、楽しみにしてくれたのかな? なんて、少し考えた。


「ロロが生まれてくる時も楽しみだったよ。早くロロに会いたかった」


 レオ兄は鑑定眼で、俺の心も見えるのか? それくらいの精度で、俺の考えている事を読んでしまう。

 これは気をつけなきゃ。毎日ピカに乗って走っている事がバレてしまうのだ。


「ロロ、口に出ているから。それはもうとっくにバレてるよ」

「ええぇッ!?」


 俺、喋っちゃっていたのだ。

 ぴかさん、ピカさん、バレてるって!


「わふ」


 そりゃ、分かるよ。仕方ない。なんて冷めた事を言っている。

 だって、ピカに乗って走るのはとっても気持ちが良いのだもの。止められない。


「気をつけるんだよ」

「うん、わかってるのら」


 お家が見えてきた。あ、池の側にドルフ爺が立っている。

 きっとあれだ。奴だよ、奴。美味しそうな緑の葉っぱで、いやぁ~んて足のあいつだ。

 ドルフ爺が池の端をバシコーンと殴っている。ほら、奴だ。マンドラゴラだ。

 俺がバシコーンしたかった。


「アハハハ。またいたんだ」

「しちゅこいのら」

「ロロ、もしかして毎日いるの?」

「しょうなのら。どこかからくるのら」


 ん? 何だ? と、クリスさんが不思議な顔をしている。


お読みいただき有難うございます!

ララちゃんの口癖は『〜のよ』です。

くどくならない程度に使っているのですが、文句は受け付けておりません。悪しからずご了承下さい。

感想欄は文句や貶す事を書く為のものではありません。

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いつも感想欄を楽しみに読ませていただいてます。変わらず感想を頂けると嬉しいです!

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宜しくお願いします!


リリ④の書籍化作業が佳境に入ってます。(担当編集さんが^^;)

皇帝がかっちょいいですよ〜!

と、いう事で今日はクーファル兄さんを。

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
真のヒロインララちゃんですね わかります!
[一言] ララちゃんの「~のよ」好きですよ! 新作のミミの「にゃ」も読みながらツッコんでしまいました(笑) 私は、文章の中でキャラの個性を出す表現として、言葉尻にそれぞれの癖を入れてもらっている方がイ…
[良い点] ロロさん、秘密の秘密と言いながら軽いお口ですね(-。-; まあロロだから仕方がないかぁ〜可愛から許す‼️ ディさんは本当に野菜が好きなんですね❣️ 皆んなでロロの家に行ってマリーの美味しい…
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