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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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237ールルウィン祭 1

 さあ、起きてパレードを見るのだ。ディさんに手を振ろう。


 リア姉とレオ兄と一緒に手を繋いで街に向かう。道中は朝よりお花が増えていた。

 街に向かう道の両側にお花が出してあって、ずっと街まで続いている。鉢植えで育ててあるのだ。

 そのお花の鉢植えが、其々の家の前に並べてある。

 ルルンデの街中が、白色と黄色のアルストロメリアの花で溢れている。

 午前中に降った雨がお花を濡らしていて、雨粒がキラキラと光っている。

 アルストロメリアの道が街まで続く。白色と淡い黄色の花が溢れる街は、まるで水彩画を見ているようだ。


「きれいなのら」

「本当ね、去年は見られなかったから」

「ロロ、花冠忘れなかったんだね」

「れおにい、わしゅれないのら。とっておいたのら」

「ふふふ、ロロったら可愛い」


 そういうリア姉も黄色のレイがお似合いだ。

 ちゃんと俺はとっておいた花冠を頭に乗っけているのだ。もちろん、レオ兄やニコ兄だって乗せている。

 

「りあねえも、かわいいのら」

「そう? 有難う。ふふふ」


 マリーやユーリアも一緒に行くお祭り。みんなでお出掛けってだけでも嬉しいのに、お祭りなのだ。もうワックワクなのだ。

 思わず、俺もスキップが出てしまうぞぅ。


「しゅきっぷしゅきっぷ、らんらら~ん」

「アハハハ、ロロまた出来ていないよ」

「ロロ、一緒にするぞ」

「うん、にこにい」


 ニコ兄を見ながらだとできる。良いお手本なのだ。


「せーの」

「しゅきっぷしゅきっぷ、らんらら~ん♪」

「ふふふ、そのお歌はなあに?」

「しゅきっぷのおうたなのら」

「そんなのあるの?」

「ちゅくったのら」

「アハハハ、ロロが作ったのか」

「しょうなのら」


 だって、口遊(くちずさ)みたくなるじゃないか。

 そんな事をしながら街に着いた。広場では屋台で色んなものが売られている。お肉を焼く匂いや甘い匂いもする。

 俺の完璧なスキップはできたのかって? それはまた次の機会までお預けなのだ。


「りあねえ、あれはなんなのら?」

「どれかしら?」


 俺は屋台に並べてある真っ赤な丸いものを指さした。

 真っ赤でツヤツヤ、キラキラとしていてまるで宝石の様だ。


「あれはね、いちご飴ね。いちごに飴がかかっているのよ。パリパリの飴を一口かじると、中からじゅわっと甘酸っぱい果汁が口いっぱいに広がるの」

「パリパリとじゅわわッ!」

「そうよ」

「りあねえ、たべたいのら」


 俺は繋いでいた手を引っ張って、いちご飴が売られる屋台へと行こうとする。この世界にもあるのだな。飴なんて滅多に食べられないのに。


「ロロ、端から見て回りましょう」

「マリー、パレードにはまだ時間があるんだろう?」

「はいはい、大丈夫ですよ。でも少し早めに場所を取らないと、人がいっぱいでディさんが見えませんよ」


 そうなのか? そんなになのか?

 そうなのだろう。もう広場は大勢の人で賑わっているのだ。

 男の人は頭に白い花冠を、女の人は首に黄色のレイを。ちびっ子から老人までみんな着けている。

 その上、広場の中央の白い鳥さんの像には、花冠とレイが掛けられていて、もう鳥さんの形が分からなくなっている。お顔が半分埋もれているのだ。

 その周りにある花壇にも、アルストロメリアが沢山咲いている。

 広場の中央から周りの建物に向かって、お花で作った縄が渡されている。どうやってあんなに長い物を作ったのだろう?

 俺は屋台を見たり上を見たり、あっちこっち見る物がいっぱいで大変なのだ。


「ロロ、抱っこしよう」

「えー、れおにい」

「人が多いし、ロロもキョロキョロしているから危ないよ」

「しょう? 分かったのら」

「わふ?」

「うん、今日は抱っこするよ。ピカも(はぐ)れないように付いて来るんだよ」

「わふん」


 レオ兄とピカが話している。なんだか慣れないのだ。

 ピカが、僕が乗せようか? と、言ってくれたのだけど、今日はレオ兄に抱っこしてもらう。

 こんなに沢山の人を見たのは、この世界では初めてなのだ。それ位の人が広場に集まってお祭りを楽しんでいた。


「ロロ、あそこに的当てがあるぞ!」

「おー!」


 的当てとは、先を丸くした矢を弓で射て並んでいる小さな的に当てる。どれかに当たったら何か貰えるのだ。射的の弓バージョンだ。景品が並んでいるわけではないのだけど。

 弓の名手、ディさんに直接教わっている実力を発揮する時なのだ。


「レオ兄、やりたい!」

「分かった分かった」


 これはレオ兄がやると反則なのだ。だってレオ兄は弓が得意なのだから。プロと言っても過言ではない。

 ニコ兄だって、ディさんに教わっているから上手なのだ。


「おっちゃん、俺挑戦するぞ」


 ニコ兄が挑戦だ。先が丸くなった矢を3本もらう。それを前に並んだ小さな的を目掛けて射るのだ。

 1本目。ニコ兄が矢を番えギュッと弦を引っ張ってビュンッと射る。

 並んでいる的を掠めて、パコン! と軽い音を立てて屋台の後ろの幕に当たってしまった。


「にこにい、おしいのら」

「ニコ、肩の力を抜いてごらん」

「おう、分かった」


 レオ兄がアドバイスをしたら、ニコ兄の構えが変わった。

 余計な力が抜けて、真っ直ぐに立っている。キリキリと弦を引っ張りまたビュンッと矢を射る。

 今度はパコーンと良い音を立てて、的に当たった。何が貰えるのだろう?


お読みいただき有難うございます!

今日のハルちゃんの投稿は少し遅くなります。

申し訳ありません。

暑いですが、皆様お身体には気をつけて!


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― 新着の感想 ―
[一言] ニコ兄と一緒ならできるしゅきっぷ らんらら~ん♪可愛い♡
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