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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第1章 ルルンデで生活するのら

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23ー番外編 お正月

新年明けましておめでとうございます。

今日は番外編の投稿になります。

「み、み、みょぉ〜!?」 


 朝起きたら猫耳が生えていた件……

 いやいや、それっぽく言ってるけど。何かのタイトルみたいに言ってるけど。

 なんでなのだ? どうしてこうなった?

 両手で耳を押さえて、項垂れているのだ。

 新年早々、何故か猫耳が生えてきて狼狽えているロロです。

 皆様、新年あけましておめでとうございます。

 いや、そんな事を言っている場合じゃないのだ。

 

「ロロ、おはよう。大きな声を出してどうした? ああ、今日は新年だからおめでとうだね」

「れおにい……」

「ん? どうした?」

「れおにい、み、みみが……」

「耳?」


 俺は両手で隠している手を退ける……と、そこには可愛らしい猫耳がコンニチハをしている。

 よく見かけるまっすぐ三角にピョンと立っている耳ではなく、所謂『垂れ耳』だ。

 スコティッシュフォールドのような、ペコリと寝ている耳なのだ。


「え……?」

「れおにい……どうしよ」

「ロロ、どうしてそうなった?」

「わかんない。おきたらはえてた」

「え……?」


 レオ兄がジッと俺の猫耳を見る。


「ロロ、耳だけかい? 尻尾は?」

「え? しっぽ?」


 マジかよ。俺は恐々自分のお尻を触ってみる。

 ふむふむ、ぷよぷよしたお尻だ。可愛らしいぞ。そんな事を言っている場合ではないのだ。


「れおにい……」

「どう?」

「ある……しっぽ、はえてる……」

「本当に!?」


 ガバッと掛け布団を除けて、俺のプリップリのお尻を見る。ガン見だ。

 ちょっと恥ずかしくて、ベッドの上で丸くなる。尻尾も連動して、体の方に巻きついてくる。思わずモフモフな尻尾を両手で掴む。


「ロロ……あるね」

「うん」

「どうして?」

「わかんないのら」

「うん、とにかく起きよう」


 とにかくの意味が分からないのだ。起きたら無くなる訳でもない。

 猫耳と尻尾を生やしたまま、レオ兄に抱っこされて下に降りていく。


「ロロ、あけおめ!」


 ニコ兄が、元気に声を掛けてくる。でも、俺は元気無く……両手で猫耳を隠している。


「なんだよ、どうしたんだ?」

「にこにい……」

「頭痛いのか? 熱あんのか?」

「ううん、ないのら」

「なら、どうしたんだよ?」

「あら、ロロ。今朝は早いのね。新年おめでとう」


 リア姉も起きてきた。キッチンではマリーとエルザ、ユーリアが朝食の準備をしている。


「ロロ、どうしたの? 頭でも痛いの?」

「いたくない」

「なんだよ、ロロ」

「ロロ、隠しておけないよ?」

「らって、れおにい」

「何? どうしたの?」

「姉上、ニコ、驚かないでよ」

「レオ兄、何だよ」

「ロロ」

「うん……」


 俺は隠していた手をゆっくりと退けた。

 そこには、やはりテロンとした垂れ耳が……


「え……?」

「ロロ!」

「それだけじゃないんだ」


 レオ兄が、俺のお尻が見えるように抱き方を変えた。

 そこには、ヒョロンと尻尾が……


「やだ、可愛いお尻!」

「ロロ、どうしたんだよ!? いつの間に!?」

「あらあら、朝から何ですか?」


 マリー達も寄って来た。そして、俺の猫耳と尻尾を見る。


「あらあら、まあまあ!」

「ロロ坊ちゃま!?」

「可愛い!」


 可愛いって止めてくれ。どうして俺に猫耳と尻尾が生えてきたのか分からないのだ。

 リア姉が、手で触って引っ張ったりしている。


「う……う、うぇぇ〜ん!」


 俺はとうとう泣き出してしまったのだ。キャパオーバーだ。


「ロロ! 大丈夫だ、可愛いよ!」

「そうよ、ロロ。とっても可愛いわ!」

「えぇー……」

「こら、ニコ」

「いや、だってさぁ。どうすんだよ」

「び、び、びぇぇ〜ッ!」


 ニコ兄の言葉で、余計に号泣なのだ。何で突然、猫耳とモフモフの尻尾が生えてきたのだ?


「ニコ! そんな事言わないの!」

「あらあら、まあまあ」

「ロロ、泣き止もう。取り敢えず、マリーのご飯を食べよう」

「れおにい……いらないッ! 食べれないぃ! えぇぇ〜ん!」

「ロロ!」

「ロロ、食べましょう。お腹空いたでしょう? 食べてからゆっくり考えましょう」

「グ、グジュ……わかったのら」


 結局俺はしっかりと朝食を食べた。だって、マリーのご飯は美味しいのだ。

 それから、皆にジッと見られている。

 俺に突然生えた猫耳と尻尾はどうなっているのか? もう無くならないのか?

 作戦会議なのだ。


「本当に猫耳だわ。取れないわね」

「りあねえ……さわったららめ!」

「ロロ、昨夜寝る前に何かしたのか?」

「にこにい、何もしてないのら」


 俺を取り囲んで見ている。


「ロロ、取り敢えずポーションを飲んでみようか?」

「れおにい、なおる?」

「いや、分からないけど。ポーションは色々治るから」


 とっても適当なのだ。それでも俺は、レオ兄が持って来たポーションをグビッと飲む。


「ロロ、どうかな?」

「なんともないのら」


 リア姉は遠慮なく耳と尻尾を触っている。だからぁ、耳と尻尾はデリケートなのだぞ。


「りあねえ、やめれ」

「いいじゃない、触らせてちょうだい」

「らめにゃんッ!」


 え……? 俺、今何て言った?


「ロロ……」

「どうしたんだよ、ロロ!」

「耳と尻尾は、さわったららめにゃん」

「ロロー!」


 ニコ兄がガシッと抱きついてくる。


「くるしいにゃん」

「か、可愛い!」


 あれれ? 俺、何か変なのだにゃん。

 なんだか、体がむじゅむじゅしゅるにゃん。どうなってるにゃん!? もしかして、ポーションが駄目だったのじゃないのか?

 すると、ポポポンッ! と俺は猫に変身していた。垂れ耳がチャームポイントのスコティッシュフォールドの仔猫になっていたのだ。


「「えぇー!?」」

「ロロォー!」

「にゃぁ〜」


 どうするにゃん!? 俺は猫になってしまったにゃん! そんなの嫌にゃん!


「……ロ! ロロ!」

「……にゃ?」

「ロロ、うなされていたよ。悪い夢でも見ていたのかな?」

「れおにいにゃん……?」

「何言ってんの? レオ兄だよ。新年おめでとう」

「え……?」


 俺は慌てて耳を確認した。お、ないぞ。尻尾は? うん、ぷりちーなお尻だ。

 あれ? あれれ? どうなっているのだ?


「にゃん?」

「アハハハ。ロロ、どうしたんだ?」


 どうやら、夢だったらしい……

 まさか、猫になるなんて……夢で良かったにゃん。


「わふぅ」


 ピカ、呆れないでほしいにゃん。


今年も宜しくお願い致します。

地震が起きてしまいました。私が住んでいる地域でも揺れました。

どうか、皆様のご無事を心からお祈りします。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

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