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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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228ー明後日!?

「おるしゅばん、れきる?」

「キャンキャン!」

「アンアン!」


 守っているから安心して! と言っている。そうか、家を守ってくれるの? お墓参りの時みたいに、てっきり付いて来ると言うと思ったよ。

 フォーちゃん達はいない。ニコ兄の側にいるのかな? もうすっかりニコ兄が、フォーちゃん達のボスなのだ。


「なんだ、もう大分できているじゃない」


 いつもの様に綺麗なディさんの登場だ。眩しいくらいに綺麗だ。思わず、じっと見惚れてしまったのだ。


「なに? ロロ」

「でぃしゃんは、いちゅもきれいなのら」

「え? そう? 有難う!」


 そう言って抱きついてくる。ふんわりと良い匂いがする。ディさんの匂いだ。俺の大好きな匂いの一つなのだ。

 風が森の匂いを運んでくる。その匂いも好きだ。前世ではこんな事を思った事はなかった。

 雑多な街の匂いなんて覚えてもいない。いつも研究室に籠っていたから、こんな良い天気の日でも外に出ていた事だってあまりない。

 おひさまが出ている。そんな時間はいつも研究室の中にいた。

 

「ロロ、どうしたの?」

「なんれもないのら」


 そう? と、ディさんが俺の頭を一つ撫でる。大きな手だ。

 温かくて安心する手なのだ。ディさんと手を繋いでいると、何からも守られているように感じてしまうくらいなのだ。


「ちょっとドルフ爺、マンドラゴラが増えているじゃない」

「おう、いつの間にかな」


 食っているんだけどな、なんて言っている。おかしいぞ、とってもおかしい。

 この辺りでは、マンドラゴラは食料化している。魔物扱いしていないのだ。それも、どうなのだ?

 みんなマンドラゴラの対処方法をしっているから事故は起きないけど。

 一応、魔物なのだよ。なのに、マンドラゴラ畑って何なのだ? ちょっと常識からズレている気がするのは俺だけなのか?

 俺はリア姉とレオ兄からもらった剣帯に、あの木の短剣とピコピコハンマーを差している。

 状況に応じて、どちらを使うか選択するのだ。かっちょいいだろう? ふふふん。

 どこからか、ピヨピヨとフォーちゃん達の鳴き声がする。何かを訴えているようだ。


「レオ兄! ロロ! ドルフ爺! あ、ディさんもいたのか!」


 ニコ兄だ。畑に出ていたのに、どうしたのだろう。って、足元にはフォーちゃん、リーちゃん、コーちゃんだ。本当にニコ兄がボスらしい。


「ロロ、フォーちゃん達が何か必死で訴えているんだけどさ。俺、分かんないんだよ」

「え、なんらろ? ふぉーちゃん、りーちゃん、こーちゃん?」

「ピヨピヨ!」

「クックック!」

「ピヨヨ!」


 三羽が口々に、俺に必死に訴えてくる。

 ああ、やっぱりそう言うと思っていたのだ。だってお墓参りだって、付いて来ると言っていたのだから。

 何を訴えているのかというと。


「ふぉーちゃんたちも、おまちゅりにいくって」

「あー、やっぱりか。そんな気はしてたんだ」


 ニコ兄も、なんとなくは分かっていたらしい。

 これはあれだね。飼っているペットと話せなくても、なんとなく意思疎通ができるというのと同じだね。マリーも同じ様に、ピカやチロの事が分かるのだ。


「昼間は駄目だぞ」


 ドルフ爺が一刀両断だ。スパッと切り裂いてしまった。

 フォーちゃん達が、ガビーンと固まってしまったのだ。プルプルと震えながら、ピヨヨッと力ない声を出している。

 そうか、ドルフ爺はボスの中のボス、ラスボスなのだ。え? ドンか? ドンなのか?


「そうだね、昼間は本当に人が多いから駄目だよ。屋台やパレードがあるからさ」

「おう、そうだな」


 そうだ、パレードなのだ。俺ったら、大事な事を忘れていたのだ。


「でぃしゃんも、ぱれーろにでるのら?」

「あ! そうだよ。ニルスが言っていたぞ!」

「ん? 僕? 毎年出てるよ」

「しゅごいのら!」

「アハハハ! そう? 今年はロロも見に来るんだろう?」

「じぇったいにいくのら!」

「ロロ、絶対なのか?」

「うん! れおにい、じぇったいにいくのら!」

「俺も絶対に行くぞ!」

「アハハハ! ニコも一緒に見においで。僕が馬車の上から手を振るね」

「「おおー!」」


 凄いのだ。ディさんったら、前世でいうとアイドルみたいじゃないか。

 とか言ってるけど、お祭りっていつなのだ? 肝心な事を知らないのだ。


「おまちゅり、いちゅなのら?」

「え? ロロ、知らないの?」

「しらないのら」

「ロロ、明後日だぞ」


 なんですと!? あ、明後日!? ニコ兄は知っていたのか?


「知ってるぞ。みんな言ってるし」


 みんなとは、畑の爺ちゃんや婆ちゃん達の事なのだ。そりゃそうだろう、そんな話もするのだろう。俺だけ知らなかったのか? すっごく楽しみにしていたのに。


「たいへんなのら」

「ロロ、大変なの?」

「らって、れおにい。じゅんびをしてないのら」

「アハハハ、何もしなくてもいいんだよ」

「でぃしゃん、しょうなの?」

「そうだよ」


 当日はみんなで一緒に、先ずは朝から教会に行ってお花を貰い女神様の像に飾り付ける。

 それから広場の鳥さんの像にも飾り付ける。後はみんな自由に屋台を回ったり、パレードを見たりするのだそうだ。

 それから、夜だ。川に行き、葉っぱでお舟を作って流す。

 何も準備する事はないのだそうだ。


お読みいただき有難うございます!

毎日暑いですね〜。熱中症等にはくれぐれもお気をつけ下さい。

応援して下さる方、また明日も読んで下さる方は是非とも下部に↓ある☆マークから評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします!


暑くてバテてしまいそうですが、そんな時は元気をもらいましょう!ちゅどーん!

挿絵(By みてみん)

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[一言] ドルフ爺はドンだった···!
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