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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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227ー優れもの

「アハハハ! 可笑しい!」

「ね、最高じゃない!? しかも、硬いのに軽いんだよ」


 だって作る時に、強く硬くと思って作ったのだもの。

 俺の付与魔法(?)というものが、しっかりと働いてくれた結果なのだ。

 俺が作った、ピコピコハンマー。

 俺の思った通りに強く硬くなっていた。優れものなのに、この音だ。

 何がどうしてこの音が、採用になったのかは全く分からない。もちろん作る時に、俺が想像していた訳でもない。

 でも、まあ良いか。と、思うのだ。慣れてくると、なかなか可愛らしく思えてくるのだよ。

 なにより、俺の手にぴったりのサイズで、しかも軽い。とっても軽いのだ。

 だから俺はピコピコハンマーを持ったまま、手を掲げたりできるのだ。


「ロロ、そんなに軽いの? 土なのに?」

「しょうなのら。れおにいも、もってみるのら」


 はい、とレオ兄に渡した。

 それを手に持ったレオ兄。


「ブフフッ」


 え? どうして笑うのだ? 今は笑うところではないぞぅ。


「これ、羽なんだね?」

「しょうなのら。こっこちゃんのお手々なのら」

「アハハハ! コッコちゃんかぁ」

「ね、凄いだろう? 見た?」

「はい、ディさん。こんなのが作れるなんて」

「そうなんだよ。ロロの才能が怖いよ」


 何の話なのだ? 『見た?』と、ディさんが聞いていたから、多分鑑定眼の事なのだろう。

 作った本人の俺が気付いていない事があるのかな?

 また無意識で、俺は何かやっちゃったかな?


「ロロ、そうじゃないよ。これはとても凄いねって話だよ」

「でぃしゃん、しょう?」

「そうだよ。ロロは天才だ!」

「ええー」


 それはとっても言い過ぎなのだ。

 俺が使える土属性魔法なんて大した事がない。付与魔法だってそうだ。

 俺独自の感じで付与しているのだから。ちゃんと教わりたいのだ。


「ロロ、これに魔力を流して叩けば、魔物だってやっつけられるよ」

「らって、でぃしゃん。まんどらごらも、まものなのら」

「アハハハ! そうだったねー」


 何を言っているのだ? 俺はその魔物のマンドラゴラを、バシコーンしたくて作ったのだから当然なのだ。


「ロロ、マンドラゴラ持って行くぞ」

「うん、どるふじい」

「ドルフ爺、柵を作る方が良いよ」

「そうなんだけどなぁ」

「明日、僕が作ろうか?」

「レオ、僕も手伝うよ」


 そうなのか? レオ兄は冒険者ギルドに行かなくても良いのかな? 一日、家にいるのかな?

 いつもリア姉とレオ兄は、一日中いないから家にいるなら嬉しいのだ。


「レオ、じゃあ明日はお休みにするの?」

「姉上、いいかな?」

「いいわよ。ちゃんと話しておきたいし」

「そうだね」


 何なのだろう? 何にしろ、明日はリア姉とレオ兄が家にいるのだ。


「れおにい、ボクもてちゅだうのら!」

「そう? じゃあ、手伝ってもらおうかな」

「うん!」


 翌日、レオ兄はドルフ爺と一緒に、マンドラゴラ畑に柵を作っていた。

 広く隙間を開けるとそこから出てしまう。ジャンプしたり登ったりはしないから、高さはそう必要ないだろう。

 それでも、木でしっかりとした柵を作る。コッコちゃんの柵の方が適当なのではないか? と、思うくらいなのだ。

 マンドラゴラの、体が通れない程度の隙間を空ける。ちゃんと開閉できる扉もつけてある。

 コッコちゃんは自分で扉を開けて、お外に出て来る。まさか、マンドラゴラもそうなったりして。いやいや、それは困るのだ。

 無害なコッコちゃんと違って、マンドラゴラは状態異常にしてしまうのだから。


「レオ、今年は祭りに行くんだろ?」

「うん、行くよ。ロロが張り切っているしね」

「なんだ、ロロ。そうなのか?」

「うん、じぇんぶみたいのら」


 街の空気というか雰囲気が、お祭りが近くなってきたという感じなのだよ。

 お花が道端に出されていたり、広場に屋台が設置され出したり。

 教会では、ビオ爺が一生懸命お掃除をしていた。女神像を拭いているのだ。

 そういえばニルスが『年に1回のビオ爺の出番だ』とか、話していた。

 日に日に、ウキウキ感が増してくる。

 俺は今から、とっても楽しみなのだ。


「夜には川へ行くのも知っているか?」

「びおじいに、きいたのら」

「その時に、クーちゃんも連れて行ってやりたいんだ。川なら行ってみたいらしい。クーちゃんは大きくて、池で泳げないからな」


 なんですと!? クーちゃんも!? だって、クーちゃんは歩くのがとっても遅いのだ。

 それに人も多いだろうと思うよ。そこにあんなに大きな亀さんが、ノッシノッシと歩いていて大丈夫なのか?


「だからクーちゃんを乗せる荷車を作ったんだ」


 作った!? ドルフ爺が本気なのだ。きっとそんなところに、クーちゃんは惚れちゃったのだろう。

 ドルフ爺は優しいし、なんでもできる。 俺だって、ここに来たばかりの頃はお世話になったのだし、今も変わらずお世話になっている。

 もしかしてそれを作っていたから、マンドラゴラ畑の柵が後回しになっちゃったのか?


「少し上流に行けば人も少ないだろう」

「なら、いいんじゃない? クーちゃんと小亀も連れて行くの?」

「いや、小亀は流石に危ないから留守番だ。コッコちゃん達も留守番だしな。イッチー達とフォーちゃん達も留守番させるつもりだ。番犬じゃなくて、何ていうんだ? アハハハ」


 大人しくお留守番をしてくれるのだろうか? ドルフ爺が此処にいるから、プチゴーレム達も側で見ている。


お読みいただき有難うございます!

感想を有難うございます。楽しく読ませていただいてます。

応援して下さる方、面白かったよ〜と思って下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


クーファル兄さんみたいなイケメン、どこかにいないかしら?見るだけで良いのだけど。^^;

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] 番犬じゃなくて…番鳥?(イッチー達ならもちろん読み仮名はバンチョウだよw)
[良い点] レオ兄のお小言から解放されて良かった(๑>◡<๑) ロロの作ったピコピコハンマーの評価が凄過ぎる。 地獄から天国へ浮上(^O^☆♪ ロロも凄いけどドルフ爺も凄い。クーちゃんの為に荷車…
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