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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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213/469

213ー相変わらず

「杖は良いですね。あのエルフなら良い物を作ってくれますよぅ」


 なんだ、それも知っているのか。杖は俺も楽しみなのだ。ハリー◯ッターみたいで、ワクワクする。


「ロロには必要な物です。早く作ってくれると良いのですが……」


 え? やっぱ何か含みのある言い方をするよね。どうせ聞いても教えてくれないのだろうけど。


「それよりぃ、私もお土産が欲しいのですぅ~」

「え、もうじぇんぶあげちゃったのら」

「えぇぇーッ! ショックなのですぅー!」


 なんでだよ、女神にお土産なんて買って来られないじゃないか。どう説明するのだ。

 ププーの実も欲しがっていたし、もしかして食いしん坊さんなのか?


「残念ですぅー、塩漬けのお野菜やハムを食べてみたかったのですぅ」


 残念そうに、体をくねらせながら横目でチラチラとピカを見ている。

 ピカさん、もしかしてまだ何か持っているのかな?


「わふん」

「ほらぁ~! 流石ピカちゃんなのですぅー!」


 塩漬け野菜とハムを少しだけ持っているらしい。偶々余分に買っていたものだそうだけど、女神にあげても良いのかな?


「わふ」


 みんなあるとは思っていないから大丈夫だと、ピカは言う。なら良いよ。


「ぴか、らして」

「わふん」


 ピカがコロンと出した。少しだけど、一人で食べるのなら充分だろう。


「有難うなのですぅ~!」


 塩漬け野菜と丸いハムを抱えて、ランララ~ンと小躍りしている女神。本当に嬉しそうなのだ。

 もしかしてピカさんは、態と残していたのではないかな? 女神が欲しがると分かっていたの?


「わふ」


 少しだけね。なんて言っている。ピカは女神の事をよく分かっているのだね。

 女神思いの良い神使だ。なんだか微笑ましく思ってしまった。

 今度から珍しい物や美味しい物は、取っておいてあげよう。


「ロロー!」


 両手にお野菜やハムを持ったまま、抱き着いてきたのだ。それは当然避けるだろう。


「塩対応なのですぅー!」


 なんだかいつもグダグダなのだ。


「ああ! もう時間なのですぅ! 有難うなのです! 気をつけるのですよーぅ……よーぅ……よーぅ……」


 と、エコーの様に声を響かせながら消えていった。そして、俺は目が覚めたのだ。

 ゆっくりと目を開けると、レオ兄はまだ眠っていた。

 本格的に夏になる前、季節が変わる時の空気だ。数日前だと、早朝はまだ少し肌寒かったりしたのだけど今はそんな事もない。空が明るくなるのも、少し早くなっている。

 コッコちゃん達の、コケッコーという鳴き声が聞こえてくる。もう起きているのだ。


「わふ」

「ぴか、おはよう」

「わふん」


 ベッドにお顔を、乗せてきたピカの首筋をワシワシと撫でる。ピカも毎回女神に呼び出されて、お土産まで考えていたなんて世話が焼ける女神なのだ。


「わふん」

「しょお?」


 だって僕が仕えている女神様だからね。なんてピカが言っている。

 ピカは女神の神使なのだ。だから泣き虫女神の髪色や瞳と同じ色をしている。

 ピカピカとした綺麗な毛の色から、ピカと名付けたのだから。


「んん……ロロ? もう起きたのか?」


 レオ兄を起こしてしまったのだ。レオ兄はいつも俺を、ふんわりと優しく抱えて眠っている。だから、俺が動くと分かるのだ。

 俺が攫われた事件から、余計に敏感になっている。


「れおにい、めがしゃめたのら」

「まだ少し早いよ」


 レオ兄が優しく撫でてくれる。レオ兄の体温と鼓動、それに匂いがとっても安心するのだ。

 俺は小さく丸くなってレオ兄にくっつく。


「らってまたねたら、ねぼうしゅるのら」

「ハハハ、ロロは寝坊しても構わないよ」

「らめなのら。でぃしゃんがくるのら」

「ああ、そうだね」


 少しの間、レオ兄にくっついていた。レオ兄が俺の背中をヨシヨシと撫でてくれる。

 いかんよ、そんな事をしたらまた眠気が襲ってくるのだ。


「よし、起きてコッコちゃん達にご飯をあげようか」

「うん」


 レオ兄と一緒に下に降りて行くと、マリー達とコッコちゃん一家が勢ぞろいしていたのだ。


「おはよう」

「おはよー」

「あらあら、お早いですね」

「めがしゃめたのら」

「まだ早いからコッコちゃんの餌を用意しておくよ」


 レオ兄の言葉に、マリーの足元に集まっていたコッコちゃん達が反応して寄って来た。

 コケッ、クック―と鳴きながらみんな移動してくる。


「もしかして、もうおなかがしゅいてるの?」


 腹ペコだと、コッコ、クックと訴えてくる。


「おしょとにでるのら」


 ゾロゾロと、コッコちゃん達が付いて来る。レオ兄と俺の後を、コッコッコ、ピヨピヨと口々に鳴きながら賑やかなのだ。

 フォーちゃん達はいるのに、プチゴーレム達の姿が見えない。もしかして、もう畑にいるのかな?


「イッチー達は夜もずっとパトロールしてくれているからね」

「れおにい、しょうなの?」

「ほら、前に獣が出ただろう。あれからずっと夜もパトロールしてくれているよ」


 えぇー、いつ眠っているのだろう?


「アハハハ、本当だよね」


 あの子達は疲れを知らないのか? パワフル過ぎるのだ。俺はそんなに魔力を与えていないのに。


「ディさんが言っていたけどね、ロロの近くにいるだけで良いみたいだよ」

「えぇ? しらなかったのら」

「そう?」


 ディさんが話していたそうなのだ。

 魔力を供給すると言っても、特別何かをする必要もないらしい。


お読みいただき有難うございます!

今日は平和なのですよーぅ…よーぅ…よーぅ(セルフエコー)

アース・スターノベル大賞の発表以来、沢山の方に読んで頂けている様でとても嬉しく思っております。

応援するよ!続きも読むよ!と、思って下さる方は是非とも、下部↓にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

よろしくお願いします!


今日は締切がとってもヤバイ事になっているリリを。^^;

編集さ〜ん!頑張って〜!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 女神様も美味しい物に目が無いのですね。ピカさんは、良くご存知慣れた物ですね。 ロロ、今度からは女神様の分も沢山用意してあげてね。マリーのケーキなんか上げると泣いて喜ぶかもしれないね。(^O…
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