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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

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196ー有名になっちゃった

 珍しいコッコちゃんの卵が特産品になったら、それだけの経済効果が期待できる。

 それは今まで、ダンジョンしかなかったルルンデの街にとっては、とても利益のある事になる。それくらいは、分かっているのだ。

 でも、それで良いのだ。自分達だけが良い思いをするよりは、みんなで美味しいと言って食べる方が良いだろう? それだけの事だ。


「それとな、前に話していた貴族に雛を一羽譲ったんだ」


 以前話していた、コッコちゃんのお肉を食べてみたいと言っていた貴族なのだ。

 オスカーさんは、コッコちゃんを絞めたりできないから、雛が孵ったらそのまま譲ると話していた。

 但し、勝手に売り物にはしない。自分達が食べる分以上に増やさないと、領主様と約束しなければならない。

 それを勝手にされてしまうと、ルルンデの街としての産業にならなくなってしまうからだ。


「結局その貴族も絞められないと言ってな、飼うことにしたらしいぞ」

「よかったのら」


 だって雛は可愛らしい。もちろん、家のオレンジ色した子達もだ。

 大きくなったら美味しい卵を産んでくれるから、それで良しとして欲しいのだ。


「でぃしゃん、きょうかいにもいくのら」

「そうだね、じゃあオスカーさん」

「おう! ロロ、また食べに来いよ」

「うん、ありがとー」


 俺達は孤児院へと向かったのだ。教会の前に人集りができている。またコッコちゃんを、お散歩させているのかな?

 人集りに近づいていくと、その中心にビオ爺がいたのだ。


「待ってくれ、本当にないんだ」


 と、大きな声で言っている。どうした? 何かあったのかな?


「でぃしゃん、ろうしたのかな?」

「ね、何かあったのかな?」


 少し離れて、教会へ入って行こうとしたのだ。


「あ! ディ! ロロ!」


 おっと、呼ばれてしまった。どうしたどうした?


「コッコちゃんの卵を売ってくれって言うんだよ。もう無いからって言ってんだけどな」

「ありゃりゃ」

「卵は数がないから売ってないんだ! 食べたかったら『うまいルルンデ』で食べられるからさ!」


 と、ディさんが大きな声で言った。

 集まっていた人達は、渋々と言った感じで帰って行ったのだ。


「まいったよ。昨日もこんなんだったんだ」


 いつの間に、そんなに有名になっていたのだ? だって売っていないのに。

 孤児院で産まれた卵を、領主のフォーゲル子爵に買い取ってもらっているらしい。と、言っても2~3日に1度だけだ。それでも、口伝に広がったそうなのだ。


「領主様が定期的に買ってくれるから、街の孤児を2人保護できたんだ。だから、それは良いんだが」


 ストリートチルドレンの問題だ。先ずは小さい子から保護していくと話していた。進んでいるではないか。良い事なのだ。

 裏に回って孤児院の方へ行くと、庭でコッコちゃん達が日向ぼっこをしていた。雛が……え? 何羽いるのだ?


「凄い増えてるじゃない!?」

「おう、だって裏で飼うんだろう? だから食べる分以外は孵しているんだ」


 そんなになのか? あれからそんなに日は経っていないのに、もう10羽の雛がいる。それに、まだ温めている卵もあるらしい。

 こんなに雛が増えて、子供達だけでお世話ができるのか?


「コッコちゃんは、お利口さんですからね。それは大丈夫なんですよ」


 ハンナだ。今日も子供達の面倒を見ている。

 それは大丈夫と言う事は、大丈夫じゃない事もあるのか?


「餌なんだよ」

「びおじい、おやしゃい?」

「そうなんだ。ロロはどうしているんだ?」

「にこにいが、おやしゃいを育ててるのら」

「あー、そうなのか。ならいいな」


 それがなくても、うちはコッコちゃんが食べるお野菜には困らない。だって、ドルフ爺達が畑をしているから。お野菜の葉っぱなんて沢山あるのだ。

 孤児院でも畑は作っている。でも、それほど量は作っていない。子供達の食事に困らない程度なのだそうだ。


「ニコを連れてくる?」


 ディさん、ニコ兄を連れて来ても直ぐにお野菜は増えないのだ。庭の隅にある畑を見てみよう。

 と、トコトコ歩いて行く。孤児院の庭の隅に少しだけ作ってある畑。うーん、見るからにニコ兄の畑とは、葉っぱの大きさや色が違うのだ。土が悪いのか? と、思って触ってみた。うん、分からない。いや、きっと基本ができていないのだ。

 だって、普通に畑にある畝ができていない。俺も詳しくは知らないけど、でも畝くらいは知っている。

 確か水はけをよくし、また栽培場所と通路の区別をすることで、野菜の生育管理がしやすくなる。そんな感じだったと思う。これは駄目だね。


「でぃしゃん、ちゅれてくる?」

「ね、そう思うだろう?」

「うん、どるふじいもなのら」

「ああ、そうだね」


 そうそう、ドルフ爺の方が知識もあるからね。経験だって違う。


「帰ったら相談してみよう。ドルフ爺の畑でいらない葉っぱはあるの?」

「たくしゃんあるのら」


 コッコちゃんファミリーと、クーちゃんが食べてもまだまだあるぞぅ。


「僕がドルフ爺から貰ってくるよ」

「ディ、助かるよ」


 ああ、そうだ。確かドルフ爺の息子夫婦が、街でお野菜を売っていたのだ。


「でぃしゃん、どるふじいの、むしゅこしゃん」

「ん? ロロ、何て?」


 説明したのだ。ドルフ爺の息子さん夫婦が、街でお野菜を売っているからそこから貰えば良いと。


お読みいただき有難うございます!

XでGCノベルズ様から、ハルちゃんのイラストカードプレゼントキャンペーンがあったのですが、当選された方にチラホラと連絡があった様です。

当選された方、おめでとうございます!私もどんなものなのか、全く知らないのです。^^;

Xにアップして頂けると嬉しいです!

応援して下さる方、続きも読むよ!と、言って下さる方は、是非とも下部にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします!

今日は、お久しぶりのリリです。↓

ライトバインドで、あなたの心も捕まえちゃうぞ☆なんてね^^;

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 人気者のコッコちゃん。 数が増えれば餌をあげるのも大変ですよね。此処はドルフ爺に頼んで畑の野菜を良くする事を考えよう。 ドルフ爺の息子さんは商売人ですしね。売れ残りを貰うにも毎日は迷惑にな…
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