表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第4章 お祭りに行くのら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

191/469

191ーいつもの朝?

 お墓参りから帰って来て、次の日は1日みんなと一緒だった。

 ディさんが朝からやって来たり、ドルフ爺とセルマ婆さんがやって来たり。

 お土産を渡して、いろんな話をしたのだ。クーちゃんには本当に驚いたね~なんて話していた。

 人々が寝静まり、夜行性の獣達が我が物顔で闊歩している頃。俺もベッドの中でレオ兄にくっついて夢の中だ。外は誰も歩く人なんていない。

 そんなルルンデの街を、見下ろす様に浮かぶ不気味な影があった。

 空に浮かぶ大小2つのお月さま。その光で逆光になって輪郭しか見えない。

 俺はそんな事も全然気付かないで、ぐっすりと眠っていたのだ。


   ◇◇◇ 


 ルルンデの街に少し暑い季節がやってきたのだ。

 日本の夏の様に、ムシムシと()だるような暑さではない。湿度が高いわけではないからだと思う。

 汗はかくけど、耐えきれないような暑さではない。爽やかなそよ風が吹いているし、カラッとしていて全然過ごしやすいのだ。

 いつもより少し早く朝が始まり、少し遅く夜が来る。1日が少し長い。

 夕ごはんを食べたら、直ぐに眠くなる俺には関係ないけどね。

 お墓参りから帰ってきて、翌日はみんなゆっくりとしていたけど直ぐに元通りなのだ。今朝もいつもの光景が繰り広げられている。


「姉上、早く行かないと良いクエストが無くなってしまう」

「だってレオ、暑いじゃない」

「だからってどうするの?」

「行くわよ。行くけど、今日はダンジョンにしない?」

「それでも良いよ」

「そう、決まりね」


 そんなリア姉とレオ兄を余所に、ニコ兄と俺は朝ごはんをのんびりと食べている。

 コッコちゃんの卵料理も、もちろんある。そのコッコちゃん達も、俺の足元でお野菜を貰って食べている。雛達も少し大きくなった。

 ピカも今日はリア姉達に付いていかないから、のんびりとわふわふ言いながらお肉を貰って食べている。プチゴーレム達まで、ピカさんと一緒にお肉を食べていたりする。

 そのすぐ側では、チロがお肉をブチっと引きちぎって食べていた。チロも少し大きくなったのだ。

 家の外には、クーちゃん一家もいる。それにしても、大所帯になったものだ。

 ま、俺はマイペースなのだけど。


「うまうま」

「な、やっぱコッコちゃんの卵は美味いよな」

「おばあちゃん、行ってくるわ」

「はいはい、気をつけてね」


 エルザが出掛けて行ったのだ。早いなぁ。元気だなぁ。俺は、モグモグしながら手をフリフリして送り出す。


「ほら、姉上。行くよ」

「分かったわよぅ」


 お墓参りから戻って来たリア姉を、一目見てディさんが驚いていた。


「何!? 何があったの!? どうしてこうなったんだ!?」


 長いまつ毛のパッチリとした綺麗なお目々を、より大きく見開いていた。

 そして、スライム退治の事を話したのだ。そしたら、ディさんにまた驚かれた。


「ロロ! どうして僕を呼ばないの!?」

「え、わしゅれてたのら」

「ええーッ!」


 まさかディさんを、呼ぶ事ができるなんて夢にも思わなかったリア姉達。


「なんで、もっと早く言わないの?」

「ロロ、それ忘れるか?」

「アハハハ!」


 また、笑っているのはレオ兄だ。

 だって、忘れていたのだ。と、言うかそれどころじゃなかった。結果オーライって事なのだ。ふむ。


「リア、ニコ。2人は今まで本当にサボっていたんだね。今回よく分かったよ」


 と言って、ディさんは少し呆れていたのだ。

 お、やはりそうなのか。そうだよな。だって2人とも直ぐに、できるようになったのだから。

 魔力操作ができるようになると、何が違うのか俺にはまったく分からない。でも、ディさんが見ると違うらしい。それこそ、別人のように違うのだそうだ。

 体の中にある魔力。その流れが違うらしい。今まで使えなかった魔法が使えるようになったり、威力が上がったりする。

 自分で強化したり、ガードしたりもできる。冒険者をしているリア姉にはとても有効な事なのだ。

 リア姉はいつも通り、今日もレオ兄と一緒に冒険者ギルドへ出掛けて行く。


「行ってくるね」

「ニコ、ロロ、お利口にしているのよ」

「俺はいつもお利口だっての」

「いってらっしゃい」


 俺に抱きついて、ほっぺにスリスリするのもいつも通りなのだ。

 ふむふむ、今日のコッコちゃんの卵料理も美味しいのだ。


「うまうま」

「ロロ、早く食べな。俺も行くぞ」

「うん、いってらっしゃい」


 ニコ兄も相変わらずなのだ。ユーリアと一緒に、麦わら帽子を被って畑へと走って行こうとしている。


「あらあら、ニコ坊ちゃま! 水やりを忘れてますよ!」


 マリーに言われている。うちの畑と薬草畑、その横に増えた花畑へ、水やりをするのを忘れているのだ。


「いっけね、忘れてた!」


 ニコ兄は水属性魔法が使える様になったから、水やりも楽勝だ。ピャーッと手からお水を、シャワーの様に出してあっという間にお終いだ。


「ユーリア、お弁当よ」

「おばあちゃん、有難う」

「マリー、ロロ、いってくる! ピカ、頼んだぞ!」

「いってらっしゃい」

「わふん」

「はいはい、いってらっしゃいまし」


 相変わらずなのだ。変わったところは何もない。が、お墓参りから帰って来た日、ディさんが言った。


「良い旅だったみたいだね」

「うん、たのしかったのら」


 帰って来た俺達を見て、ディさんは驚いたらしい。


お読みいただき有難うございます!

今日から第4章に突入です。どこまで続くのでしょう^^;

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は、是非とも下部にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします!

私の始まりは、リリでした。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 危機感を感じてリア姉とニコ兄が覚醒してディさんもびっくり‼️2人共やればできる子達でした。 やはりディさんもニコニコ顔でロロの旅の話を聞いてくれましたね(^O^☆♪ でも皆んなが寝静まって…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ