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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第3章 領地に行ったのら

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177ースライム退治 3

 リア姉が、スライムの残骸を炎で焼いている。後片付けだ。


「ピカ、ありがとう!」

「凄いよ、ピカのお陰であっという間だったね」


 リア姉とレオ兄に褒められて、ちょっぴり胸を張っているピカさんだ。

 炎が出せないから。なんて言っていたのに、褒められたら得意気にしている。

 やっぱあの泣き虫女神に少し似ているのだ。


「わふう」

「なんれもないよ。ぴか、ありがと」

「わふ」


 何か言ったかな? なんて言われたのだ。

 ピカのお陰で、要領を掴んだリア姉とレオ兄。このままの勢いで、もう一つの川へとGOなのだ。でもね。


「れおにい、ねむねむなのら」

「ああ、そっか。ロロはお昼寝していないから」

「ロロ、馬車で寝てな」

「えぇー! にこにい、いやなのら」


 そう、俺はもうお眠だったのだ。今日はロック鳥にも乗ったし、さっきスライムを踏ん付けたし、刺激が一杯だったからこの時間まで起きていられたのだ。

 俺はいつもならお昼寝から起きている時間だ。体がなんだかポカポカするぞ。


「眠いからだよ。馬車で寝ているといいよ」

「れおにい、いやなのら。また踏むのら」

「とにかく次に行きましょう」


 おう、リア姉はやる気なのだ。明日にしようって考えはなさそうだ。

 馬車に乗ってもう1本の川へ移動する。無理、無理なのだ。もう起きていられない。

 だって俺の気持ちとは関係なく、瞼が閉じてくるのだ。


「ふわぁ~……」

「姉上、魔力量は大丈夫なのか?」

「え? 分からないわよ」

「魔力の枯渇を起こしたりしないでよ」

「これくらい平気よ。まだまだいけるわ」

「本当かよ」


 もう、リア姉は適当なのだ。だからディさんが言っていたように、ポカポカぐるぐるをしていれば良かったのだ。

 馬車が揺れる。お尻が痛くなるような揺れなのだ。でも俺は眠い。眠気には抗えない。


「ロロ、クッション敷いて横になるといいよ」

「れおにい、おきてたいのら」

「無理だよ。もう目を開けていられないだろう?」

「んん……」


 レオ兄の言う通りなのだ。いくら頑張っても目が閉じてしまう。

 コテンとクッションの上に横になる。

 ああ、でも見たいのだ。もしも、怪我をしたら俺が治さないと。と、思いながら眠ってしまったのだ。



 ◇◇◇

(レオ視点です)



 ロロが眠った。お昼寝が必要だったのに、今日は色々あったから忘れてしまっていた。よく、頑張った方だ。


「ロロったら、可愛いわ」

「今日はロロ、はしゃいでいたからな」

「そう言うニコもだよ」

「俺はもう大きいから、頑張ったんだ」

「アハハハ、そうだね」


 ロロには悪い事をしちゃったな。スライムの討伐は明日にすれば良かったかも。

 でも明日にしてしまうと、またお墓参りに行くのが遅くなってしまう。

 お昼を食べたらロロは寝てしまうから、お墓参りは午前中に行きたいし。

 

「レオ、仕方ないわよ」

「うん、まあね。まさかスライム退治を、しなきゃならないなんてね」

「本当よ。あれ、絶対に調査してないわよ」


 姉上の言う通りだ。定期的にスライムの状態を調査しないといけないのに、それをしていないからこんな事になるんだ。あの叔父は一体何をしているんだ。

 この領地はフューシャン湖の塩で潤っている部分も大きい。そんな大事な事なのに。

 他の事もちゃんとしているのだろうか?

 両親が大事に守ってきた領地なんだぞ。

 馬車を走らせながら、周りを見る。以前より治安が悪くなっていないか? 領民の様子はどうだろうか? そんな事を考えながら、手綱を持ち馬車を走らせる。

 まさか僕達が領地に来ているなんて、思いもしないだろうな。乗り込んで行って、文句の一つでも言ってやりたい気分だ。

 でもきっと姉上の方が、腹を立てているだろうから僕は冷静でいないと。


「ほんっと、腹が立つわ!」


 ほら、やっぱり怒っている。姉上は少し直情的なところがあるからなぁ。良く言えば、素直なんだ。

 僕は、虎視眈々とチャンスを狙うタイプだ。逃げ場を作らないように、追い詰める。その為に考えるし、準備もする。

 だから、待っていろよ。絶対に尻尾を掴んでやるんだ。

 そう思って今まで我慢してきた。ちゃんと調べて、証拠を突きつけてやるんだ。


「レオ、何を考えてるの?」

「ん? 何でもないよ。ほら、川が見えてきたよ」

「ピカ、またよろしくね」

「わふん」


 ピカがスライムを、まとめて浮かせて出してくれた。あれはどうやっているのだろう?

 次の川で、ピカに教わろう。ピカって、やっぱ神獣なんだよな。あんな魔法の使い方を、思いつかなかった。


 フューシャン湖から流れ出ている、もう一つの川へとやって来た。

 馬車を止めて降りると、近くで農作業をしていた女性が話しかけてきた。


「お兄さん達、こんなところでどうしたんだい?」


 農家のおばさんなのだろう。麦わら帽子を被って、エプロンを着けている。家の近所のおばさん達と同じ様な恰好だ。

 もしかして領主の子供だと分かって声を掛けてきたのかと、警戒してしまった。でも、僕達の顔を知っている訳ではないらしい。


「川に水が流れていないって聞いたのよ」


 姉上は躊躇せずに答えている。姉上は、度胸も良いし物怖じもしない。


「そうなんだよ。ほら、見てみなよ。川に水がないでしょう?」


 そんな事を話しながら、おばさんと一緒に川を覗いている。


お読みいただき有難うございます!

まだまだスライム戦は続きます。^^;

宜しければ、ぜひとも下部にある☆マークで評価をして頂けると嬉しいでっす!

宜しくお願いします!

いつも感想や誤字報告を有難うございます!

本当に有り難くて感謝しております。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] ロロ、小さい身体で頑張りました。 弱いはずのスライム手強い。 川の水が流れてこないのは、領民にとって死活問題。 (偽)叔父の事は、この際置いといてこちらを先に片付けよう。  四兄弟頑張れっ…
[一言] おねむのロロくん可愛い♡ ちびっこ戦隊も名誉挽回できてよかったね。もうひとふんばり?
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