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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第3章 領地に行ったのら

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170ーリア姉が?

「ふぉーちゃん、りーちゃん、こーちゃん、らめらよ!」

「ピヨヨ」


 だって、あいつが悪いアルよ。なんて口々に文句を言っている。まあ、そうなんだけど。

 でもあれは挑発だ。俺達が何もできないと思っているんだ。

 素直にお肉を貰っておけば、直ぐにお腹も膨れるのに。


「食べた事のない物かぁ」

「何だろうな?」

「そもそもロック鳥が、いつも何を食べているのか知らないじゃない」


 あらら、リア姉の言う通りなのだ。偶には良い事を言う。


「むむむ」


 と、短い腕を組んで考える。ついでに片手を顎にやってポーズをとってみよう。どうだ? 俺のシブいポーズは? ポッコリお腹の幼児体形は加味しないでほしい。


「ロロ、真面目に考えてるのか?」


 あ、ニコ兄。酷いのだ。超真面目に考えているのだ。


「ねえ、人が調理した食べ物なんて食べた事がないんじゃない?」

「ああ、そうだね。でも、どうやって作るんだ?」

「作らなくてもあるじゃない! ほら、マリーが沢山ピカに持たせているでしょう?」


 おぉーッ! リア姉、どうしたのだ? 今日は冴えているではないか。リア姉らしくないのだ。


「ロロ、また酷い事を考えていたわね?」

「あい、ごめんなしゃい」


 またバレてしまったのだ。どうしてだ? 今日は全部バレてしまうのだ。


「ねえ、人が調理したものって食べた事ないだろう?」

『なんだとぉッ!? 俺様に人の食べ物を食べろってんのかぁッ!?』


 ロック鳥がカッと目を見開いて、凄みを利かせるような大きな声で言った。

 え、駄目なのか? だって食べた事はないだろう? それにマリーの作ったスープは美味しいのだぞぅ。 俺はロック鳥が怒ったのかと思ったのだ。だけど違っていた。


『ガァァッハッハッハッ! ワァッハッハッハァーッ! そりゃ面白れぇーじゃねーかぁッ!』


 なんだよ、面白いのか。いいのか? 気に入ったのか?

 紛らわしいのだ。あの言い方だと、てっきり駄目だと思ったのだ。


「あ、そうだ。ポップントットの実もあるよ!」

『なんだとぉーッ!? ポップントットって何だぁッ!?』


 知らないのかよッ! 思わずツッコんでしまうのだ。このロック鳥、面白いのだ。

 んふふ、もう全然怖くないのだ。

 これはもしかしたら、もしかするのだ。俺の野望が一つ叶うかも知れないのだ。


「ロロ、だから駄目だよ」

「あい」


 まただ。またレオ兄に読まれてしまった。今日はおかしいぞぅ。


『それらは今あるのかぁッ!?』

「あるよ。ピカが持ってるんだ」

『ピカって神獣様の事かよ! 名前つけてんのかよッ! その上、神獣様に何持たせてんだ!』

「だから、食べるの? 食べないの?」


 レオ兄も、もう強気なのだ。怖くもなんともないのだろう。


『実はよぉ、今卵を温めるのに手が離せねーんだ。それで俺様や、俺の可愛い奥さんも真面に餌を探しに行けなくてな。腹減ってんだ』


 可愛い奥さんとか言っている。気の良い奴らしい。

 それにしても、やっぱり卵を温めている。リア姉の言った通りなのだ。

 何故だかリア姉が冴えている。これは怖いのだ。いや、そんな事を思ったらまたツッコまれてしまう。気をつけないと。俺は学習するちびっ子なのだよ。


『俺様の巣まで来れねーか? 愛妻にも食わせてやりてーんだ』

「巣が何処にあるのか、分からないじゃないか」

『直ぐそこだ。その岩場に入る道があるだろう』


 と、ロック鳥が教えてくれた。そこは馬車でも行けるのか? 魔馬さん、頑張ってくれるのかな? ロック鳥が目の前にいるというのに、怯えもせずにジッと大人しくしている魔馬さん。お利口さんなのだ。


「ああ、一本道だね。その先なの?」

『そうだ』

「じゃあ、行くよ。奥さんもお腹が空いてるんだろう? 可哀そうだ。早く行こう」

『お、お、お前、良い奴だなぁッ!』


 何を言っているんだ。最初から素直にお肉を貰えば良いのだ。

 ロック鳥が先に帰って、愛妻だという奥さんに話すことになった。俺達は馬車で巣に向かう。なかなか、楽しいロック鳥なのだ。

 ロック鳥がバサッと一度翼を動かしただけで、一気に上空へと浮上した。太陽を背にして大きく羽搏(はばた)いて飛んでいく。あっという間だ。

 そんな姿はとてもカッコいいのだけど、話したら駄目なタイプなのだな。


「なんだ、全然怖い奴じゃなかったな」

「本当よね」

「れも、ぴかがいたからかも」

「そうだね。ピカのお陰だ」

「わふん」


 役に立って良かったよ。と、ピカさんが言っている。ピカさん、本当に格上なのだね。

 神獣様なんて呼ばれていた。あの泣き虫女神の神使でも、一応偉いのだ。


「わふう」

「アハハハ!」


 レオ兄もピカが何を話しているか、分かるのだと忘れていたのだ。

 ピカが、一応じゃないよ、僕は歴とした神獣なんだよ。と言ったのを聞いて、レオ兄が笑ったのだ。

 レオ兄はあの泣き虫女神を知らない。だから本当の意味を分かっていないだろう。

 ピカさん、これから気をつけないとだ。

 それから、魔馬さんは険しい岩場をいとも容易く馬車を走らせる。周りは大きな岩ばかりなのだ。その中に1本、岩場を通っている道がある。そこを走って行く。力強いのだ。

 馬車に乗っている俺達の方が大変だ。ガタゴト揺れて、俺はお尻がピンチだ。

 ずっとリア姉にしがみ付いていないと、転がりそうだったのだ。


「ふふふ、ずっとくっ付いていていいのよ」


 なんてリア姉が言っていた。それは遠慮するのだ。


お読みいただき有難うございます!

今日はリアが冴えています。^^;

宜しければ、是非とも下部にある☆マークから評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。

今日はリリ達ちびっ子4人のイラストを!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] 追伸、もしかしたらロック鳥の卵が孵る時に遭遇したら、その内の1匹がロロの従魔になる❓何て送信してから頭に浮かんだのでまた書き込みしました。 そうなったら面白い)^o^(それとも一家でなる?そ…
[良い点] 本当リア姉冴えまくりですな〜 偶には、こんな事もありかも、「ウンウン」と思ていたらリア姉にロロと一緒に怒られる口かもくわばらくわばら。 でも、此処に出て来る魔獣(鳥)て皆んな食いしん坊さん…
[一言] ロック鳥が面倒くさいタイプの江戸っ子みたいに見えてきたんですが 悪いやつじゃないんでしょうが、面倒くさい
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