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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第3章 領地に行ったのら

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169ー課題

 その時、ピカがもう一度短く吠えた。


「わおぉん!」

『ぎゃおぉ!』


 返事をしたのか? ロック鳥も鳴いたと思ったら、少しずつ高度を下げて馬車の前に下りて来たのだ。

 バッサバッサと翼と尾羽を動かしながら、まるでホバリングをするかの様に止まって高度を下げてくる。地面に風が舞い上がり、砂煙が舞い立つ。

 初めて間近でみるロック鳥。真っ白で大きい。太陽を背にして仄かに光っているようにも見える。

 濃い黄色の大きな嘴に、鋭い目つき。それに茶色の鍵爪はとても大きくて、俺なんて一掴みで持っていかれそうだ。

 翼を広げると太陽が隠れてしまいそうな大きさがある。近くでみると迫力が違うのだ。

 これは……乗れるのではないか? しかも、全員だ。だって馬車より大きいのだ。


「ロロ」

「あい、ごめんなしゃい」


 秒でバレてしまった。レオ兄は俺に背を向けているのだ。なのに何故に!?


『神獣様を使うなんて、卑怯じゃねーかぁッ!』


 なんだ!? 頭に直接言葉が響いてくるのだ。び、び、びっくりなのだ。


「ロック鳥が念話で話してきているのよ」

「ぴょぇッ!?」

「スゲーッ!」


 念話ですとッ!? ピカさん、ピカさんや。念話ですとッ!


「わふぅ……」


 あ、ピカが呆れているのだ。どうしてなのだ? だって、凄いじゃないか! ピカさんみたいなのだ。


『俺様を呼びつけるなんて、良い度胸してるじゃねーかッ!』


 どうやら、このロック鳥は雄らしい。俺様とか言っている。何? 君はどこかのアニメに出てくるドラゴンなのか? そんな事はないだろう? ロック鳥なのだろう? しかも、ピカの方が格上なのだろう?


『おいおいおいッ! そこのちびっ子! 失礼な事を思ってんじゃねーぞぉ!』

「ぴぇッ!」


 どうしてなのだ!? どうしてバレたのだ!? びっくりして、思わずピカの後ろに隠れた。


「わふぅ」


 あ、またまたピカが呆れている。ごめんなさい。黙ってるのだ。


「僕達は墓地に行きたいだけなんだ。ここを通してくれないか?」


 レオ兄が怖がりもせずに、ロック鳥に話しかけた。とっても冷静なのだ。さすが、レオ兄なのだ。


『あん? この先にある墓地か?』

「そうだよ。それに、ここを通る人達に危害を加えるのは止めてくれないか。フューシャン湖の水位が上がっているんだ。それを調べる為に、この道を通りたいだけなんだよ」

『へんッ! ヒューマンなんて信じらんねーなぁッ! 俺様には関係ねーしな!』

「わおんッ!」


 あ、ピカが注意したのだ。その言い草は何だ? と怒っている。


『だからよぉ、ズリーだろうよ! 神獣様を使うなんてよぉ!』


 言葉は悪いけど、このロック鳥悪い奴じゃない気がするのだ。

 なんだか、誰かに似ているのだ。ほら、いるじゃないか。ギルドや『うまいルルンデ』にガタイの良い人が。似てないか? あの2人は『俺様』なんて言わないけど。


「ロロ、何考えてんだ?」

「にこにい、にているのら」

「ロック鳥が誰かに似ているの?」

「りあねえ、しょうなのら。ぎるますと、おしゅかーしゃん」

「あー、アハハハ!」

「そう言われてみれば、タイプが一緒かもね。ふふふ」

「しょうしょう」


 もう怖さが無くなったのだ。口は悪いけど、気の良いおじさんって感じなのだ。

 ロック鳥が何歳なのかは知らないけど。3歳児の俺から見たら、大抵はおじさんなのだ。え、違う?


「わふぅ」


 ごめんなさい。また、呆れられてしまったのだ。今度こそ黙ってるのだ。

 でもピカ、雰囲気が似ていると思わないか? 人とロック鳥だと全然違うのだけど。


『俺様は忙しいんだよ! いちいちヒューマンが何をしたいかなんて、気にしてらんねーんだッ!』


 おやおや、怒りん坊さんなのだ。駄目だよ、ちゃんとカルシウム摂ってる?


「レオ兄、このロック鳥さ」


 じっとロック鳥を観察していたニコ兄が、何かに気付いたみたいだ。


「もしかして、腹減ってんじゃないか? お腹がペタンコじゃん」

「え? ニコ、そうなのか?」

「ほら、フォーちゃん達のお腹と比べて見たら良く分かるぞ」


 なるほど。雛3羽の出番なのだよ。変な出番なのだけど。いや、雛だから人でいうと幼児体形なのではないか?


「ピヨヨ?」

「ピヨ?」

「クック?」


 はいはい、レオ兄のそばに行くのだよ。

 トコトコと馬車の前の方へと歩いていく3羽の雛達。


『なんだぁ? えらく小っせーのがいるじゃねーか』

「フォリコッコの雛なんだ。飼ってるんだよ」


 また普通に話しているレオ兄。近所のおじさんと話しているみたいなのだ。

 そして、レオ兄が雛達のお腹と目の前にいるロック鳥のお腹を見比べた。

 雛たちのポヨンとしたまん丸のお腹と……あらら、ロック鳥のお腹はペタンコなのだ。


「あ、本当だ。ねえ、お腹空いてるのか?」

『ああ!? なんだよ! 関係ねーだろう!』


 その時だ。タイミングが良いと言うのか、ロック鳥のお腹が盛大な音をたてたのだ。


 ――グゴゴォォォーーッ!


 凄い音だった。びっくりしたのだ。

 ほら、お腹が空いているから怒りっぽくなるのだ。


「ぴか」

「わふん」


 ピカがズズイと前に出た。


「わふわふ」

『え? いやいや、マジかよ』


 ピカがお肉を沢山持っていると話したのだ。すると、ロック鳥の目がキラランと光ったのだ。


『いや、そう直ぐには信用できねーな! 俺様が今まで食った事のない物を食わせろッ! そうしたらお前達の希望を聞いてやってもいいぞ! なんならそこの雛を食ってもいいんだぞ! 腹の足しにもなんねーけどな! ガハハハッ!』

「ピヨッ!」

「ピヨヨッ!」

「クック―ッ!」


 雛達が、何て奴アルか! 酷い奴アルね! と怒っている。ジャンプして蹴りを入れに行く勢いなのだ。


お読みいただき有難うございます!

感想を有難うございます!

皆様!宜しければ、下部にある☆マークで評価を頂けるととっても嬉しいです!

目指せランクイン!^^;

宜しくお願いします!

リリの4巻と後は…まだひみちゅなのれす。

頑張らないと!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 誰に似たのやら、このロック鳥さんは❓ ただの食いしん坊さん❓ 身体が大きいから餌もたくさん食べないといけないし。 ピカさんが出したお肉美味しいよ(^O^☆♪ これでロロ一家の一人か❓ それ…
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