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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第3章 領地に行ったのら

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166ーいたいいたいはらめ!

「それより、ロロ。ロック鳥に何をしたんだ?」

「わからないのら。らめっておもったのら」

「何か飛んだわよね?」

「おう! 白い光が飛んだぞ! ロロ、スゲーな!」

「えへへ~」

「ロロ、エヘヘじゃないよ。無自覚なのかな? ちょっと見せて」


 見せてという事は、あれなのだ。レオ兄の鑑定眼なのだ。


「あれ? 全然分からないや。多分、風属性魔法だと思うけど……これは、帰ったらディさんに相談だね」

「でぃしゃん?」

「そうだよ。一度ディさんに見てもらおう。ロロの体に支障がなければ良いんだけど」


 俺は何ともないぞ。確かに何かが抜けた感覚はあったけど。でも、全然元気なのだ。


「ロロのお陰だ。ありがとう」

「そうね、ロロがマリー達を守ったのよ」

「ボクが?」

「そうよ。よくやったわ」


 そうなのか? 俺みたいなちびっ子でも役に立てたのなら、それはとても嬉しいのだ。

 それからマリー達が目を覚ますまで、その場所で停まっていたのだ。

 どれくらい経っただろう。心配で目を離せなかったのだが、マリー達がゆっくりと目を開けたのだ。


「まりー、えるざ、ゆーりあ!」

「ん……ロロ坊ちゃま……私は……?」

「マリー、大丈夫? 辛くないかしら?」

「どうなったのですか?」


 エルザとユーリアも、ゆっくりと体を起こした。


「気を失っていたのよ。気分はどうかしら?」

「いたいのいたいのとんれけしゅる?」

「ロロ坊ちゃま、大丈夫ですよ」

「よかったのら!」


 俺は思わずマリーに抱きついた。良かった。


「まりー! うぇッ、うぇぇーん! よかったのらー!」

「あらあら、ロロ坊ちゃま。心配掛けちゃいましたね」

「まりーも、えるざも、ゆーりあも、いたいいたいはらめなのら! うぇーん!」

「坊ちゃま」

「ロロ坊ちゃま、大丈夫ですよ」


 大泣きだ。まさか自分でも、泣くとは思わなかったのだ。

 でも、俺の小さなお胸がギュッて苦しくなって堪らなかった。誰も失いたくない。みんな一緒がいい。そんな気持ちが溢れ出したのだ。

 せっかくお墓参りに来ているのに、マリー達に万が一の事があったら意味がないじゃないか。

 マリーの亡くなったご主人や息子さんに、顔向けできない。


「ロロ、大丈夫だよ」

「れおにい……ぐしゅ。かんていがんれ見た?」

「ちゃんと見たよ。大丈夫だ」

「しょっか。良かったのら……ヒック」

「取り敢えず、宿に戻ろう」

「レオ坊ちゃま、すみません」


 マリー達の事を考えて、宿へ戻ることにしたのだ。いくら大丈夫だと言っても、マリー達は耐性がないのだ。

 この先に進もうとしても、きっとまたロック鳥が出てくるだろう。

 なんの対策もなく進んでも、同じ事になるだけだ。


「坊ちゃま達は平気だったのですか?」


 エルザが聞いて来た。大丈夫だと言っているが、どこか気怠そうだ。瞼が重そうに見える。


「ロック鳥が威圧を放つ前に、チロがみんなに耐性強化をしてくれたの。だから私達は平気だったわ。それがなかったら、どうだったか分からないわ」

「そうですか。それでも私達は気を失ったんですね」

「魔力量が違うみたいなの。だから、状態異常の耐性も違うのね」


 そうなのだ。リア姉が言うように、俺達兄弟はみんな魔力量が多い。母からの遺伝なのかな? 多分、父も普通より多かったのだろう。

 そのお陰なのだ。両親からのプレゼントなのだと、俺は思っている。

 そう思うと、心がポカポカするのだ。


「私達は生活魔法くらいしか使えませんから」

「でも、ロック鳥をなんとかしないとだよな」


 ニコ兄の言う通りだ。でないと、お墓参りに行けないのだ。

 それからゆっくりと馬車を走らせて宿屋に戻った。まだ昼前だ。俺達が早くに戻ったものだから、宿屋の主人が聞いてきたのだ。


「どうした!? 顔色が悪いぞ」

「ロック鳥が出たのです」

「やっぱそうか。あの岩場だろう?」

「はい。僕達は大丈夫だったのですがマリー達が」

「え!? ロック鳥に威圧を放たれたんだろう? 兄さん達平気だったのか!?」

「僕達は耐性が高いみたいなので」

「スゲーじゃねーか! 流石Cランクだ!」


 いやいや、俺とニコ兄はCランクどころか、冒険者ギルドに登録もしていないのだ。

 俺達が無事だった事に驚いているのだ。これは俺達以外にも、被害に遭った人がいるのだろう。


「マリー、部屋で休む方がいいわ」

「いえいえ。リア嬢ちゃま、大丈夫です」

「駄目よ。無理しちゃ駄目」

「おばあちゃん、そうしましょう。まだ顔色が悪いわ」


 そうだよ。無理しないで休んで欲しい。まだ真っ青じゃないか。


「そうですか? では、すみません。部屋で休ませてもらいます」

「おばあちゃん、大丈夫?」

「ほら、捕まって」


 エルザとユーリアが、マリーを両側から支えて階段を上って行く。どうやら、マリーが1番影響を受けているらしい。

 やっぱ俺が、回復する方が良くないか?


「れおにい……」

「大丈夫だよ。少し休んだら元気になるよ」


 なら良いのだけど。


「それにしても、あのロック鳥よね。レオ、どうする?」

「姉上、2人で行ってみようか。ピカもついて来てくれる?」

「わふ」

「そう、頼んだよ」


 いやいや、2人だけでなんて何を言っているのだ。


「駄目だよ! 俺も行くぞ!」

「ボクもいくのら!」


 リア姉とレオ兄が強いのは知っている。でも、2人だけで行かすわけないのだ。


お読みいただき有難うございます!

感想や誤字報告も有難うございます!

宜しければ、下部の☆マークから評価をして頂けると嬉しいでっす。

宜しくお願いします!

今日は元気を貰いたいのでハルちゃんです。

ちゅどーん!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[一言] 今回の教訓。仕事(調査あわよくば討伐)と私用(墓参り)は別にする 今後の課題。幼い弟妹を連れて行くのは私用のうちに入るかどうか
[良い点] ロック鳥恐るべし。 でもマリー達の体長が早く良くなります様に。 これ以上大切な人達を失いたく無いものね。 大切な人達のために四兄弟で、ロック鳥に立ち向かえ! ロロのビーム光線で撃ち破れ。(…
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