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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第3章 領地に行ったのら

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164ーテイマー?

 お腹いっぱい美味しい朝食を食べて、俺達は予定通りお墓参りに向かった。

 また馬車なのだ。大分慣れたけども、これはお尻に悪いのだ。おれのむっちりムチムチの可愛いお尻が、カチンコチンになってしまう。


「れおにい、とおいの?」

「そんなことはないよ。街中を通るからゆっくり行くけど、それでもほんの2時間くらいかな?」


 2時間。新幹線なら東京から大阪まで行けるぞぅ。新幹線なんてないのだけども。

 馬車の御者台にはレオ兄とニコ兄。後ろには俺やリア姉とマリー達、それにピカとちびっ子戦隊だ。

 昨日、ちびっ子戦隊もあの塩釜焼きのお肉を貰って食べたらしい。

 マリーがいつの間にか持って行ってくれていた。良かったのだ。


「折角ですからね、食べさせてあげようと思って」


 と、マリーが言っていた。これも母さまが昔、色々飼っていた名残なのかも知れない。

 だからなのだと納得したのだ。ピカのこともそうだけど、チロやコッコちゃん達の時もすんなりと受け入れられた。

 コッコちゃんの時やクーちゃんの時も、大きさには驚いていたけどマリーに戸惑いは全然なかったのだ。

 はいはい、飼いましょうね~って感じだった。

 昔、母さまのことがあったから、きっと慣れているのだ。


「ロロ、どうしたの?」

「りあねえ、おぼえてる?」

「何かしら?」

「かーしゃま、いろいろ飼ってた?」

「ふふふ、そうね。色々いたわよ。何だか分からない動物もいたのよ」

「ひょぉー!?」


 何か分からないなんて危険ではないのか?


「母様には何故か懐いちゃうの。不思議だったわ」

「かーしゃまも、ていまー?」

「えぇー? そんなことはないと思うわよ」

「姉上、分からないよ。今から思えば、もしかしたらテイマーのスキルを持っていたのかも知れない。母上は魔力量も多かったし」

「そうなの?」

「うん、そう思うよ」


 じゃあ、レオ兄や俺もそれを継いでいるのだ。


「えへへ」

「ロロ、なあに?」

「れおにいとボクも、ていまーなのら。いっしょなのら」

「あら、そうね。ふふふ」


 ちょっぴり嬉しいのだ。俺は覚えていないけど、それでも母との共通点を発見するのは嬉しいことなのだ。覚えていないからこそ、嬉しいのだ。

 馬車は街の中を通り過ぎ、なだらかな坂を上って行く。周りに家が少なくなってきて、道の周りには木が目立つようになる。

 この街はフューシャの街というのだそうだ。フューシャの街にある塩湖がフューシャン湖。そのフューシャン湖で採れる塩を目当てにやって来る商人もいる。

 それでも、ルルンデの街よりこじんまりとした街だ。人もルルンデほど多くない。王都へ行くのにルルンデの街までの、中継地点の様な感じなのだろう。

 少し離れた場所に岩場が見えてきた。きっと話していた岩場なのだ。


「ニコ、念のため後ろに行っておく方がいいよ」

「えー、なんでだよ」

「ロック鳥が出て来たら危険だからね」

「レオ兄も一緒じゃん」

「僕はニコよりは耐性があるからね」

「分かったよ」


 岩場が近くなってくると、レオ兄がニコ兄を御者台から後ろへ移動させた。

 用心しているのだ。と、言うことはそろそろなのだ。


「ピヨヨ」

「キャン」

「わふ」


 お、やっぱりそうだ。ちびっ子戦隊が反応している。それをピカが、まだだと言い聞かせている。

 ロック鳥は鳥さんで飛んでいるのだ。ちびっ子戦隊には無理だぞぅ。いくらジャンプしても届かない。

 何処かにいるのだろう、ロック鳥。この馬車の中からだと、見えないのだ。


「にこにい、みえないのら」

「だよな。見たいよな」


 そうなのだ。ニコ兄と俺は好奇心旺盛なのだ。

 2人で御者台の後ろから顔を出して見る。


「こら、ニコ、ロロ」

「レオ兄、だって見たいじゃん」

「みたいのら」

「危ないって言ってるだろう」

「大丈夫だって」

「うんうん。ボクも持ってるのら」

「え? ロロ、何を持ってるんだ?」

「ほらッ!」


 ズズイと木の短剣をレオ兄に見せる。俺の武器だ。木で出来ているのが心許無いけど。来る時はこの短剣から白い光が出たのだ。


「アハハハ、ロロ。またそれを持っているんだ」

「らってれおにい、ピカーッてなったのら」

「ああ、来る時かな?」

「しょうしょう」

「アハハハ、あれはチロだろう?」

「キュルン?」


 ピカの背中で寝ていたチロが、自分を呼んだ? と顔を上げた。


「ちろ、ピカーッて」

「キュル」

「ボクは、れきない?」

「キュル」

「ありゃりゃ」


 まだ使ったことないのに、無理だよ。て、言われちゃったのだ。


「アハハハ。ほら、ロロもニコもちゃんと座ってな」


 そんな話をしていたら、ピカさんがノッシと起きてきたのだ。そして、俺とニコ兄のお尻をお鼻で突いた。


「わふ」

「ほら、ピカも危ないからって言ってるよ」

「えー、分かったよピカ」


 仕方ないのだ。ピカさんにまで注意されたら、言う事を聞いておかないと。

 おや? なんだ? どこからか音がするのだ。


「れおにい」

「うん、ちゃんと座ってなよ」

「わかったのら」


 レオ兄とピカの雰囲気が変わったのだ。

 ちびっ子戦隊まで、起きてスタンバっている。


「何? レオ、ロック鳥なの?」

「そうだよ、まだ遠いけどね」


 この音は、もしかしてロック鳥が翼を動かしている音なのか?


「ロロ、そうだよ。大きな翼で風を切って飛んでいるんだ」


 どう表現すれば良いのか分からない音なのだ。確かに大きな翼なのだろう。

 バッサバッサと、大きく動かしているらしい音が遠くから聞こえて来た。

 どんどんと近くなって来て、その内木の葉っぱがザワザワと鳴り出した。


お読みいただき有難うございます!

さて、ロロはやる気ですが、活躍できるのでしょうか?

宜しければ、下部の☆マークから評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] お母様を覚えていなくてもテイマーと言う共通点が見つかってロロ良かったね。 バッサバッサと大きな羽音共に遂に現れましたね。ロック鳥。 大鷲か禿鷲みたいな鳥❓  [一言] ロック鳥、美味しいか…
[一言] 遺伝は偉大。長女と次男は父親似?
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