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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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130ー魔獣のボア

「おう! ディ!」

「ギルマス、戻ったよ」

「レオ達も一緒か」

「ギルマス、マンドラゴラ抜いてきたんだ」

「魔獣も狩って来たから解体と買取をしてほしいわ」

「おうよ!」


 ギルマスも一緒に、ギルドの1階の奥にある解体場へ入って行く。

 ここで、いつもピカが持って帰ってきた魔獣を出すのだ。沢山あるのだろうなぁ。


「よし、ピカ。いいぞ、出してくれ」


 ギルマスにそう言われ、わふんと返事をしたピカがドドンと魔獣を出した。それも、小山になっているのだ。

 ふむふむ、ボアさんが多いのだ。リア姉が話していたのは、立派な角があるあれかな? 矢が首に刺さって突き抜けている。俺はびっくりした。これは、レオ兄の腕前が凄いのだ。


「おいおいおい。お前達、適度ってもんを知らねーのかよ」

「え? こんなもんでしょう?」

「リア、お前何言ってんだ? 常識ってもんを知らねーのか?」

「だって、そんなに必死で頑張った訳じゃないもの」

「そうなのか?」

「ギルマス、それだけ魔獣が増えているって事だよ」

「レオ、そりゃマズイな」

「討伐依頼を増やす方がいいと思うよ」

「1日でこの数か?」

「今日は出発が遅かったから……」

「ああ、そうだったな。半日と思っておく方がいいか?」

「そうだね」


 なるほど、なるほど。俺も会話に入っているかの様に、そばで腕を組み考えている振りをしてみる。

 むむむむ。ちょびっと難しそうなお顔もしてみるのだ。ギュッと眉に力を入れて、寄せてみたりする。


「ふふふふ」

「でぃしゃん、わらったららめ」

「だって、ロロったら可愛いから」

「かわいいじゃないのら」

「そうなの?」

「しょうら、かっちょいいら」

「アハハハ!」


 ディさんに爆笑されてしまったぞ。どうしてだ? ちょっぴり難しいお顔をして、カッコいいポーズなのだ。いや、シブいと言っても過言ではないぞ。


「ロロはまだちびっ子だから、可愛いよね?」

「そうだよね」

「そうそう」


 いいけど。ちびっ子だから仕方ない。だって、手や足も短いしプクプクなのだ。この幼児体形め。


「ロロは可愛いからいいのよー」


 と、またリア姉が抱きついてくる。だから、何度も言うけども。


「りあねえ、やめれ」


 その手だよ。俺のお腹をフニフニ触るのは止めてほしいのだ。確かに触り心地は良いのだろうけど。ポヨンとしたまあるいお腹がニクイね。


「ロロったら、冷たいわ」

「りあねえ、あのおっきいちゅのがあるのが、ほーんでぃあ?」

「そうよ、立派な角があるでしょう? その内側にも角があるの」

「ほんとら」


 いわゆる鹿さんの角のような立派で大きな角がある。その内側に、そこまで大きくはないが、それでも角がある。

 確か、強い魔獣ほど角が大きいと聞いた覚えがあるのだ。

 なら、ホーンディアは強い部類に入るのだろう。


「それにしても、ボアが多いな。角もあるじゃねーか」

「ギルマス、多分だけど繁殖期を無事に生き残ったんじゃないかな? 赤ちゃんボアもチラホラいたんだ」

「あー、増えちまったか」


 ふむふむ。意味が分からないのだけど、頷いておこう。


「ロロ、分かるの?」

「わからないのら」

「ふふふ。難しい顔して頷いていたじゃない」

「らって、でぃしゃん。むじゅかしいのら」


 ボアはボアでも、リア姉達が狩ってきたのは小さな角がある魔獣さんだったのだ。

 魔獣さんは獣のボアの様に、年に一度繁殖期があるのではないのだそうだ。数年に一度らしい。

 それはまるで、強くなった魔獣が増えすぎないように、数調整でもしているかのようだ。

 その時のボアは、脂が乗っていて美味しいので需要が高い。だから、みんなその時期にボア狩をするらしい。

 獣さんのボアは秋が美味しい。木の実を沢山食べて肉も美味しくなる。でも、魔獣になると違うのだって。

 繁殖する為に、沢山食べて体力をつけるのだそうだ。

 雄は雌や生まれた子供達を守る為に。雌は出産と子育てに備えて沢山食べる。色々あるのだね。


「繁殖期の周期が定まらないからなぁー」

「魔獣だから仕方ないよ」

「しかし、このままにはできん。レオの家の近くにも出て来たのだろう?」

「あのボアは獣だったよ。ピカがやっつけたけどね」

「ふむ、どっちにしろ畑を荒らされると困るじゃねーか。畑だけならまだしも、人に被害が出たらいかんぞ」


 そうそう。そうなのだよ。ドルフ爺が怒っていたのだ。


「どるふじい」

「ん? ロロ、ドルフ爺さんがどうした?」

「怒っていたのら。鉈を持ってたのら」

「アハハハ! それはボアを解体する為だろう。食う気満々じゃねーか」


 ああ、そうだった。先頭切って、血抜きをしていたのだ。

 でも、ドルフ爺さんなら色々博識だから、その繁殖期の事だって知っていそうなのだ。


「どるふじいはしらない?」

「ロロ、何をかな?」

「れおにい、はんしょくきなのら。どるふじいなら知っていしょうなのら」

「本当だ、帰ったら聞いてみよう」


 うんうん、それがいいのだ。


「とにかく、今はボアが増えてんだな? 討伐依頼を増やそう」

「最近は、皆あんまり森で討伐しないみたいよね。ダンジョンの方が手っ取り早く稼げるから」

「そうなんだよ。それも、困ったもんだ」


 ふむふむ。ダンジョンの方が稼げるのだな。それはあれか? 魔石が出るからなのか? それに、魔石は荷物にならない。お手軽って訳なのだな。

 でも俺は、お肉を持って帰って来てくれる方が良いのだよ。


お読みいただき有難うございます!

昨日Xで、いいねやリポストして下さった方々、有難うございました!

沢山の方に見て頂けて嬉しいです。

ロロも頑張らないと!宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいでっす!

宜しくお願いします。(๑˃̵ᴗ˂̵)/

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