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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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117ーディさん早朝出勤

「ピヨッ!」

「ピヨヨッ!」

「ピピッ!」


 雛達まで俺の足元に集まってきたのだ。もうわちゃわちゃと訳が分からない。

 小さな雛と土人形が入り乱れて、我先にと俺の足元に寄ってくる。


「ちゅよかったねー」


 取り敢えずナデナデして褒めておこう。


「もう、意味が分かんないわ」

「アハハハ。姉上、ロロだから」

「まさか、土人形と雛なのよ」

「わふん」

「え、ぴか。むりら」


 土人形にもお名前を付けてあげてよと、ピカに言われたのだ。

 そんなの無理だ。俺はそんなにホイホイと名付けできるキャパはないのだ。

 どこかに出てくるブルーの髪の魔王みたいに、そうホイホイとカッコいいお名前を考えたりできないのだ。


「きゅうん」

「くぅん」


 あ、土人形がめっちゃ残念そうにしている。さっきまでブンブンと尻尾を振っていたのに、ペトンと力無く下ろしているのだ。


「あとれかんがえるのら」

「わふん」


 だってピカさん。俺には無理。無茶を言ってはいけないのだ。


「アハハハ! 5体もいるからね」

「レオにい、むりなのら」

「ゆっくり考えるといいよ」

「レオ兄、こいつが畑を荒らしていたのか?」


 そう言いながら、ニコ兄がそこら辺に落ちていた小枝でツンツンと突いている。

 それは、リア姉が亀さんにやっていたぞ。二人はやっぱ似ているのだ。

 息がないのだから、もう突いたって動きはしない。

 固まったように横たわっているボア。

 倒して直ぐに血抜きをしておけば、美味しく食べられるぞ。こんな時は、ドルフ爺だ。


「どぉーるぅーふぅーじいぃー!」


 どこにいるのだ? 俺はドルフ爺を大きな声で呼んだ。すると直ぐ近くで返事が聞こえたのだ。

 なんだ、近くにいたのか。


「おう! 倒したか!?」

「ドルフ爺、ピカが倒したぞ!」

「よし! 血抜きするぞー! レオ、そこの木に吊るすぞ!」

「分かった」


 ああ、なんだ。その為の鉈なのか。納得なのだ。

 それをじぃーッと見つめる小さな小さなもの。

 ピカを模した小さな土人形達なのだ。真剣な眼差しで見ているのだ。食べたいのかな? ドルフ爺に注目しているのか?

 ドルフ爺はこの辺りの畑のドンなのだ。覚えておくのだよ。


「おぉぉッ!? な、な、なんだぁ!? これはロロが作っていた土人形じゃねーか!? なんで動いてんだッ!?」


 ドルフ爺が5体の土人形に気付いたのだ。驚いている。だよね、俺もびっくりしちゃったよ。ふふふん。


「ドルフ爺、あの土人形が攻撃してたんだ」

「なんだとッ!? そうなのか!?」

「ロロが作ったんだぞ」

「またロロか!? こいつら強いじゃねーか!」

「うん、びっくりしたのら」


 『また』と言われてしまったのだ。何故に?

 ドルフ爺は、驚きながらちゃんと血抜きはしている。今日の晩ご飯はボア鍋だね。ご近所にもお裾分けが決定なのだ。


 ご主人さまー! と、言いながら土人形達が走って来る。ちゃんと、5体いる。

 コネコネと作った土人形。そう、土でできた人形なのだ。なのにどうして動いているのだ? 俺には理解できないぞ。

 ピョンピョンと跳ねる様に走って来る。尻尾も千切れそうな位にブンブンと振っている。俺が(こだわ)って作った尻尾なのだ。小さいのに、手足を動かして走っているのを見ると可愛いのだ。


「ちゅよいんらね〜」

「アン!」

「キャン!」


 鳴き声はまだ子犬みたいなんだけと。みんなであんなに大きなボアを、足止めできるなんて凄いぞ。走りながらジャンプしてキックまでしていたのだ。


「ロロ、朝ごはんが途中だっただろ」

「あ、にこにい。しょうらった」

「戻って食べよう」

「うん」

「レオ兄、ロロと戻るよ!」

「ああ! 気を付けるんだよ。もしかしたら、まだいるかも知れないからね! ピカ、頼むよ」

「わふん」


 さあさあ、戻ろう。朝ごはんの続きを食べよう。あのオムレツ、超美味しかったから全部食べたいのだ。

 ニコ兄に手を引かれて戻る。ピカや土人形達と雛達も付いてくる。

 コッコちゃんファミリーだけでも大所帯なのに、5体の土人形がふえちゃったのだ。ご飯は何を食べるのかなぁ?

 

「わふぅ」

「え、しょうなの?」

「わふわふ」

「分かったのら。1日1回?」

「わふん」


 俺が作った土人形達は、俺の魔力がご飯なのだって。だから、朝に1日1回魔力を分けてあげてね。て、ピカに言われたのだ。もし忘れても2〜3日は大丈夫らしい。逞しいのだ。

 しかしなぁ、まさかのまさかだ。まさか動くなんて思わなかった。寝耳に水なのだ。


「土人形、いつの間にか無くなってたもんな」

「うん、しょうなのら」

「もしかして、畑のパトロールをしてくれてたのかな?」


 なんですとッ? それこそ、まさかのまさかなのだ。


「わふん」

「え……ほんとに?」

「わふわふ」


 そうなのか。それはでも助かるね。土人形達は、本当に畑を守ろうとパトロールしてくれているらしいのだ。今まで獣を家に近づけない様に撃退してくれていたのだ。

 俺に危険が迫らないようにらしい。なんて健気なのだ。

 みんなで家に戻ると、家の前にマリーとディさんがいた。

 今日はディさん早いのだね。早朝出勤なのだ。


「ロロ坊ちゃま、ニコ坊ちゃま、無事ですか!?」

「マリー、平気だよ!」


 ニコ兄が手を振っている。するとディさんが、眼球が飛び出てしまうくらいに目を見開き、びっくり顔をしたかと思ったら、ビュンッと飛ぶ様に走って来たのだ。


「ロロ!」


 ニコ兄と手を繋いで、トコトコと歩いていた俺の両肩をガシィッと捕まえられた。これって前にもあったのだ。


お読みいただき有難うございます!

ドルフ爺推しです。^^;

感想や誤字報告を有難うございます。

明日も読むぞー!と、応援して下さる方は、ぜひとも評価やブクマをして頂けると嬉しいです!

よろしくお願いします。(๑˃̵ᴗ˂̵)/

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[一言] ロボット警察犬が警官を銃撃から守るために身をを投げ出す@マサチューセッツ州 ってニュースが最近ありましたね。あんまり関係ないですけど
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