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☆第6回ESN大賞W受賞☆11/4④発売☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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107ーしゃわしゃわ〜

「ロロ、掃除してんのか?」

「うん、こっこちゃんがうんちしちゃって」

「ああ、嫌がるだろう?」

「しょうなのら」


 だからね、排泄する場所を決めようと思うのだ。


「こっこちゃん、ここは?」


 俺が箒で柵の中の片隅を指す。


「クク」


 あら、嫌だって。首をちょっぴり横に傾げている。柵の中が嫌なのか?


「じゃあ、あっち?」

「コッコ」


 やっぱりだ。柵の外がいいらしい。自由に出入りするから良いんだけど。柵の意味があるのか? って、話なのだ。

 夜はみんな柵の中に入って眠っている。だから、お家だという意識はあるのだろう。


「にこにい、あっちにしゅるとこきめる」

「するとこ?」


 俺はニコ兄に説明したのだ。排泄する場所を決めておく。その方がお掃除も楽だしね。

 でも、コッコちゃんは柵の中は嫌だと言った。だから柵の外、すぐ近くにする。


「おう、いいな。分かった。で、どうするんだ?」

「中をおしょうじしゅるのら」

「よし」


 ニコ兄と一緒に柵の中を掃く。ばっちくなった藁を全部外に出した。


「これ、畑に良いかもな」

「しょうなの?」

「ああ。こういうのをもっとふにゃふにゃにするんだ」


 発酵させるという事なのかな? それが堆肥になるのか? 俺は知らないけど。


「捨てずに取っておこう。畑の隅に置いておくよ。明日、ドルフ爺に聞いてみる」


 ドルフ爺さんね。ニコ兄の師匠なのだ。なんでもよく知っている。

 普通の農家の爺さんの知識じゃないぞ。あの爺さん、昔は何をしていたのだろう?

 柵の中をお水で流したいぞ。うむ、俺はチャレンジャーなのだ。よし、やるぞ。


「しゃわしゃわ~」


 試しに魔力を集めて、両手を出してそう言ってみた。すると、あらあら不思議。

 俺の手からシャワーみたいに水が出たのだ。


「おぉー!」

「ロロ! なんだよ、それ!?」

「しゃわしゃわ~なのら」


 ニコ兄が、あんぐりとお口を開けて見ている。いいのだ。大成功だ。

 俺は柵の隅から隅まで、しゃわしゃわ~ッと水で洗い流した。便利なのだ。

 また箒で掃いて、溜まった水を出しておく。


「ふゅ〜。よし、こっこしゃん。きれいになったのら」

「クククッ」

「えぇ……」


 びしょびしょじゃん。なんて文句を言われてしまったぞ。んん~、そうだな。乾かせばいいのだな?


「どらい」


 ぶわーッと風が吹いたかと思ったら、びしょ濡れだった地面が綺麗に乾いたのだ。


「ロロ! なんだよ、なんだよー!」

「れおにいが、かみをかわかしゅときに、してくれるやちゅら」

「いやいや、規模が違うだろう!?」

「しょう?」

「そうだよ! ロロ、いつの間にそんなに魔法を使える様になったんだ!?」

「え? いま?」

「えぇーッ!」


 まあ、細かい事はいいのだ。それより、新しい藁を敷いてあげよう。でないと、今夜眠るところがないのだ。


「にこにい、わらをいれるのら」

「お、おう」


 そうだよ。サクサクと動こう。

 ニコ兄が帰って来てくれて良かったのだ。俺一人だと、こんなの出来なかった。汚れた藁を外に出すのも、新しい藁を入れるのにも手間取っていたよ。助かったのだ。


「よし、これれいい?」

「コッコ」

「クック」


 ありがとー。って言ってくれた。良かったね。


「わふん」

「うん、気持ちいいのら」


 綺麗になったね。と、ピカが言った。よしよし、ワシワシと撫でてあげよう。


「わふ」

「ふふふ、きもちいい?」

「わふん」


 可愛いのだ。ピカの毛は手触り最高なのだ。


「坊ちゃま、手伝いますか?」

「まりー、もうおわったのら」

「あらあら、綺麗になりましたね」

「うん。にこにいが、てちゅだってくれたのら」

「マリー、ロロが魔法を使ったんだ」

「クリーンですか?」

「あ、しょうら。わしゅれてた。くりーん」


 仕上げのクリーンを忘れていたよ。これをしておかないと、臭ってくるのだ。


「違うんだ。水をだしたり乾かしたり」

「まあまあ、そうなんですか? ロロ坊ちゃま、出来たんですね」

「ね~」


 ほら、マリーは平然としているのだ。


「マリー、違う。あんなの、俺できないぞ」

「あらあら。だって、ディさんが言ってましたよ。ニコ坊ちゃまは、もっと魔力操作を練習しなきゃダメだって」

「そうだけど! そうじゃないんだ!」

「はいはい、手を洗ってくださいね。中に入りましょう」

「はーい」

「レオ兄が帰ってきたら報告しよう」


 ニコ兄がまだ拘っているのだ。そんな大したことはしていないぞ?

 ディさんも、魔法の練習をしたらニコ兄だってできると話していたのだ。


「にこにい、はたけにおみじゅをあげるのにいいのら」

「本当だな。見てて思ったよ」


 ほら、そうだろう?


「俺も練習しよう」

「うん。ポカポカぐるぐるなのら」


 折角、柵の中を綺麗にしたのに、コッコちゃんは家の中に入って来る。当然の様に。

 はいはい、中に入りましょうね。みたいな感じなのだ。だから、雛達もピヨピヨと付いて来る。


「あれ? 変わった色のがいるじゃん」

「しょうなのら。ボクとちろがあたためたのら」

「え? チロ?」


 そうなのだよ。卵の上でお昼寝していたのだって。


「アハハハ! チロがお昼寝してたのかー!」

「可愛いピンクだわ」


 ユーリアがピンクの雛を両手に乗せている。

 あ、そうだ。オレンジの雛にお名前があるのだ。俺はテイマーだからね。名付けをしたのだ。


お読みいただき有難うございます!

今日も雨です。今年はまだ桜を見ていないなぁ〜^^;

今日のロロくんは魔法を使いました。しゃわしゃわ〜です。^^;

ニコはしっかりお兄ちゃんなので、忘れがちですがまだ9歳なのです。ちびっ子2人がコッコちゃんのお家をお掃除していました。

明日も読むぞー!と、応援して下さる方は是非とも評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

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