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101ーピンク色?

 現在進行形の、小さな計画を発表しようではないか。


「こっこちゃんの羽根なのら」

「ロロ、羽根がどうしたの?」

「毎日ぬけるから、あちゅめてくりーんしゅるのら。羽根でクッションちゅくるのら」


 俺の最近の日課なのだ。コッコちゃんから、自然に抜け落ちる羽根を集めている。

 コッコちゃんの胸のところが一番フワッフワなのだ。でもタンポポの綿毛みたいにとっても軽いから、飛んでいってしまう。勿体無いのだ。

 だから、毎日ブラッシングして取っているのだ。大きな羽は、羽軸が硬くて痛い。やっぱ羽毛がいいのだ。

 それを集めて、羽根のクッションを作るのだ。

 お墓参りに行く時、馬車に長く乗るからお尻が痛くなるってリア姉が話していた。お尻を守る為に、クッションを沢山馬車に乗せる。

 それ迄に集まったらいいのになぁ、て考えた。

 コッコちゃんの羽根で作ったクッションで、リア姉のお尻を守るのだ計画なのだ。


「コッコちゃんの羽根でクッションか。ロロのその発想はどこからくるの? いいアイデアだね。売れるよ」

「え、しょう?」

「そうだよ。コッコちゃんの羽根で作ったクッションなんて売っていないからね」


 そりゃそうだろう。だって、今迄コッコちゃんを捕まえる事が出来なかったのだから。

 ディさんと話をしていた俺達の目の前を、危なげな足取りでヨタヨタと横切った淡いピンク色した小さい雛……え? 雛? ピンク色してるぞ?


「ピピ」

「お……」

「え……?」


 思わずディさんと2人して、目が点になってしまったのだ。


「ちょっ、ちょっと……ロロ。今度は何したの?」

「なんにもしてないのら!」


 いつも俺が、何かをしているみたいじゃないか。俺は知らないぞ。

 今回のピンクに関しては、何も知らない。俺は本当に、3羽しか孵してないから分からないのだ。


「なんれぇ?」

「ロロ、色が違うよ?」

「でぃしゃん、みて、みて! しぇいりぇいがんれみて!」


 俺は思わず、ディさんの腕をバシバシと叩いて言ったのだ。だって気になる。どうして1羽だけピンク色なの? って、思うのだ。


「アハハハ、分かった分かった」


 ディさんの、エメラルドの瞳がキラランとゴールドに光った。


「な、なんだって!? これはもしかして……まさか、チロか!? チロはどこに行った!?」


 ディさんが大きな声で、呼ぶものだからピカの背中で眠っていたチロが、何事かな? え、ボク? と、頭を上げた。


「キュル?」

「チロ! もしかして、チロが温めて孵したの!?」

「キュルン」


 ま、マジかぁ。チロは、そうだよ〜なんて呑気に返事をしている。


「このピンク色した雛は、回復魔法が使える様になるみたいなんだ。回復と言えば、チロだからね。でもコッコちゃんの雛だから、魔力量は少ないんだ。多分軽い擦り傷を治せる程度だとは思うけど、大きくなってみないと分からないや」

「な、な、なんですとッ!?」

「アハハハ! 本当にこの家は、どうなってんだよ~」


 いやいや、チロ。いつの間に温めていたのだ? ちょっとチロに聞いてみよう。


「キュル、キュルン」

「え、しょうなの?」

「キュルルン」

「えぇー、アハハハ」

「ねえねえ、ロロ。チロは何て言ってんの?」

「ちろは、卵の上でお昼寝してたんらって。ぽかぽかしてちょうろよかったって」

「アハハハ! お昼寝かぁ~!」


 チロは、何なのかな? と、キョトンとした顔をしている……ように見える。だって蛇さんだから、表情は変わらない。俺がそう思っているだけなのだ。


「なら、ロロが温めた雛ももう1度見てみよう。回復魔法が使えるようになるのかも知れない」

「しょう?」

「だって、ロロも回復魔法が使えるでしょう?」


 そうだったのだ。レオ兄に、痛いの痛いのとんでけ~ってやったんだ。でも、その1度だけしか使ってないのだ。

 ディさんが、濃いオレンジ色の雛を見て不思議そうに言った。


「あれれ? どういう事なの? ピカ、分かる?」

「わふッ」


 分かるって。頷いているよ。

 どうしたのかな? ディさんが雛を見たのに、ピカに尋ねている。


「ちょっと、教えてほしい」


 ディさんが、ピカと額をくっ付ける。そうしたら、ピカとお話できるのだそうだ。

 テイムしていたら、念話で話せる。でもピカとチロは神獣だから、誰もテイムできないらしい。


「あー、ロロの魔力がそうなったんだ」

「わふん」


 何かな? 何なのかな? とっても気になるのだ。

 ふゅ~、取り敢えずりんごジュースを飲んで、少し落ち着こう。足をちょっとプランプランさせながら。

 最近、情報過多だよね。次から次へと、コッコちゃんファミリーの事で何かしらあった。

 なのに、追い打ちを掛ける様にディさんが言ったのだ。


「ロロの魔力が多かったみたいだね。その魔力が、回復じゃなくて身体能力の方に影響したらしいよ。見るからに大きいし頑丈そうだもんね。動きも全然違う」

「へぇ~」


 俺かよ。そうなのか。やっぱ俺なのだね。

 身体能力が高くなってるって事なのか? なら、大きくなったらコッコちゃんより強い魔鳥さんになるかもなのだ。


「むふふ」

「ロロ、なあに?」

「大きくなるのが、たのしみなのら」

「アハハハ、そうだね~」


 そうだよ、まだ雛だから何もできないだろうけど。


「ピヨッ!」

「ピヨピヨッ!」

「ピヨヨッ!」

「しょうなんら、早いんらね」


 ……って、え? 俺、今誰と話した? 


お読みいただき有難うございます!

コッコちゃん大所帯になってしまいました。^^;

それでも続けて読んで下さる方は、是非とも評価やブクマをお願いします!

目指せランクイン!(ずっと言うてる^^;)

宜しくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 普通のヘビじゃないからあったかいのかな?
[良い点] 毎日楽しく読ませていただいています(*'-')ノ ぴか、チロ、こっこちゃんと来て(*>∀<)ノ))バンバン ピヨちゃん可愛い…( っ゜、。)っパタッ♡… ロロちゃんに着いて回る親衛隊?(…
[良い点] コッコちゃんたちもかわいい。 [一言] ロロたちが羨ましい〜 田舎に住んでるからニワトリ飼いたいな、って思ったら近所のルールで飼っちゃいけないって言われた私としては羨ましい〜
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