知り合いに小説を書けと言った結果
タイトル通りです
私には勉強が出来ないそこそこお馬鹿な知り合いが居る。
彼の国語のテストを見てみると文章を書く問題の欄が空白で✕か△がほとんどだった。
私は驚愕した。彼は本が好きで特にライトノベルを好んで読んでいるが、文章を書くことが苦手だったのだ。
思い返せば彼は国語以外でも自分で文を書く時に人のを写していたり、空白のままというとが結構あった。
『このままでは彼の国語力が取り返しのつかないことになってしまう』
そう思った私は、彼に小説を書くことを提案した。
彼はいつも本で読むのがいいと言ってWeb小説を読まない。そんな彼だったが意外と小説を書くのに乗り気だった。
なろうの存在自体は知っているらしく、そこで土日を使って投稿しようという話になった。
彼は何故やる気になったのだろうか。文章を書くのが難しく思っている現状に危機感を抱いていたのか、小説を書いてみたかったのか。
後者なら、出来れば私のようにエタることなく気持ちのいい終わり方をする小説を書いて欲しい。
柄にもなくそんなことを思った。
彼が小説を書く際に変な所で躓いて辞めてしまうのは嫌だったので、他の知り合いを当たってみた。
あまり不用意に広げるのは恥ずかしいだろうし、とりあえず知り合いの中で仲が良い方の2人に相談してみた。(2人とも男)
すると知的な方の知り合い(これからはA君と呼ぶ)が小説家になろうで小説を投稿していることが判明した!
まさか同じクラスに小説を投稿している人が居るとは思わず驚いてしまったが、それはA君も同様だった。
A君の知識が謎にあったのは数年間小説を書いてきたからなのかと妙な納得があったのは、普段のA君が絵を書いたりVチューバーについて話していたりと色々な趣味があることを知っていたからだろう。
もう1人の方のバレーをしていた少しガタイがいい男(これからはB君と呼ぶ)も驚いてはいたが、馬鹿にするような雰囲気はなく、面白がっていた。
B君は小説を書いたことは無いらしいが、第三者からの視点は人数が多い方がいいし、協力的なのはいい事だ。
帰る時間になり、今日の話はここで終わったが、協力者がいるという事は彼の助けとなるだろう。
小説を書き立ての人が挫折する要因の一つには、小説に対する反応のなさにあるのではないだろうか。
なろうに小説を投稿するという人なら、大体は反応があったら嬉しいだろうし、反応がなかったら不安になると思う。
反応が来ないまま小説を書き続け、心が折れてしまう人もいると思う。
そういった点を考えるなら私達は、小説を投稿している人に今まで頑張ってきてくれてありがとうと感謝すべきなのではないだろうか。
少なくとも、作者を馬鹿にするような感想は有り得ないと思う。
話が脱線してしまった。本当に今日、小説を書けと言ったのでこれから彼がどんな小説を書いていくのかは分からない。
だが、彼が書籍化などまで行かなくても楽しんで小説を書くようになっていれば、それは喜ばしいことだと思う。
彼はやりたいことをやろうとしている。私にはそれがとても眩しく見える。
昔こそ小説を書いて書籍化してやるぜと息巻いていたが、今はどうだ。
現実を見てやる気を失い、特に何かをする訳でもなく時間が過ぎていく。
この小説は、彼が小説を書こうとしていなかったら生まれなかったものだ。
私はもう、執筆に対する意欲がほとんどないが、彼までそういう風にはなって欲しくないと思う。
せめて、いい思い出だった。と言えるように。
彼を応援してあげてください。喜びます(多分)