第四話 その16 激突! 超必殺技アースアンドウィンドファイアー vs 最大奥義ピック・ザ・チェリー
第四話 その16 激突! 超必殺技アースアンドウィンドファイアー vs 最大奥義ピック・ザ・チェリー
「脅したって無駄よ!死ぬのはそっちよ!」
「どうかなお?」
「我が最大奥義!」
「その名も!」
「ピック・ザ・チェリー!」
「ふん!ふざけた名前ね!」
「こけおどしっだッピュ!」
「ボクたちのひっさつわざはかわせないッポ!」
「いーや警告したお!わしの奥義は発動!即炸裂すると心得て欲しいお!」
「下らないわ!」
「ちゅん助君!やめろって!もう冗談じゃ済まなくなるぞ!」
「なんでそんな自信満々なのか意味不明だ!」
「どう見てもヤバい!もう手加減してもらえないぞ!」
「だまるお!イズサン!わしもおとこじゃけえw!」
「これほどの獲物を前にして我が最大奥義!」
「発動させんわけにはいかんお!」
「おとこじゃけえのうwww」
「よう聞け!美少女!わしの奥義!その身体でとくと味わうがいいお!」
「ピック・ザ・チェリー!」
「この技はその名の通り!」
「お嬢ちゃんのサクランボに炸裂する超絶奥義だお!」
「ふざけんな!持ってないわよ!サクランボなんて!」
「いーや!その控えめで可愛らしいお乳の先端にさらに可愛らしく付いとるおw」
「二つもw!」
「!!!!!」
「プププwおっおっおっwこらたまらん!」
「あんた!あんたあああああああああ!」
「アンタアアアアアアア!!!!」
ちゅん助の言葉の意味に気付いた少女の顔の紅潮が激しさを増した。顔が真っ赤、まさにそれだった。
顔面の沸騰は即座に頭の頂点から湯気が出る程の怒りへと変わり、少女の怒りの表情は頂点に達したようだった。
「ご!ご主人サマ~!れいせいに!れいせいにッピュー!」
旋風が少女の頭に冷風を送り懸命に冷やしている。
「落ち着くッポ!ちょうはつに乗ったらダメっポ!」
「お嬢ちゃんのくにゅくにゅのサクランボ!」
「かっちかちになるまで!弄り回したるおwww」
「くわらす!ぜったいにくわらすお!」
「奥義天昇!」
「ピックザチェリーPPK!」
「PPKとは!」
「ピンピンコロリ!」
「つまり!」
「ピンピンにし過ぎてコロリと落っこちたりしたらすまんおw」
「ぶわーーーーーーはっはっはっは!」
「おっおっおっw」
「あんたってやつはあああああああああああああああああああ!絶対に!アンタだけは!オ!コ!ト!ワ!リ!」
「オコトワリ!よ!」
「はい~ま~た!ご褒美頂きましたあ~!絶対お断りの相手に、可憐な果実が弄り倒され!」
「汚されるんだおw」
「な、なんちゅうwなんちゅうw!た、堪らん!こらあ堪らんお!こんな『ぼくのかんがえたさいきょうのびしょうじょ』相手に!」
「我が究極奥義が炸裂するとは!」
「少女よ!残念ながらもはや余のこの決定は覆らん!おw」
「おっっwおっっwおっっwおっっwおっっw」
ますます調子に乗るちゅん助。一段と卑猥な動きで地面に寝そべってビクンビクンと痙攣していた。
少女の怒りはとうとう限界を超えた様だった!
「ちゅんすけ~!えっちなのはいけないと思うぞ!取り返しがつかんくなるぞ!」
「アンタは黙ってて!もうとっくに取り返しはつかないとこまできてんのよ!」
「ほう!ならば!決着と行こうお!奥義の構え!」
ちゅん助は起き上がると片足と両手?を上げポーズを取った。
恐らく…恐らくだが拳法か何かの鶴の構えを取っていると思われるが…思われるのだが…見た目はひよこっぽい上に手足が短すぎるので、傍目から見て間抜けなポーズにしか見えない…
おまけにバランスが悪いので上げた片足をちょこちょこと降ろしては上げ降ろしては上げしており、格好つけていると思われるくせに、格好悪い事この上なかった…
シュウウウゥゥゥゥ………
少女の頭上から溢れ沸き立つ蒸気が、静かに消えていく。あれほど怒っていた少女の怒気が消え去って、静かな殺気へと変わっていく。本当にマズイ、怒っているときの方が安全に思える程の澄み切った殺気。
あれほど発狂しかねないくらい逆上していたのに、少女は恐ろしいくらいの冷静さを取り戻していた。
「ヤバい!ヤバいぞ!ちゅん助!これホントにマズイ!逃げろッ!」
澄み切った殺気は素人同然の俺にすら、びりびりと伝わる。取り返しのつかない事になった!本能的にそう感じた。
ニコッ!
少女が不意にほほ笑んだ。温かみのまるでない、死神のキス…
「殺すわ♡」
少女が射撃の構えをとった。
「アースアンド!」
「ウィンドファイアアアアア!!!!!」
(さ、散弾!?)
少女が放った矢は瞬く間に何万、何百万、いや何千万もの空気の矢に分裂し、巨大な壁面を形成してちゅん助へと向かって襲い掛かっていった!
少女が今まで放った攻撃のどれより遅い進行速度であったが、壁の拡大スピードは速い!
まさしく蟻が通る隙間もない程の無数の矢が、無数に分裂し広がって地面を削ってちゅん助に向かっていく。
壁はどんどんと成長し、ちゅん助と少女の間に侵入不可能な強力な障壁を形成した。
いかにちゅん助が速く動いていようと、少女への接近は不可能に思えた。
少女はまず、ちゅん助の突進を封じたのだ!
バババババ!
無限矢の壁は勢いを失うことなく、ちゅん助へと襲い掛かっていく。
バシュ!バシュ!バシュ!
壁状のままちゅん助に炸裂するかと思われた壁は、あと数mと言う距離に接近したところで、上方と左右から円を描くようにその成長形状を変えるとそのままちゅん助を中心に完全に取り込む形でドームを形成して地上の全立体角全ての逃げ道を封鎖する半球状のドームの中にちゅん助を閉じ込めたのだった!
ちゅん助はここに来て慌てた様子で前後左右を見回してあたふたとしたが、虚空の牢獄に逃げ場など無かった。
「ちゅ!ちゅん助えええええええええええええ~!!!!!」
俺は絶叫に近い叫び声を上げたが、無情にも少女の耳には入らなかった。
「終わりよ!」
パチン!
今度は指を鳴らすのは少女の番だった!
「メルトオオオ!」
火ッ!
閉ざされた監獄の中で死刑執行が下された!
ちゅん助の頭上に突然太陽の様な輝きを放つ球体が現れたかと思うと、内部で大爆発を起こし、ちゅん助の姿を爆炎が包んでいく!
爆発の業火は、その勢いが留まるところを知らず、燃え盛るばかりであった。
内部で赤い爆炎がオレンジに!
オレンジの炎が白い閃光へと短時間で変化していく。
(お、温度が上がってるのか!?)
ドーム内部から放たれるすさまじい光の量はまさに地上に降りた太陽のごとしで、もはや目を開けているのも不可能であった。
咄嗟に目を閉じて両腕で顔を覆うが、それでも視界は真っ白に染まっていた!
白い光は青白い輝きにその姿を変え、なおも勢いを増していく。目を閉じ腕で覆っても色の変化が分かる程の凄まじい光量!
(あ、青だと!?完全燃焼!?)
(いやそんなレベルじゃない!)
(ひょっとしてプラズマって奴か!?)
(まさか核融合!?ありえない!)
青白い大閃光は、ついに紫がかった光へと変化していく!
(なんという!…)
圧倒的な光量に俺は言葉を失ったが、真に恐ろしいのはその光の姿ではなかった…
何故か?
ドームの中であれほどの大爆発か超燃焼と思われる現象が起こっているのに、俺の身体には眩しい以外の影響が全く無かったのである。
眩しくて遂には身体を地面に伏せはしたものの、数十mも離れていない、その光球からは、爆風も、いや爆風どころか空気を伝わって来る熱も、いいや!音すら殆どしないのだ!
つまり!
ドーム内での大爆発、超燃焼のエネルギーは、あのドーム内から一切逃げることなく、ドーム内を分子レベルで焼き尽くしている事が容易に想像できた。
キイイイイィィィィィン!
爆音なき大閃光は永遠に続いたかのように思われたが、現実の時間では一分ほどだろうか。
ついにドーム外へ光以外を放つことなく、ようやく収束を迎えた様だった。
(…ちゅん助…?)
俺は恐る恐る目を開けた。
まず視界に入ってきたのは、美しい立ち姿を保ったまま目を閉じていた少女だった。
「ちゅん助は!」
慌ててドームに視線を移すが、内部は恐らく爆発の影響で目茶苦茶になっており状況が分からない。
パチン!
ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!
再び少女が指を鳴らすとドームは竜巻状へと変化し、究極に熱せられたであろう内部の物質が、堪らず上部の竜巻の目から遥か遥かの上空に噴出していった。その様は火山の噴火の様でもあった。
パチン!
数分の後、またも少女が指を鳴らすと竜巻が消滅し、全方向へと逃げ場を許されたドーム内の超熱が、放射状に広がって周囲の草を瞬く間に焼き尽くしながらみるみる拡がっていく。
「ま、まずい!」
超高温を持った大気の流れが、当然のごとく俺の方へも襲い掛かって来る。だが俺には頭部を腕で覆ってガードする事以外、どうする事も出来なかった。
例えグソクに脚をやられていない状態でも、逃げる事はままならなかっただろう。
「ピュッ!」
「ピュウ~!」
「防風!」
旋風が素早く少女と俺の前に風の障壁を形成し、何とか襲い掛かってきた熱風に焼かれる事態は回避できた。
それでも壁から回り込んでくる熱量はすさまじく、さながら火事の現場に居るようだった。
凄まじい熱量、凄まじい威力!まともにこの空気を…熱風を吸い込んだら気道が…肺がやられるかも知れない!
「ちゅん助!」
第四話
その16 激突! 超必殺技アースアンドウィンドファイアー vs 最大奥義ピック・ザ・チェリー
終わり




