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更新停止中 イズちゅん  作者: ちゅん助の!
第四章 熱狂と蟲の街 ガリン
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第四話 その11 でっちあげた者勝ち!

第四話 その11 でっちあげた者勝ち!


「何者かって聞いてんの!」


「え?」


 突然の事に、俺はなにがなんだか分からない…


「あんた!ばかぁ?」

「なんでアンタが特別信者の刻印なんか持ってるのよ!」


「いや、それは…」


「こ、刻印はわしのだお!」


「黙れ!エロピヨがっ!」

「アンタみたいな変態が貰えるわけないでしょう!?」

「この私でも貰ってないのよ!」


「ふっ!それはわしの方が格上だか…ぐえええ!」


「黙れつってんの!」


「やめて!やめて!中身が出ちゃうお!」

「これ以上耐えられないお!許して!許して!」

「もうらめえ~~~~!」


「お前が絞り出されてんじゃん…」


「兎に角!この刻印!どこで盗んできたのよ!」

「答えによってはただじゃ済まさないわよ!」


「もうすでに、ただで済んでない奴が出そうな件…」


「なんですって!?」


「ぐえええええ!」


「な、なんでもありません…」


 受け答えを間違ってこれ以上この少女を刺激すると、さすがのちゅん助もやばそうだ…


「その刻印は、そいつがホントにアクリムで功績を挙げて、教会に評価されて貰ったもので…」


 その功績がマッチポンプである事は、今は黙っておいた方が良さそうだな…


「このエロピヨが!?ありえないわ!」


「そうだお!そうだお!わし、見た目通り!凄いんだお!」


「見た目通りというのは怪しい件!」


 動揺した少女の手から何とか抜け出すと、ちゅん助が調子に乗った。


「お嬢ちゃん!思い知ったかお!わしは特別信者だお!わしらと一緒に旅すれば!特典が!いっぱい♪」


「お前が居ると罰ゲームかも知れない件…」


「だまるお!」


「はあ?あんたと一緒に旅なんて冗談じゃないわ!」

「兎に角!この際、どうやってこれを盗んだかは問題じゃないわ!」


「盗んでないお!」


「どちらかというと取り上げたのはそちらな件…」


「黙れ!」


 ガシ!ギュウウウウウウウウウウ!


「ぐああああ!つ、つぶれるうう!」


 再びちゅん助が捕まった。


「あんた!この刻印!通信石にご丁寧にも封印かけて、使えないようにしてくれてるわね!」

「この私を馬鹿にして!よくも!よくも舐めた真似してくれたわ!」


「ぬふふwこの間抜け!wようやく気付いたかおw」


「ぬわんですってぇえ!?」


「わしは一目見た時からおまえを嫁に…じゃなかった仲間にすると決めてたんだお!」

「そのためには!追いかけるだけでなく貴様から追わせる必要があったんだおw!」


「なに都合の良い事言ってんのよ!」


「ププw都合じゃないおw戦いとは!」

「常に二手三手先を読んで行うものって昔の赤の人が言ってたんだおw」

「ちなみに今の赤代表はアスカ!おまえだおwぐええええ!」


 ギュウウウ!

「ぎゃあああああああああああ!」

「うぐぐぐうううううううううううう!」

「しぬうう!しぬうううおおおお!」


「なに言ってるか分かんないし!」

「そんな名前じゃないって言ってるでしょ!」

「これ以上ふざけるとぶっ潰すわよ!」


「もう半分以上、潰れてる件…」


「なんか言った!?」


「な!なにも言ってない件!」


 しかしちゅん助の奴、向こうが自分を探し求めてるとかわざと捕まったとか、妄想に近い負け惜しみを垂れ流していただけだと思っていたが、実際この少女が怒鳴り込んで来たこの状況を見るとホントにこうなるのを読んで事を運んでいたのか?いやしかし…


 だが、あれだけの大金が記録され、特別信者の大特典まで付いた通信石を取り上げられても平然としていて


「あの少女を探そう」


と言わなかったり、俺も知らなかった封印機能を使いこなしたりしている様を見ると、アクリムの件といいやはり、やはりコイツは恐るべき謀略家なのだろうか。


「さあ!封印を解きなさい!」


「うぐぐ!いやだお!わしの金だお!うぐぐ!」


「あんたぁ!せっかく助けてあげたのに殺されたいのかしらぁあ!?」


 少女の手にさらに力が入る。


「うぐええええ!わしは助けてもらってないお!」


「この期に及んでまだそれ言うの!いい加減しつこい!」


「うぐぐ!しつこいのはわしを捕まえて押さえつけて逃がさないおまえの方ではないか!」

「こんな熱烈な求愛!」

「わしが遠慮して受け止めきれんとか思ったら大間違いなんだお!」


「はあ~!!!???バカ言わないで!」

 ペシ!


 ちゅん助のあまりに都合の良い思いあがった妄言に、少女は冗談でないとばかりに手を離し机の上に転がっているちゅん助の頭をはたいた。


 キラリ!


 うずくまっているちゅん助の目が妖しく光ったような気がした。


「みなさーん!聞いてクレメンス!」


 少女の手から狙い通り逃れたちゅん助は、この機を逃さじと机の上で飛び上がると、とんでもない事をふれて回り始めた。


「この女が!わしの通信石を強盗しようとしとるんだお!強奪しようとしてるんだお!」


挿絵(By みてみん)


「あ、あんたちょっと!何を!」


「嫌がるわしを押さえつけ、暴力で封印を解かせようとしたんだお!」

「わしはこの女に乱暴されたんだお!いたいけな小動物たるわしを!こんな可愛い姿のわしを!」

「痛めつけ!罵り!脅迫してとんでもない女だお!」

「ふぁふぁーん!(←泣いている音)」

「イズサ~ン!みんな~!わしはいじめられたお~!」


「な、なにを馬鹿な事を!あべこべじゃない!」


「ふふふふふwわしの通信石」

「どこぞの2号機みたいに簡単に強奪できると思ったら大間違いだお!」


「ちゅん助、その子にそんな事、言っても通じないぞ…」


 大衆の前では、正義がどちらにあるかなど関係なかった。


 より声の大きく演技がかった者が勝つ!


 平時の場合ならばこの少女の様な美しい女性とちゅん助の様なへんてこな生き物ではちゅん助の劣勢は否めない所だが、突然故意に沸き起こされたトラブルに対しては少女のアドバンテージは消えるどころか


あんな子がイジメをするのか?


という好奇心と


美しく生まれた癖に生意気な!


という嫉妬心から、事の善悪の判断という最も大切なルーチンをすっ飛ばして、周りの少女を見る目が否定的に変わりつつある空気があった。

 

 ちゅん助はそこを突いたのだ!やはり悪党!

 わが友ながら、恐るべき悪党!


「この由緒正しき、格調高く荘厳な教会の中で!」

「白昼堂々!いじめと強奪が行われようとしているお!」

「このような暴挙!ガリンの街は許していいのかお~!!!!!」

「この街に正義は!正義はないのかお~!」」


 ここが勝負!とばかりに、ちゅん助がなおも騒ぎ立てる。


 見た目は可憐な少女とは言え、ちびのちゅん助とは体格差は歴然。その対比が少女の立場をさらに不利なものにしていた。


「ふ、ふざけんじゃないわよ!あんたちょっと!こっちに来なさい!」


 食堂の雰囲気が見る見るうちに自分に対して悪化していくことを察知した少女は、慌ててちゅん助を抱きかかえると食堂から走り去ろうとした。


「アンタも来るのよ!」


「あ~れ~(棒)わしラチされるぅ~(棒)イズサンタスケテ~(棒)www」


 少女は顎で俺も来い!と指示すると、ドアから出ていった。


 わざとらしく助けて~!と大騒ぎするちゅん助の目は、後頭部の感触が伝える少女の僅かなふくらみを感じてか、絶頂に達しそうないやらしい目であった。


「おっおっおっw」


 俺は少女の足がとてつもなく速いのを思い出し、慌てて席を立った。


「みなさん!すいません!ただの痴話喧嘩なのでお気になさらぬよう!」


 食堂の連中に何か勘違いされるとマズイ…俺はその場の雰囲気をなだめるべくそう言うと、少女の後を追った。


「痴話喧嘩じゃないッ!!!」


 食堂の外から、少女の大きな怒声が響いた。


 第四話 

 その11 でっちあげた者勝ち!

 終わり

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