スピンオフ その45 恥辱
BB弾方式のサバゲーでは弾が当たったのに、当たってないと言い張ってゲームを続行したり「気付かなかったw!」という言い訳で用いられるナンバーワンのセリフで所謂ゾンビ行為を行う者が後を絶たないという。それ故、熟練者やインフルエンサーは自らのプレイ動画を上げる目的だけでなく、ゾンビ行為を防ぐために動画で記録をして抗議の時に正当なる証拠として提出する事があるという。
サバゲーでのゾンビ行為はゲームその物が成立しなくなる危険性があるために、動画を撮らねばならない程、それ程に深刻な問題なのだ。
一方ファースガンではこの様な問題は物理的に絶対に起こらない!ヒット判定は全て機械が平等に行うからである。
だが、それを良い事にちゅん助のような奴はやっつけてもいないのに、やっつけた!ヒット取った!(これは機械の方で誰が誰を撃ったか記録しているので調べれば嘘だと分かるらしいが…)と嘘を吹聴していたのである。
まさかそんなウソがバレる訳無いと高を括って安心してホラ吹いていたちゅん助にはこれ以上ない大ダメージであった。
しかも、動画で晒された彼の無様さといったら他人が見ても可哀想なくらい惨めな物だった…
「私、ファースガンのシステムには感心してるの」
「本当に素晴らしいシステムだと思うわ」
「でもヒヨコさんのようにファースガンで活躍もしてないのに!」
「大活躍した!なんて触れ回る行為は!」
「裏ゾンビ行為と言えるものなの!」
「私は寛大なつもりだけど!」
「この点に関しては許さないわ!!!」
「あと開発者さんの話だとファースガンのヒット判定は」
「公開されてないだけで誰が誰をヒットしたか?は」
「ちゃーんとサーバー内に記録されているのよ?」
「それを公開してしまうとゲームを楽しむ事よりそれだけに執着する人が出るから」
「運営さんの心遣いによってあえて公開してないだけなのよ!」
「ぎゃあああああああああ!!!!!」
ビクビクビク!
断末魔の悲鳴をあげて黄色い小悪魔が死んだ…
「さ、さすがフラグブレイカー…ちゅん助の心の御旗をブチ折るどころか…」
「木っ端みじんに粉砕していったぞ…」
「ミリリア!恐ろしい奴!ちゅん助は役立たずとは言え」
「うちのチームで唯一の経験者よ!知識だけは無駄にあったからそこそこ役立っていたのに!」
「あ、あそこまでされなくても…」
「甘いわよ!アカリッ!サバゲーってのは、戦いってのはね!」
「ゲームが始まる前からもう始まってんのッ!」
「ミリリアの奴はたかが名目上、形式上だけでもウチの頭を潰しに来た!」
「ただでさえ不利なのに!いよいよ窮地だわ…」
「なんて恐ろしいまでのフラッグへの執念!」
「そこまでしても奪い取るつもりなんだわ!」
「多分それは違うと思う…ぞ…?」
「ちゅんす~けしぼーだっぽ…」
「かんぜんに逝ったっぴゅ!」
「ご主人さみゃ!しっかりするみゃ!傷は深いみゃ!」
「深いとか言ってどうする…」
「ふぁふぁ~…(←あまりのショックで《《ん》》まで出ない泣いている音)」
「もうだめだお…」
「こ、これはFANZ〇のエロ動画購入履歴や…」
「光学遍歴を晒されるより遥かに恥辱なんだお…」
「そりゃそうだろうな…」
「ひさかたのぉ~ひかりうしなうふぃーるどに~♪」
「しずこころなくわしがちるらん…ガクッ!」
「お前の唯一知ってる百人一首を辞世の句で使うんじゃないよ…」
「ちゅんす~けー!死ぬなっポお!」
「ちゅ~んすけ!逝くなッピュう!」
恐るべきフラグブレイカーの実力?により、ちゅん助という一応名目上だけの隊長()を叩き折られた俺達は次戦、またもまたも成す術なくフラッグを奪われ敗退した。
ちゅん助が復活するのにその後2ゲームも要したが、彼が復帰したからと言って焼け石に水にすらならずさらに敗北が続いたため、ここで運営から調整が入り、なんと黄色は赤チームから3人のメンバーを無償で譲り受ける!という屈辱的な施しを受けたのであった。
そのためその後のフラッグ戦は瞬殺だった、それまでとは違ってようやく均衡を見せ始めたが、にもかかわらずミリリア達の快進撃は止まらず僅差での敗戦が続く…
メンバー3人を譲り受け、人数ではかなり多いはずの黄色が未だ敗戦続きと言う事はミリリア達との実力の差があまりに大きいという証明だった。




