スピンオフ その1 ギクシャク
「全くアンタら!今日の魔物狩りの連携と来たらなによ!」
「全然なってないじゃない!」
「そ、そんな事いわれても!」
「イズサン!アンタは何回私の射線を塞ぐなって言われたら分かんのよ!?」
「今は通常の矢しかないの!軌道制御できないの!撃ち殺されたいの!?」
「そ、そんな事言っても!」
「みぁ助が打ち合わせのライン越えてあいつらを追い込んできて!」
「それを狩るのに必死で!」
「ミャッ!?どぼく!ボクのせいにするみゃ???」
「おみゃえがもたもたしてるから手伝ってやったんだみゃ!」
「そうだお!イズサン!我がねっこに難癖つけるんじゃあないお!」
「ちゅん助さん!貴方だって周りを考えずに爆人石弾を撃つから!」
「破片が私の方まで飛んで来て!危ないんです!」
「いつも効果範囲を考えて欲しいって言ってるじゃありませんか!」
「ちゅんすけはアホだっぽおww」
「だお!?」
「ファイアン先生だってわしの後に悪ノリして!」
「火球火炎放射をそっこらじゅうにばら撒いたお!」
「誘爆したお!?」
「ポォッ!?」
「そらみろ!アスリ!君たちだってやらかしてるじゃないか!」
「そうだお!」
「そもそも!最初の索敵が上手くいってれば!あんな事にはならなかったんだお!」
「と~んでもないながれだまが飛んできたッピュ!!!」
「ワタシらのえんぷうれーだーにケチつけるつもりッピュ!?」
「そうだッポ!なんくせ付けるなッポ!」
「雨風がある時はボクらの感知は効果がはんげんするっていつも言ってッポ!」
「つかえん蚊トンボどもだお!」
「ピュウウウウ!!!???」
「ポオオオオオ!!!???」
「ちゅんすけ!ワタシらバカにするのゆるさないピュよ!」
「フンだお!」
「だいたい本編でも!」
「優秀有能なはずのおまえら炎風レーダー網がいっつも破られてピンチになるの!」
「お約束みたいになってるお!」
「ピュウウウウ!」
「それはワタシらがかんたんに見つけて!」
「ご主人サマがかんたんにやっつけたら!」
「おはなしがつづかないからッピュウ!!!」
「そうだッポ!」
「そんなつごーのいいおなはし!だれが読んでくれるっポ!?」
「ざんねんでしたあwww」
「現代の若者は!最初から有り得ないほど強くて苦労一つなく三行以内で敵をやっつけて!」
「なにも努力せずに女にモテモテの主人公のお話しかウケないんですおwww」
「こんな苦労しまくり!女にフラれまくりの!」
「イズサンとわしの話は誰も読んでくれませ~んおw」
「ちゅん助…お前…それ自分で言ってて惨めにならんの?」
「ふぁふぁ~ん(←泣いている音)」
「なぜかとっても悔しくて悲しくて涙が出てきたあ~お!」
「ちゅん助さん、それはともかくとして!」
「貴方の不敬な態度は…」
「アッカリン!なにを言うかお!」
「おまえこそ戦闘中!治癒士だからって!」
「ボケっとしよってからに!」
「守ってもらうだけしか能がないかお!」
「な!?」
「不敬な!」
「おまけに!アスリちゃんやイズサンが怪我した時には!」
「懇切丁寧にヒールかけたるくせに!」
「わしがボコボコにやられて号泣してても!一切手当てしてくれた事無いじゃないかお!」
「そ、それは…」
「神よ!とかほざいておるくせに!」
「えこひいきするとはとんだ生臭坊主だおッ!」
「言っとくが、坊主が崇めてるのは仏様の方だぞ…」
「なんて言う事を!」
「私が貴方にヒールをかけないのは!」
「イズサンから貴方たちの世界の魔王やら邪悪な存在は!」
「ヒールなどの治癒魔法をかけると逆に大ダメージを受けたり消滅したりするって聞いてるからです!」
「はあ?アホかおッ!?バカかお!?」
「そんなんゲームかなんかの話じゃないかお!」
「だいたい!わしがその様な邪悪な存在だと!」
「あっかりんは思っておるのかお!」
「思ってます!」
「だおおおおおお!!!???」
「これは聖女とか持ち上げられて!」
「とんだ思い上がり女だお!」
「もう怒りました!」
「それならお望みどおり!ヒールをおかけして差し上げますわよ!」
「神よ!この不浄なる者に神の息吹を!」
「ヒー…!」
「わあああああああ!!!!」
「やめるお!やめるお!」
「イズサン!見たかお!?見たかお!?」
「この女、今わしを消滅させて殺そうとしたお!?」
スパアアアアアン!!!
「お前自身が一番邪悪な存在かも知れない事心配してるじゃねーか!」
「あーもう!うっさいわよ!アンタら!」
「いつになったらパーティーとしてまともな連携がとれんのよ?」
「アスリ!そもそも戦闘は君が指導してくれるんじゃあ!?」
「先生になってくれるんじゃあ!?」
「は!?イズサン!」
「そもそも論で言えば!」
「私はソロで狙撃手よ!」
「アンタみたいな無能でトロい前衛の戦いの指導なんて!」
「出来るわけないでしょ!」
「無能でトロいとか言うな!」
「でもその通りだみゃw」
「悪かったな!」
「もっと親切に教えてくれると思ったのに…」
「イズサン!アスリちゃんに先生になってなどと!」
「ムシの良い事いってるんじゃあないお!」
「もっと自分の頭で考えたらどうかお!」
「俺はもともと戦いなんかやった事無いんだって!」
「わしはアスリちゃんに先生になってなんてムシの良い事いわんお!」
「わしはアスリちゃんにはただわしの嫁になってくれさえすれば!」
「そんなんあるかあ!ボケェ!」
「ムシの良すぎる事言ってんのお前の方だろうが!」
俺達は次への街へと移動中、魔物が出現して困っているという集落に出くわし、ちょとした人助けと、アスリが今後の旅路で必ず遭遇するであろう強力な魔物と対峙した時に、俺達パーティーがどれほど動けるかを見極めるためにあえて連携して魔物狩りを行ったのだった。
パーティーには凄腕のアスリーズが居るのでそんじょそこらの魔物なんか瞬殺なのではあるが、それは精霊石と呼ばれる魔力を持った石を使った場合のみ。
訳あって精霊石は非常に入手しづらく、ちゅん助発案の急造精霊石も24時間体制で製造を続けているが雑魚狩り相手にはそれも勿体無い、故に通常戦力で挑んだのだが冒頭の有り様なのだ。
凄腕のアスリーズや、週末サバゲーマーだったそこそこ戦いが分かっているちゅん助、図体がデカいみぁ助が居るのだから雑魚狩りなど簡単!等と思っていたが予想外に苦戦した。
やってみると連携が全く取れない…
アスリーズの戦闘力自体は超絶に高いのだがソロの戦闘しか経験しておらず、アスリの戦闘はその天才的な感覚と抜群過ぎる運動神経に依る所が大きく、至って凡人の俺達にどう説明すればいいのか?その解は持ち合わせていない様だった。
ちゅん助にしてみても何回もサバゲーに参加してはいる様だったが、もともとボッチで個人プレイが好きな奴である。勝手な事ばかり言って人を纏めるという能がまるでない。
みぁ助の戦闘力は未知数なのだがいくら図体が熊よりデカいとはいえ姿は仔猫なのだ…おいそれと最前に出すわけにはいかない。
灯は駆け出しの治癒士としては優秀だが冒険者としては俺と大差ない経験しかないと来ている。
そして俺はと言えば、一応前衛扱いなのだが勇者の天令と言う大層なレッテルだけは頂いたが能力は凡人、いや運動に関しては平均より下だったのだ…努力はしているがそう簡単に何とかなるものではない。ましてや最強格の狙撃手のアスリの要求するレベルなど…とてもとても…
「くっだらない話し合いなど無意味だお!」
「ささっ!先生方!」
「本日のガラガラた~いむw!」
「っぴゅ!?」
「っぽ!?」
「まってましたあっぴゅwww!」
「きょ~こそ《《とくとうしょ~》》!だっぽwww!」
「ちょっと!ちゅん助!話し合いは終っていないのよっ!」
「ウィンディ!ファイアンも!くっだらない遊びに夢中にならないでっ!」
飽きっぽいちゅん助がしびれを切らしてさっそく他事をやり始めた…
先程まであれだけ責任をなすりつけられ言い争いをしていた炎風コンビがまるで何も無かったかのようにニコニコと満面の笑みで吸い寄せられるようにちゅん助の傍に飛んで行く…




