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更新停止中 イズちゅん  作者: ちゅん助の!
第二章 始まりの町 アリセイ
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第二話  その4 瞬殺

第二話 その4 瞬殺


 思わず緊張が走る!


デカい!


 俺達より頭一つはデカい!


 そんな俺の緊張をよそに


「この群れのボスかもな、お前らは下がっていろ」


 何事も無いかのように、トニーガは人獣へと歩を進めた。


「あ、あの!」


 幼人獣と比べ物にならない遥かに強力そうな人獣を目の当たりにして、俺は思わず隊員の一人に声を掛けた。


「手伝わなくて大丈夫でしょうか?」


 そう尋ねると隊員は何言ってんだ?お前?


 と言った感じで返してきた。


「隊長をか???」


 まあ見てろ、そんな感じで隊員が首をトニーガの方に向けた。


 戦いは俺の心配は全くの杞憂だった。


 人獣は強力な攻撃を両手の爪を使って繰り出してくるが一向にトニーガには当たらない。逆にトニーガの牽制の突きは人獣の両手両足、末端部分を次々と捉えどんどんと追い込んでいく。


 恐らく威力では人獣の方が上に見えてもトニーガのテクニックがヒットする事を許さない。

 人獣は必死になって攻撃を繰り出すが、躱され受け流され続け序盤からその大勢は決まってしまっていた。トニーガにしてみれば恐らく勝負を決めようとすれば一瞬で付けられたのだろう。


 ひょっとしたら俺に見せるためにわざとやってるのかもしれなかった。


「グウ!ガアアアアア!」


 最早敵わぬ、そう判断したのか人獣は大きな叫び声を上げ、突進しながら渾身の一撃を繰り出した。


 手負いの獣、決して侮れないその力がトニーガに襲い掛かった。


 人獣の一撃が発動するかしないか、その刹那にトニーガはふっと腰を下ろした体勢から目にもとまらぬ様なバックハンド(と思われる)の一撃をカウンター気味に叩きこんだ。


 いや実際には速過ぎてどんな剣撃だったか?


 シュパア!


「!」


 右フック気味の攻撃がトニーガを捉えるより先に喉元を剣で深く突き刺され、人獣は断末魔の叫び声を上げる事すら出来ず、糸が切れた操り人形のようにグタリと膝が折れた。

 そのままの軌道を保てば確実にトニーガの左側頭部を捉えていたはずの右腕は左手と共に、力を失いだらりと垂れ下がった。



 決着!


あれほどの魔物に何もさせない圧倒的、まさに圧倒的な決着であった。


 バカッ!


 そんな音が聞こえるかのようにトニーガが突き刺した人獣の喉元から上の頭部が真っ二つに縦に割れ血しぶきが飛んだ!


「ほう…奴もあれを使うかお…」


 ぼそりとちゅん助がいかにもわしは分かっている、といった風に呟いた。あれほどの早業お前に見えるわけないだろ…


「ちゅん助君そういうの良いから…」


 俺は呆れてそう返すのがやっとだった。


 人獣を駆除した後、林には不穏な空気が感じられず長居は無用と本日の狩りは引き上げとなった。

 もっと広い範囲を探索できない事もなかったがまさしく百戦錬磨という言葉がふさわしいトニーガらしい判断だった。

 もしかしたら今日は俺が、どこまでやれるのかを見たかっただけかもしれない、そう思うと今日の一連の流れは恥かしくもあった。


(ちょっと、いや…かなり練習しなければな…)


 帰りの道中、頭上のちゅん助が珍しく大人しいと思ったら気持ちよさそうに寝ていた。はしゃぎすぎて疲れたのだろう。


 らしいといえばらしいのだが…なんかイラっとするな!


 まあそれを幸いに俺は町に着くまでライジャー流についていくつも質問しどのような鍛錬をすればよいかを聞き、今日この時から鍛錬することを決めた。


 隊員に比べてほとんど狩れず宿代は稼げなかったはずだが、トニーガの口利きで宿を紹介してもらえたため俺達は遠慮なく厚意を受ける事とし、なんとか二日連続で教会にお世話になる事は避けられた。


 ちゅん助はマフィーさんに撫でてもらえず、つまらなそうな感じではあったが…何とか恰好ついた形でホッとした。


 第二話

 その4 瞬殺

 終わり

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