第八話 その4 懸念事項はアンタなのよ
第八話 その4 懸念事項はアンタなのよ
「さあ、イズサン試験よ!」
「し、試験!?なんの?」
「アンタ、ばかぁ?」
「仲間になる、ならない、それ以外になんかある?」
「わしのクソ土下座で観念して、仲間になってくれるんじゃなかったのかお!?」
「はあ?私が言ったのは、考えてあげる!そんだけでしょ!」
「だましたなお!純粋なわしを手玉に取って!体が目的だったのね!」
「そりゃまるまるお前の事だろ…あの時の発言、覚えてないのか?」
「恐るべきひがいしゃコスプレだぴゅう…」
「てんせいのひがいもうそうっぽ…いま天令うけたらえせひがいしゃと出るに違いないっぽ」
「うわーん!」
「その変態は放っておいて!」
「今!」
「仲間に入るかどうか問題にしてんのはイズサン!アンタの方よ!」
「なんと!わしは既に仲間入り合格しとったお!」
「イズサン!やーいやーい仲間外れボッチィw!」
「してないわ!アンタは書類選考の時点で不合格よ!」
「………ショボーン…くそう!イズサン!」
「おまえも不合格になれお!わしだけ置いてくなんて罰当たりな!」
「お前…今まさにその罰当たりをしようとしてたの理解してるか?」
「さあ抜きなさいイズサン!」
「ほう?わしの極太ビームジャベリンを解放させる時が来たようだなお?」
「そのビームピックは仕舞え!ええっとアスリさん!話が…話が見えないんだが?」
「話ですって?簡単じゃない、私を仲間にしたいんなら実力を示しなさいって言ってるだけでしょ」
「おほー強引にモノにしても良いと?そちも好きモンよのうw」
「違うわ!アホ!変態!」
「アンタ達を仲間にして私に何のメリットがあるかっつってんの!」
「あるではないかっ!わしをその小ぶりな胸に抱き!心ゆくまで撫でまわすことを許すお!」
「要らんわ!爆風花!」
ドゴーーーン!
「ぐああああああ!」
ピューーーーン!
少女は目にも止まらぬ早業で弓を展開させ、抜く手も見せず圧縮空気の塊と思われる強力な爆風攻撃をちゅん助に叩き込んだ。
衝撃でちゅん助の体が木の葉のように、遥か向こうに吹き飛んで行ってしまった…
「メリット…実力を示すと言っても…」
「でしょうね!この際だから特別に説明したげる。私のクラスはなに?言ってみなさい!」
(クラス?職業の事か…?確か…)
「ええと、高名なしんまきゅうしさま、と伺っておりますが…」
「そうね、神魔弓士よ!」
「神魔弓士ってのはね」
「そこいらの魔導士達とは一線を画すの!」
「確かに凄腕の魔導士はたくさん居るわ!」
「でも彼らは魔導士である以上、杖なんかに組み込まれた精霊石を介して魔法を使う」
「例え精霊が付いていたとしても必ず精霊石を介すわ!」
「だからどんなに高威力の魔法を発動させたとしても、その効果範囲は有視界を超える事はまずないの!」
「でも神魔弓士は違う!」
「高額な精霊石を使い捨てにする!」
「という絶望的コスパの悪さと引き換えにして、圧倒的射程を手に入れたの!」
「そして私に付いてる精霊、ファイアストンとウィンドミル、この子達は私が言うのもなんだけど超絶有能よ!」
「だっぽう!」
「だっぴゅう!」
(ちゅん助との毎日のやり取りを見ているとそうは見えないが…)
(その実力は垣間見てる、彼女が言うなら間違いないだろう)
「だから私には!」
「四大精霊の中で最大の攻撃力を持ち、さらに感知能力に長けた炎の精霊と」
「最もスピードと効果範囲に長け、圧倒的な索敵、通信能力を持ち!」
「おまけにただでさえ優れた攻撃能力を持つ炎の精霊の増幅効果まで持った風の精霊」
「この二人が付いているの」
「だから私は精霊石があってという縛りがあるものの、射程距離と命中精度、威力には絶対の自信を持ってるの!」
「精霊は一人付いてくれるだけでも圧倒的希少!」
「とんでもなく有利なの!」
「それが二人よ!二人!」
「さらに神魔弓士にとって炎と風、この組み合わせは相性と複合効果諸々合わせてこれ以上ない組み合わせよ!」
「だから私は!私達はどんな相手にも負けない絶対的な射程を持ってるの!」
「だっぽう!」
「だっぴゅう!」
「は、はあ…」
「はあ、とか間抜けな声出してんじゃないわよ!」
「今の説明聞いてたら分かったでしょ!?」
「私達には仲間、特にアンタみたいなライジャー流だので喜んで、やあやあ我こそは!」
「ってキンキン!キンキン!チャンバラごっこをやってる前衛は全く必要ないの!」
「いいえ必要ないどころか!いざ戦いとなれば私は射線確保や居場所隠蔽のためにすぐに動くわ!」
「そん時、愚図で鈍間なイズサン!」
「アンタついて来れるの?」
「ついて来れないんじゃあメリットどころかこれ以上ないハンデよ!」
「百歩譲って!」
「あの変態チビなら動きだけは素早いみたいだし、絶対にやんないけど頭の上で運んでやる事も出来るわ!」
「頭の上が嫌ならまた、そのおムネの中に入って運んでもらってもいいおw!」
「そうすれば見た目だけはデッカく…」
「爆風花!」
ズゴーーーーーーン!
「ぐわあああああああああああああ!」
ペナペナペナ…
今度は直撃弾!
あっという間にちゅん助が潰れてペラペラに!この場に居る誰もちゅん助!大丈夫か!と声すらかけないのが逆に凄い!
「という事で」
「イズサン!」
「仲間になるならないの最大の懸念事項は!」
「アンタなのよ!」
「うう!」
第八話
その4 懸念事項はアンタなのよ
終わり




