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更新停止中 イズちゅん  作者: ちゅん助の!
第八章 俺が必死こいて試験受けてるのに、ちゅん助…お前、なにやってんの…?
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第八話 その1 賑やかな朝食

第八話 その1 賑やかな朝食


 グソクの襲撃、あれから3日が経った。

俺とちゅん助は疲れ切って、この間、ほぼ街中を出歩く事は出来なかった。


 街は全滅したかのように感じていたが、ガリンの街の住民は、強かに生き抜いており、最初の2日間は絶望と悲しみに溢れた空気が蔓延していたが、3日目となると力強く復興への道のりを歩きだしているのが感じられる様になった。

 医療や安全といった元の世界では最重要視される事柄が、この世界ではまだまだ認識が軽く


「人が死ぬ」


という事象は元の世界より、はるかに簡単に起こりうるモノであり、その分、死は受け入れやすいものなのかもしれなかった。


「よくある事」


 その一言で片付けられる…


 これがわが祖国、日本であったなら心の傷が癒えるまで数ヶ月、人によっては数年の、いやもっと長い年月を要するのは間違いない所だが、ここでは3日も経てば元どおり、誰かの歌の歌詞が、現実であるかのようだった。


 人の死が軽い―――


 この事実は、俺にとってはとても恐ろしい事実でもあった。何故ならここでは死が簡単に訪れる、それは俺も例外ではなかったからだ。

しかも!ティアエリクスとかいうおっそろしくも得体のしれない魔女!に抹殺宣言を受けているのだ…


 これは殺される前にさっさと元の世界に戻る道筋を立てねば…


しかし、一体どうやって…?この世界に飛ばされた理由すら分かってはいないのだ…


 窓の外に目をやるとまた一つ、布に覆われた遺体が粛々と運ばれていく。


 皮肉なものだ…簡単に訪れる死の淵、そこに最も近づいていたはずの、いいや!片足を突っ込んでいた俺とちゅん助が生き残り、俺達に比べれば死の淵から離れていたはずの街の住民が、数えきれない程あの世へと旅立って行ったのだ。

この現実はどこに居ても死ぬ時は死ぬ、そう教えられている様だった。


 また一つ、布に覆われた遺体が悲しみを引き連れて街の通りを運ばれていく。その向こう側では逞しくも商いを再開した店の姿があり、小さな賑わいを見せていた。

 残酷なほどの光と影のコントラスト…他人の悲しみなど、縁者でもない限り、即座に忘れ去られ、再び世界は動いていく…


 いや、それ以上に襲撃事件前より賑わっている場所すらあった。


 その場所は…


 俺の目の前、朝食のテーブルの上で、奇妙な生き物が得意気になって、さっきからホラを吹きまくっている…


「その時!わしはこう言ったんや!」

「イズサン!貴様!この街の住民が皆殺しにされるかもしれんのに!」

「真っ先に裸足で逃げ出そうと言うのかお!」

「貴様!それでも誇りある日本男児かお!」

「恥を知れ!」

「おまえが逃げて行こうとも、わしはたった一人でも街に残り」

「一人でも多くの住民を助けてみせるお!」

「なに?死ぬかもしれない?」

「武士道とは死ぬことと見つけたり!」

「なあに!大和魂が守ってくれるお!」

「その時!歴史が動いた!」

「天令を受けし勇者は強く丈夫な身体を与えられたのにも関わらず!」

「卑怯にも逃亡を図り!」

「なにも持たされないどころか!小さく!か弱い体しか与えられなかったわしは戦う事を選んだのだお!」

「そう!天令は間違っていた!」

「真の勇者はわしだったのだ!デデンデンデン!」


「ウソだッピュwww!」

「ウソだっポウウウwwww!」


「嘘じゃないお!アニメじゃない♪アニメじゃない♪ホントのこおとさあ~!♪」


「1ミリもあってないッポオオオオwww!」

「だいたい!ぶしどーとかあにめとかわけわからないっぴゅうwwww!」


「そのへんはふいんきで捉えるんだお!ふいんきで!」

「ちっさい事は気にすんな!そ~れわかこち~♪わかこち~♪」


「小さくないッポwwwなにもかもまちがってるっポwww」

「おおうそたこまるまるだっぴゅうwwwで!?で?で!?そのあとどうなったぴゅうwww?」


 嘘タコ○○(うそたこまるまる)はちゅん助が言うところの嘘八百の事らしいのだが、嘘八百の意味すら知らないであろうウィンドミルがさも愉快気に使いこなしている…


「うむ!勇者わしと御付きの臆病者は困難の末に!」

「ついにグソクの謎を突き止め、そのボス!」

「全長100mはあろうかという巨大な魔物!」

「超ダイオウグソクと対峙する事となったお!」

「ひえー!たーすけてー!」

「臆病者はなっさけない声をあげて!」

「ふぁふぁーん!泣いてる音!」

「とか口で訳の分からん奇声を発しながら逃げ回ったお!」

「一方わしは即座に、即席の防衛部隊を編成し!」

「次々と的確な指示を飛ばし果敢にダイオウに戦いを挑んだのだお!」

「しかし!」

「あれほどのデカ物と戦うのは!」

「本土上空3万メートル!」

「永久のゼロ!」

「単機でB29を墜とした時!以来やったわw!」


「ウソつくなっポオオオオオーーーーwwwいくらなんでもそこまでデカくなかったポオオオwwww!」

「びーにじゅくとか!いみわからんぴゅうwwwで?で!?それで!そのあとどうなったぴゅうwww?」


(ゼロ戦もB29もそんな高いとこ飛べんだろうが…)


「ふん!おまえらは崖の上におったらしいではないか!崖上から見ると小さく見えるものだお!」


風連図フレンズでちゃんと見てたっぴゅう!」


「いいや!今思い出すと300mはあったお!」

「あれほどデカ物と戦うのは太平洋上!」

「駆逐艦一隻でエンタープライズを撃沈した時!以来やったわw!」

「あーれー!」

「なっさけない悲鳴がした方を見ると、なんと!」

「臆病者があっさりダイオウに捕まっておるではないか!?」

「なんという役立たず!」

「クッ!」

「しかし!」

「役立たずの能無し臆病者でも我が従者!見捨てるわけにはいかぬ!」

「勇者ちゅん助に決断の時が迫っていたお!」


「うそだあああっピュウーーーーーwwww!どんどんドデカくなってるぴゅううううwww!」

「だいたい!たいへよーとか、ちくちくかんとか、えんたらぷらーずとかいみわからんっぴゅうw!」


「うそだっッポオオオオwwww!オマエはとちゅうで完全にせんせんりだつしてたっぽう!wwww」

「それで?それで?そっからどうなったッポ!?どうなるっぽ!?」


「なっさけない!従者イズサンのピンチ!」

「この最大の危機的状況で勇者ちゅん助の真の力が覚醒するお!」

「この命に代えても!街とイズサンはわしが護ってみせる!」


「ウソつくなッポオオオオ!wwwねつぞうというやつだっポオオオwww!」

「ウソオクトパまるまるだっぴゅうwwww!わいきょくというやつだぴゅうw!」


「嘘じゃないお!」

「これは真のジャーナリズムを持つ戦場じゃあなりすと!」

「ちゅん助による魂の偽りなき取材記録に基づいて!」

「一部脚色を交えて絶賛、報道中なんだお!」

「どきゅめんとだお!のんふぃくしょんだお!」


(ちゅん助の話の中で俺は常に…)

(あれー!とか、ひえー!とか、おーたーすけー!とか言って逃げ回るだけの…)

(全くの腰抜けで、とてつもない無能として描かれていた…)

(元の世界で我が国のマスコミは捏造や偏向報道のオンパレードで、真実が伝えられない!誠に忌々しきことだお!)

(などと常に嘆いていたくせに、この振る舞い…)

(国の在り方が歪められていく様子が、目の前の光景を見ていると非常に良く分かる気がする…)

(ちゅん助の手にかかれば、話は尾ひれ背びれがあらぬところに付いて、終いには魚が変わっているのだ…)


「みよ!この命の!魂の燃える輝き!」

「なんと!?勇者ちゅん助の体が黄金に輝く!」

「輝けるわしの拳こそは過去・現在・未来を通じ戦場に散りゆく数多の兵たちが今際の際に懐く哀しくも誇り高き夢!」

「その意志を繋ぎて掲げその旭日の信義を貫けと糾し今!常勝の勇者は高らかに放つ奇跡の真名を謳う其は・・・」


(どっかで聞いた様な…)


「式惣不敗は王者の風お!」


(いつもの奴の流れに戻ったな…)


「白き時代を赤く染め!」


(そーいやー、何十年かの時を超え遂にアスカの時代が来た!)

(公式投票でも国営放送の人気投票でアスカが堂々の一位だお!ってしつこくメール送ってきたなあ…)


 お決まりのちょー長ゼリフが終わってよ~やく、出せもしない必殺技が放たれそうだった…


「ひぃっさあああああつ!」


「きぃたあああああああピュウウウウウwwwwww!」

「まってたっポオオオオオオオーーーーーw!」








「炸裂はCMのあと!」








「ズコッーーーーーピュウウウウウwwwwww!」

「ズコぉおおおおーーっポオオオオオオオwwww!」


「ちゅんすけっ!どうしてそうなるッピュ!w」


「いちばんいいとこだっポウ!w」

「だいたいしーえむってなんだっポオ?w」


「ふんw!」

「貴様らには到底理解のおよばん領域だお!」

「CMの前に必殺技が発動してしまうのはフラグだお!」

「破られるフラグだお!暴発と言っても良いおw」

「これは!必ず守らなければならない鉄則と言っても過言ではないおッ!」

「人それを!」

「お約束と呼ぶお!」


(いや炎風コンビよ…CMのあと!の持ちネタはこの3日間、ちゅん助によって飽きる程、聞かされてきただろうが…)


「そんなやくそくはないっピュウww!」

「やくそくまでねつぞうするっぽうw!」


 嘘だ!捏造だ!とか大騒ぎして批判しているのに、意外にもこのコンビはちゅん助の100%濃縮無還元の作り話に喰い付いて異様なまでに熱中しており、

ちゅん助が嘘つけばつく程、また、その嘘が大きければ大きい程!


「ぴゅううううーwwwww!」


とか


「ぽおおおおおーwwww!」


とかの奇声を発しては大喜びし、ブンブンブンブンと黄色いクソの周りをうんこバエのように狂った様に飛び回っては…


「つぎはどうなるぴゅ?」

「どうなるっぽ?どうなるっぽ?」


と続きをせがんでいるのだ…


 ちゅん助のくっだらない小話に散々呆れさせられてきた俺にとっては、彼らの反応が信じ難い…


(一つも面白くないだろ…)


 そして、さらにはちゅん助が、そのうそんこ話の中で大人しくさっさと必殺技を炸裂させたらさせたで、炎風コンビときたら


「ズコッポオオオオオオwwww!!!!なぜおやくそくをやぶるッポオオオオwww!!!」

「ズコピュウウウウウwww!!!!ちゅんすけえ!オマエはわびさびというやつがまったくわかってない奴ピュウウウウwww!!!」


とそれはそれで大喜びした上に大騒ぎなのだ…


 そう…


 信じられんことにこの馬鹿々々し過ぎるお話が、どっちに転んでも大喜びなのだ!


 恐ろしい事に、ちゅん助はちゅん助でそれを小賢しく把握しており、時に勿体ぶり、時に即発動させたりして炎風コンビを良い様に手のひらで踊らせて興奮させては得意気になって、嘘八百のお話を毎日飽きもせず吹聴しているのであった…


 第八話

 その1 賑やかな朝食

 終わり

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