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更新停止中 イズちゅん  作者: ちゅん助の!
第七章 天令の勇者 vs 白き魔王 羽はどちらの天秤に
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第七話 その13 ナイフ

第七話 その13 ナイフ


 重そうに足を引きずって去って行く、アスリの痛々しい姿が見えなくなるまで、俺達はその背中を見つめていた。

 その背中には、そんな痛々しい姿でもまばゆいばかりの神々しさがあった。


 傷ついているのは俺達も同じだった、激しい戦いをなんとか生き残ったが、数時間眠っただけでは回復などしきれていない。

 そろそろ俺もちゅん助も限界なので、宿、もしくは教会にでも寝床を求めようという事になった。


 グソクの襲撃を受けた街はまだまだ混乱の中にあったが幸いグソク一匹一匹の攻撃は大したことがないので、多くの人命は落ちたが建造物自体は火事が起こった場所以外の被害は軽微で済んでいそうだった。

 街の宿は混乱の最中であるし、今後のために街の機能がどれほどのダメージを受けているか?の確認も兼ねて、その機能の中枢である教会の状態だけは確認しておきたい、そう意見が一致し俺達は教会に足を運ぶ事となった。


 完全に危機が去ったかどうか、それは誰にも分からない、であれば街で一番強固な防衛ラインが敷かれていたと考えられるのは教会である。

 あんな目に遭うのは御免被りたいので、今日だけでもその防衛ラインの内側で眠りたい、そんな思いと


「わしには特別信者の刻印があるんだおw」

「寝床の一つや二つ!強引にねじ込んだるおw」


という刻印を株主優待か、VIPカード特典かなんかと勘違いしているちゅん助の権利行使したいしたい病に付き合ってやる、そういう心情だった。


 いや…今日だけは許す!


 と言うか…


 徹底的に行使しろ!


 俺達にはそれくらいの権利があるはずだ!そんな思いで歩を進め、やがて教会が見えた。


「勇者様!勇者様ではありませんか!やはり!いいえ!良くぞ御無事で!」


 教会の入り口が見え始めた頃、後方から女性の声が聞こえた。

 はて…この俺を呼んだと思わしき声の主は、一体?


 そう思いながら振り返ると手を大きく振りながら駆け寄って来る女性の姿が視界に入った。


 見覚えのある女性だった。白を基調とした服装に大量の赤グソクの体液の返り血を浴びた、グソク侵攻の混乱初期に俺達が助けたあの女性だった。


「おお!イズサン!あの女性も助かった様だお!教会まで送れんかったから少し気にしとったお!」


「そうだな…」


 女性は手を振りながら俺達に駆け寄って来る。

 白い肌、あの時は青ざめていて如何にも体調が悪そうな色に見えたが、街の混乱が収まったからか、その表情は明るい様に見えた。


「勇者様!」


 女性はすぐ傍まで駆け寄ったとのに、なおも勢いよく駆け寄って来る!

 おいおい!飛びついて抱き付きそうな勢いじゃないか!


「お嬢さん!わしら今、ちょー臭いんだお!」

「それ以上寄らん方が…」


 ちゅん助が警告を発するが女性は構うもんですか!とばかりにさらに寄って来る、身近で見るとその女性の肌は美しかった、透き通るような白、


 妖しいまでの白い肌…


「勇者様…」


 キラッ!

 ドスッ!!!!


「え!?」


 抱き付く直前、腰で隠していた女性の右手にキラリと光るものがあった、危険な輝きを放つ、鋭利な…






 ナイフ!






「イズサーーーーーーン!」


 ちゅん助の叫び声が渇いた空に響き渡った。


第七話 

その13 ナイフ

終わり

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