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更新停止中 イズちゅん  作者: ちゅん助の!
第七章 天令の勇者 vs 白き魔王 羽はどちらの天秤に
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第七話 その12 糞土下座!

 第七話 その12 糞土下座!


「お前!カッコいいこと言ってるつもりだろうが言ってる事!ただのストーカーだからな!」

「高らかにストーカー宣言をすんじゃねえ!」


「ぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!」


 もう勘弁ならん!そんな感じで少女の顔が真っ赤になった、当然の反応である…


 もう知らん、知らんからな!ちゅん助…


「あっはっはっはっはっはっはーーーーーー!」


「!?」

「!?」


 今にも爆発するかと思われた少女は、爆発ではなく爆笑にも似た笑い声を上げた。


「過去にもしつこい奴はいたけど!」

「どいつもこいつも下心見え見えなのに!私の腕を見込んでだの、背中を守って欲しいだの!」

「いかにも紳士ヅラした奴ばっかだったわ!」

「なのに!アンタときたら!呆れるほど!これほどまでに!」

「ドストレートにここまで言われたのは初めてだわ!」

「いいわ!わかった、そこまで言うなら考えてあげる!」

「そうねえ…」


「そこまで啖呵切ったなら…」

「そこの汚水溜り見える?」

「馬やら犬やらの糞尿で、これ以上ないくっさいくっさい臭いがここまで臭ってる!」

「ホントっ鼻が曲がるわよね!」

「あんたの言うその思いが、そこまで言うほど強いならあの糞尿の中に顔ツッコんで!」

「土下座して私が良いと言うまで!頼み込んでみなさいよ!」

「なに?できないの?」

「男のプライドが~とか言うわけ?結局、あんたの情熱なんてその程度…」


 いけない少女よ!そんな事を言っては!ちゅん助は!奴は!


 手遅れだった…


 パシャ!


「………は?」

「………ぽ?」

「………ぴ?」



 突然鳴り響いた水面を叩く音の方に少女が目を向けると鼻が曲がる汚臭を放つ汚水溜まりの底まで顔を!

 いや全身を突っ込んだちゅん助の姿が飛び込んできた!


「は!?は?はああああああああ!?????」

「ちょ!?アンタ!ナニを!?」


「ブクブフブク…仲間に…なってください…だお!ブクブク!」


「ちょっとおおお!馬鹿にも程ってものが!」

「コイツにはなかったっぽ!?」

「きかくがいのバカだぴゅう!」


 少女はちゅん助という男の恐ろしさを…


 この男の中の狂気を… 


 いや恐ろしいちゅん助という男の中における自らの価値を、その価値のあまりの高さを理解していなかった…


 恐らく100兆円とこの美少女を並べられても、あの金にがめついちゅん助が一瞬の迷いも逡巡も戸惑いもなく、美少女の元に走る事だろう!

それくらいの価値だった。


 いや、ちゅん助が金にがめついのは確かだが、その点については彼の人生で欲しはしたが、それほどの苦労はしていない、逆にまあまあ思い通りになった方であった。


 が!


美少女関連は?


と言うと何一つ望むものを手に入れられなかった男である。(まあ俺も似たようなものだが)

 

 それが今、彼の目の前には彼の理想と欲望を魔法で現実にしたような女の子が居るのだ!

 100兆円以上の時価を前にして糞まみれになる事など彼にしてみれば何の抵抗もないのだ!


 彼女は完全に其処を見誤った、出来もしないだろうと思って要求した糞まみれ土下座は、なんの障壁にもならなかったのだ!


「アンタ!バカあ!?冗談を本気にしないで!」


「ブクブク…仲間になってくれだお…ブクブク!」

「良いというまで土下座するんだお!ブクブクブク…」


 ちゅん助は土下座しているつもりらしいが身体構造上、土下座と言うより体を丸ごと汚水溜まりに突っ込んでいるようにしか見えないが…


「だから!それは!その言葉の綾で…」


「頼むお!ブクブク!うぷっ!」


 小さな体で顔のほぼ全面が汚水に浸かっている!


 限界が近いように見えた!


 なんという!なんというエロの意地!

 この男の行動のモチベーションの源はエロ!エロでしかないのだ!

 

 溢れる程の!


 動機はどうあれ見上げた意地であった!

 俺は同じ男として!男として尊敬の念を隠すことが出来なかった!

 汚物まみれのちゅん助が逆に神々しく見えたほどだった!(んな訳無いが…)


「ウブブ!イズサン…どうやら…わしはここまでのようだお…」

「おまえなら今すぐにでもわしを抱き上げて助けたい!そう思ってくれている事だろうお…」

「だが!おまえはそれをしなかった!ブクブク!」

「感謝するお!」

「わしを!」

「わしを男として逝かせてくれて!ブクブク!」

「イズサン!」

「おまえはあ!」

「おまえこそは!」

「我が友だった!ブクブク!」

「生涯!」

「ただ一人の!」

「ブクブクブク!」

「頼みがある!」

「わしの家族にブクブク!」

「わしは!ブクブク!」

「岩間健は!ブクブク!」

「愛のために死んだ!」

「そう伝えてくれお!ブクブク!」


「ああ!分かってるさ!」

「出来る事なら今すぐにでも!この手でお前を抱き上げたい!(臭くて嫌だけど!)」

「だが!それは許されん!」

「お前ほどの男が命を賭けた!」

「その高貴なる魂!」

「誰に止めることが許されようかッ!」

「友として最期の瞬間をしかと見届ける!」

(アホらしくて嫌だけど…)

「それが!」

「お前に!」

「死にゆくお前にしてやれる!」

「友としての最後の手向けだ!」

(まあ、この際…存分に逝って下さい!)


「さらば友よ!」

「さらば友お!」


「東郷神社で会おう!」

「東郷神社で会おうお!ブクブクブクブクブク!」


 敬礼!

 ビシッ!


 俺は溢れる涙を抑えることが出来なかった…

俺は人生で初めて知った、涙とは悲しい時や嬉しい時、痛い時だけに溢れ出るモノではないという事を…


 そう、涙は呆れの頂点でも分泌されるものだったのだ…


「あーーーーーーーーーーほーーーーーーーーーかーーーー!」

「あーーーーーーーーーーほーーーーーーーーーぴゅーーー!」

「あーーーーーーーーーーほーーーーーーーーーっぽーーー!」


 堪らず少女達の絶叫が響き渡った!


「わーーーーーーーかったわよ!約束通り考えてあげるわよ!」


「ホントかお…?ブクブク…」


「は!?アンタと違って嘘は言わないわよ!」


「ホントにホントかお…?ブクブクブク…」


「シツコイわよ!ホントに決まってんでしょ!」


「………ううっ」

「わしは…」

「わしは嬉しいお!」

「ブクァぷふぁーん!(←糞まみれで泣いている音)」

「アスカアアアアアア!」


 ダダダダダ!


「ちょ!ちょっと!アンタまさか!」

「やめなさい!止まって!」

「ちょ!!!ダメ!それだけはイヤ!イヤアアア!」


 糞まみれのちゅん助の突進を受け少女は悲鳴を上げた…(臭そう)


「いやああああ!くさあああああい!」

「お!オブツはしょうどくだっポーーーー!」

「お!お引き取り下さい!くされ神サマぴゅーーーー!」


「アスカアア!うれしいお!わしはうれしいお!」


 グルグルグル!


 少女の腹で汚物が蠢いた!


「ぎゃあああああ!なすりつけるなああああ!くさあああい!」


「アスカ!臭いだと!そういうお主も…むむ!匂う!匂うお!」


「アンタが臭いんでしょうが!」


「いいや!これは!はっ!アスカ!まさか!クンクンだお!クンクン!クンプクンプ!」


「嗅ぐなあああ!あとアスカじゃなああああああい!」


 ガシッ!

 バビューーーン!


 バチャーーーコーーーーン!

「ぐえっ!」

「ぐあああ!」


 やはりそうなるか…少女の汚物球、全力火の玉ストレートが俺の顔面に炸裂する!


「Q~」

「くせええええええ!」


「まったく!アンタは!アンタらには!どうやら厳しい指導が必要のようね!!!!!」

「しつけがひつようだっピュ!」

「エロピヨはちょうきょうだっポ!」


「ふん!今日はほんっっとっに散々だったわ!」

「まあいいわ!」

「私は」

「アスアス・カ・リッサ!」

「神魔弓士よ!」


「アスアス・カ・リッサ?」

「アスアス・カ?」

「アス…カ?」

「やっぱりアスカだお!?アスカアアアアア!」


 ダダダダダダ!

 グシャ!

 ジタバタジタバタ!


「何べんもアスカじゃないって言ってるわよね?」


「アホがつぶされたところでボクはファイアストン!ほのおのせいれいだっポ!」

「ワタシ、ウィンドミル!かぜのせーれーだッピュ!」


「俺は泉輝…いずみなのでイズサンって呼ばれてるけど…」


「三波春夫だお!」


「………ソイツはいわま…いや、ちゅん助だ」


 バカッ!

「ぐはあっ!」

 パシ!


 少女が潰れた汚物を蹴り飛ばすと俺が胸でキャッチする、今日は入念に風呂に入らなくては…


「その汚物によく言っといて!」

「私はアスカじゃない!」

「変な略し方しないで!」

「略すなら…」

「特別に許したげる!」


「アスリ!」

「アスリよ!」


 ほんの少しだったがニコリと笑ってその少女、アスリは言った。


 その微笑みはやはり女神見えた。


 血と傷と火傷と


 汚物まみれではあったが…


「じゃあね!」

「じゃあぽ!」

「じゃあぴ!」


 そう言うとアスリは身を翻して去って行った。


「ありがとう!今日は本当にありがとう!君のお陰で助かった!君のお陰で俺達は生きている!」

「俺は何もできなかったけど!」

「君のお陰で!」

「本当に!」

「助かった!」

「ありがとう!本当にありがとう!」


 振り返らないアスリの背中に俺は大声で叫んだ。


(そうね…イズサン、確かにアンタの実力は見るべきものはなんにもないわ…)

(でも、逆に何にもないくせによくここまで状況をひっくり返したわ…)

(結果的にとどめは私が刺した)

(あの状況下で私達以外に仕留められる奴は居なかった、それは間違いない…)


(でも!)


(この結果を導き出した最初の一歩は…)

(間違いなく!)




(街に残る!)





(アンタがそう言ったからよ!)


(不思議な奴等よね…)

(あいつ等についてけば、ひょっとしたら…)

(私の望む結果も導けるのだろうか…)

(まさかね…)


 第七話

 その12 糞土下座!

 終わり

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