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更新停止中 イズちゅん  作者: ちゅん助の!
第六章 死闘!時計塔広場攻防戦!
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第六話 その19 崖上の離脱者(エスケーパー)

 第六話 その19 崖上の離脱者エスケーパー


「ギギギーーーーーーーーーーーーーー!」



 統率を取り出した俺達の勢いを感じたのか、青大将が吼えた。

 周囲へのグソクの群れが厚くなり出した。核蟲が危機の芽を感じ取って即座に対応したのだった。


「うわあ!」

「ぎゃああ!」


 取り付いた人間へ攻撃目標を変更し二人が引き剥がされた!


「クソ!」


 折角このデカ物の向きが変わり始めたのだ、こちらも対応せねば!


「親父!武器屋の親父!来てくれえ!」


「おう!勇者のあんちゃん!なんだー!」


「こっちの防衛ラインの指揮を執ってくれ!」


「指揮だって!?そんなもんやった事ねえぞ!」


「だから何だ!街が滅亡の危機に瀕してるってのにやった事がないからやれない!お前はそう言うのかッ!」


「………」


 アリセイでトニーガに言われた事を使わせてもらったぜ!


「だったらいつやるんだ!今でしょ!」


「……おう!ちげえねえ!」


「簡単だ!俺の言う事を周囲の奴等に徹底させてくれ!伝達し守らせる!そんだけだ!」


「な、何でも言ってくれ!!」


「このデカ物に取り付けた奴以外は青いグソクの補充、合体を防ぐことを最優先にしてくれ!」


「おう!分かったぜ!」


「赤い奴等に剣やら槍やらは駄目だ!」

「武器が体液に侵されて使えなくなる!」


「なんだって!?だ、打撃武器で、そう言う事だな!」


「そうだ!そう言う事だ!」

「あと黄色!そいつらは倒したら駄目だ!体液に幻惑の成分がある!倒すと現場が混乱するぞ!」


「そんな事が!?なんとか徹底させるぜ!」


「頼むぞ親父!」


「わ、分かった!勇者のあんちゃんももう少し頑張ってくれ!喰われるんじゃねーぜ!」


「俺ももうヤバイ!もうヤバイんだ!」

「正直!」

「頑張ってほしいのはアンタらの方だぞ!」


「それを言うなって!」


 武器屋の親父は俺の指示を手短ではあったが真剣に聞き入れ周囲にふれて回った。


「そ、それと少年!お前は離脱しろ!」


「嫌です!勇者様!僕はやらなくちゃ!コイツをたおさなきゃ!いけないんだ!」


「ああ!そうだよ!だから言ってるんだ!」


「え!?」


「力の弱いお前がそこに取り付いて押したところで一人分のスペースが無駄になるんだ!」


「うう…」


「適材適所と言うだろ!お前の持ち場はそこじゃねえ!」


「……」


「今の話は聞いていたな!?」

「お前に頼みがある!」

「黄色だ!」

「黄色のグソクを取り除いて回れ!」

「黄色は最も弱くて鈍いが1匹でも斬ってしまえばせっかくの反転攻勢が無駄になるかもしれない危険な奴だ!」

「倒そうとしてる奴が居たら警告して回れ!」

「お前は身軽だ!出来るな!?」


「ぼ、僕は…」


「頼む少年!」


「分かりました!勇者様!黄色い奴を1匹だって斬らせないよ!」


「そうだ!これはお前にしかできない!頼むぞ!」


「はい!」


 少年は返事をすると黄色の除外に奔走した。


「だめだあー!そこの人!黄色は斬っちゃだめだあ!」


(それでいい!それでいいんだ!少年!向きを変えるのは俺達大人の仕事だ!)


 ズズ…


「動いている!動いているぞ!」


 今度は気のせいではない!まだ少しではあったが確実に動いた!動いたのを実感出来る位、動いたのだ!



 動いたのだ!!!!!



「押せええええええええええええー!お前ら!死ぬ気で押せー!」


「ギギギギー!」


 俺と核蟲、必死の指示合戦が続く!

 戦況は均衡しているが先程までと違うのは、こちら側は女子供まで入り混じって徹底抗戦の構えなのだ!


 動く!動く!青大将が押されて動いていく!


 いくらグソク側の戦力が膨大であろうとも、この広場に押し込める量は物理的に決まっているのだ!

 最強の青を装甲に多数使用している以上、広場での向こうの主力は灰!統率の取れ始めた人間の敵ではないはずだ!


 ズズズー!

 10度!


 ズッ!ズズズ!

 さらに20度!


 ズサッ!ズズズズーーー!

 さらにさらに30度!


 計60度稼いだ! 


 核蟲が神魔弓士の待ち構える射線へと向きを変える!


 あと120度!あと120度動かせば俺達の勝ちなのだ!



 勝ちなのだ!



 しかし、たった60度回頭させるだけでもこの困難さ…わかってはいたが想像以上に厄介だった。

 だが、俺がその事実を顔に出したり匂わすわけにはいかない!

 あくまで、達成可能な目標として皆を鼓舞せねばッ!


「いいか!皆!今まで動かした分の!」

「あと二回分!たった二回分動かせば!俺達の勝ちだあ!」


 俺の檄にオオ!という応声が上がる!いいぞ!いい雰囲気だ!


 確実に目標に近付いているという事を教えて、やる気を!士気を高めねば!


「押せー!死ぬ気で!」

「青の補充だけは絶対防げ!」

「赤は打撃!」

「黄色は取り除けえ!」


 自らの役割を果たすために、そこらじゅうで俺の指示が復唱されている!


「皆!いいぞ!目の前の事!自分が今出来る事に集中しろ-!」


 そうだ!


 まとまって来やがった!


 ここに来てまとまって来やがったぞ!


 人間役割を与えれば出来るのだ!


 命令に従ってるだけのグソクどもとは違う!もう一押しせねば!


「頭を使えー!皆!頭を使えー!使えない奴はひたすら頑張れー!」


「勇者様!オラは頭が悪いべ!だからオラは身体を使うべ!」


 一人の男が、そう言って右手側に入ると青大将に額を擦り付ける様にして必死の形相で押し始めた。


「ハッ!結局頭使ってるじゃん!」

「それでいいんだよ!出来ない事をするなあ!」

「皆出来る事!己が今できることを!必死こいてやれえ!」


 ズッ!


 そしてまた10度!


 ゆっくりだが確実に青大将を回頭しているのだ!


 行けるぞ!このままなら行けるぞ!









「ぴゅー!ピュウウウ~!動いてるッピュー!動いてるッピュウウー♪」

「あのかいぶつの横っちょが見え始めたっぴゅううううう!」


 神魔弓士の周りを狂喜して旋風が舞っていた。だが広場の映像を眺める神魔弓士の表情は険しく、小さな炎も絞り出す様な声で言った。


「信じられない…あんなのが人力で動き始めた…でも…」


「だ、駄目だっぽ…とても間に合わないっぽう…」


「な?なんでだっぴゅ?アイツはがんばってるっぴゅう!かいぶつも向き変え始めたっぴゅう!」


「確かに、確かにこのまま行けば時間さえあればこっちを向かせられるでしょうね…」


「ぴゅ!?」


「もうここも危ないんだっぽう…」


「その様ね…」


 少女と炎が後ろの闇を振り返ると微かだがガサガサという不快な足音が確かに聞こえていた。


「ピュ!ピュウウ!」


「ファイアン…アイツの…間抜けな勇者様の…」

「このままのペースで、ここが埋め尽くされるまでにこっちを向かせられると思う?」


「むりだっポウ…ペースが遅すぎるっぽ…」

「いいや、アイツはがんばってるっポ!」

「凄くがんばってると思うッポ!」

「でも…よそう以上にアイツらが上がってくるペースが速いっポ!」


「ぴゅ!?そんなっピュウ!」


「同感ね…確実に動かしてる、あのギリギリの状況下で自分の身すら危ないのに立派に指揮して怪物を…いいえ、周りの連中を動かしてる」

「それは驚嘆に値すると思うわ」


「でもッポ…」


 再び背後の闇を振り返ると、闇に塗られて黒光りする光を放つ灰の邪悪な赤い眼光の軍勢が目視できるほどまでに迫っていた…


「精霊石が無い以上、奴等の大群を追い払う手段が無いのよ」

「今ここで無防備なアレの発射体勢に入れば…」

「街の連中よりこっちが先にお陀仏よ…」


 神魔弓士は苦々しい表情を浮かべて画面を注視し続ける。

 画面には必死に捕食の危機に抗いながら檄を飛ばし続けるイズサンの姿を捉えていた。
















「頭を使ええええ!」

「各自で出来る事をしろおおおお!」

「ゆっくりでも!確実に動かすんだあ!」

「自分の頭で考えろ!人に頼るんじゃねえ!」

「思いついたら!何でもやってみろ!」

「各自で!」

「各自で考えて!」

「1度でも!」

「たった1度でもいい!」

「角度を稼ぐんだあ!」

「皆で!」

「皆で力を合わせて!」

「コイツを!」

「時計台に!」

「向かせろおおおお!」

「皆で!」

「皆で!」

「頭を使って!稼げええ!角度を稼げえええええ!」

















 ガサガサガサ…!

 グサッ!


 遂に少女の足元に灰色の軍勢が迫った!少女は最も足元に接近した1匹に槍を突き立てて言った。


「現時刻を以って、ここは放棄するわ!」


「ぴゅう…」

「ぽぅ…」


 旋風も小炎も異議を申し立てられるはずもなく従う他は無かった…


「撤収!」


 少女はマントを翻すと高台から風の様に去り、攻撃目標を失った灰色達は崖上で方向感なく蠢き続けるのだった。


「私も…無駄死にするわけにはいかないの…」

「運が、運が無かったわね…間抜け…」


 最後の希望…

 

 唯一の対抗手段…




  

 儚く







 崖上から消えた…





「皆で!」

「皆で!」

「頭を使って!稼げええ!角度を稼げえええええ!」


そうとは知らないイズサンの必死の叫び声が虚しく響き渡るのだった。



 第六話

 その19 崖上の離脱者エスケーパー

 終わり


エンドカード!

挿絵(By みてみん)

イラスト絵師 つちみや様

(skebにて依頼)

「おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーー!!!!!」


「なにかお?」


「なにかお?じゃなあああああああい!」

「なんてカッコ!そしてポーズをさせるのよ!!!???」


「素晴らしき肢体と柔軟性w」

「おまえさんも見せたがりよのうw」


「見せたがりよのうwじゃ!ないわよ!!!」

「一体アンタッ!いくつこんなイラストを!」

「ふざけんじゃないわよッ!」


「ふざけてるのはそっちだお!」

「わしらを見すてて離脱した罰だお罰www」


「バカ言うんじゃないわよ!」

「残ったのはそっちの勝手でしょうがッ!」

「こっちも危ないのよ!!!」


「次逃げたら…」

「脱がすお♡www」


「ふざ、ふざ!ふざけんなああああああああああああああ!!!」

「絶対に脱がないわよ!」


「無駄おw」

「この手のイラストは神の意思(作者の嗜好)だおw!」

「絶対に逃れられないんだおwww!」


「うわああああああああああああああああ!!!」


「ヤフオクで打診して断られた絵師様から!」

「そう言う依頼はskebかSKIMAで頼むとよろしかと!」

「と、教えてもらって!」

「早速依頼してみたおw!」


「キサマッ!」

ガシッ!!!

「あと何人の絵師様に依頼したのよッ!」

「言えッ!言って見なさいよっ!」


「うぐぐ!くるしいwww」

「いっぱいwいっぱいだおw」

「いっぱい過ぎて数えきれないおwww」


「あ、アンンタアアアアアアア!!!」


「と、ともかく!skebで競泳水着ならこの絵師様!つちみや様だおw」


「だおwじゃ!なあああああああい!!!」


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