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更新停止中 イズちゅん  作者: ちゅん助の!
第六章 死闘!時計塔広場攻防戦!
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第六話 その14 崖上の測的手(スポッター)

 第六話 その14 崖上の測的手スポッター


「ちょっとお!ちょっと!ちょっと!あのチビ!何するつもりよ!」


「な!投げられたッポー!」


「上から狙うつもりッピュ!?」


「いけない!下からあんな攻撃!」


「直撃ッピュウ!エロぴよ!やられたッピュ~!」


「なんとか!なんとかしなさいよ!あの間抜け!」


「空中で立て直した!信じられないッポ!」


「やった!信じられない!」

「やったッピュ!」

「やったっポ~!」


「………」

「………」

「………」


「は?」

「ぽ?」

「ぴ?」





 ここでも時が止まっていた!






「なんで着火しないのよ!」

「木の実をうったようにみえたぴゅ…」

「いみふめいだっぽ…」


「でも!」

「みんながうごきを止めてるッポ!?」


「ちゃくちした位置がイイッピュ!もくひょうは目の前ッピュ!」


「今度こそ!今度こそ!着火よッ!!!撃てッ!!!」



「………」

「………」

「………」


「は?」

「ぽ?」

「ぴ?」





 ここでも時が凍っていた…





「アイツ!ブゥワカアアアアアアアア!!!???」

「目のまえのおっきなもくひょうをみごとに外したッポオオオオオ!!!」

「しあさってのほうにとんだピュウウウウウ!!!」


「で、でも!あれ!私たちが教会に送り届けた子じゃない!?」


「うまいッピュ!みごとこんらんじょうたいをかけぬけてるッピュ!」

「死角とふいを突いたッポオ!いけるッポ!!行くッポオオ!」


「やった!着火!着火したわよ!」

「もえあがったッポ!」

「おしりに火がついたピュ!でもでも!エロピヨなんで逃げないピュウ!?」


「なんですって!?」

「ああ!グソクたちに飲み込まれるッポオオ!」

「なにかっこつけてるピュウウウウ!?はよにげッピュ!」


「ああっ!」

「ピュウウウウウウウ!!!???」

「ポオオオオオオッ!!!???」


「飲まれた…飲まれたわね…?アイツ…」

「う、うごけないように見えたっぽ…」

「いっかんのおわりだぴゅう…」


「信じられない…なに?なんなの?アイツ…」

「あんな無茶して…」

「策も、実力も無い癖に…」

「あんな事しても何にもならないはずなのに!」

「なんなの?」

「バカも度を超してて意味不明なのよ!」

「気持ち悪い…心底気持ち悪いわ…」

「なんなの?アイツ…アイツらはッ!」


「ぴゅ…」

「ぽぅ…」













「ちゅんすけ~!ちゅんすけええええ!」


 俺は声の限りにちゅん助を呼ぶがもはや返事が無かった。


(くそ!こんな、こんな…バカな…!)


 ちゅん助は己の身を危険に晒して着火を成功させた(事にしておいてやろう!)のだ。


 が、その代償はあまりに大きい。


 あまりに大きかった。


 何故なら着火に成功したところで、いくら青大将がダイオウよりその身が小さいからと言って、肝心の魔王は爆人石弾地雷を耐えたのだ。着火したからと言って倒すに至るには程遠いのだ。


 ガレッタといい、ちゅん助といい俺に後を託して散っていった。だからといって俺にはその後どうするか?

 そんな策は一切、持ち合わせていないのだ…それどころか青大将に捕らえられたままの俺は魔王を倒すどころか、ちゅん助達の後を追う可能性の方が高い!


 いいや!そうなるのは時間の問題だった。

 

 これほどの犠牲…これほどの犠牲を払っても俺達はなお此奴には敵わない、それどころか勝ち筋の一つすら見えないのだ。


 厄介な期待と責務を託されたものだ…託された分、余計死にゆく時の心残りが大きくなってバツが悪い。


(ああ!駄目だ…腕が…腕が痺れる…ここまで、ここまでなのか?)


 またもや死の淵に立たされた俺の胸中に去来する思いは複雑なものばかりだった。


 ちゅん助の忠告に従ってあの子と逃げていれば…

 せめてあの子に頼み込んで一緒に戦ってもらっていればまだ何とかなったかもしれない…


 命を捨てて俺の身代わりになったガレッタ隊長、命を賭けてなりふり構わず(空気を読まず)着火を敢行したちゅん助。

 俺は両者になんら報いることなく、ここで死ぬのだ…


 彼らの思いが無駄になるのが悔しかった。


 いや、本当に腹立たしいのは、彼らが繋いでくれたこの状況なのに何もできないまま終わっていく俺自身の不甲斐なさであった。


 いいや!本当にこの状況下で悲しいのは、俺の様な一般人の能力しかない男を勇者と思い込んで、街を救ってくれると信じて身代わりになったガレッタ、世間が思い描く勇者の能力など持ち合わせていない事など最も知っているはずのちゅん助までもが着火すれば俺が何とかするであろう!と、この状況に酔って無駄死にしていった事だ!


 さらに言うなら、ほとんど何も出来ないこの街の奴らも腹立たしい!

 まさにクソッたれ野郎どもなのだ!

 そして俺はこの期に及んで、そいつらに毒づき責任転嫁するという、勇者とは程遠い一般人なのだ、狭小な男なのだ!


(なにが天令の勇者だ…)


 そう思うと悔しいやら…腹立たしいやら…哀しいやら…


 大体!


 俺が真の勇者なら!こういった状況に陥った時、漫画やアニメなら必ずや秘められし能力が覚醒したり、神に託されし武器が発動したり、頼りになる仲間やヒロインが助けに来るものなのだ!

 なのにこの世界ときたら、やたらピンチに陥れるだけでそんな兆候すらありゃしない。


 大体!


 この街の奴等はなんなのだ?ガレッタといい、ただ天令という如何にも胡散臭いレッテル貼り石のお告げをありがたくも盲目的に信じて、俺を勇者だと祭りあげて、終いにはちゅん助までも、その病気にかかったかのように自らの身を投げ出し俺に後を託していった。


 大体!


 駆け出しの冒険者にもなってない俺達に、これほどの相手は荷が重すぎた。この街の奴等は全く歯が立たないのに俺達はよくやった方だ…実際、あと一息まで追い込んだのだ。


本当によくやった方だよ!

ああ、本当によくやった方だよ…


 その前も俺達はよくやった…あれほどの爆炎に飲まれさせたり、魔力障壁を叩き割ったり本当にあと一息だったのだ!


 大体!


 あの地雷をジャストジャスト!で爆発させたのだ!

 あれで倒されてくれても良いではないか!


 今なおコイツの尾は炎にまみれているというのに暴れさす事は出来ても、倒す事は到底出来そうにない…


 ゲームじゃあるまいし!


 属性攻撃でもあるのか!?コイツらはどう見ても地虫…あるとすれば土属性。

 地水火風のベッタベタのありがちゲームの属性じゃあ土は風に弱い!

 それが定番だが!今思えば…土が風に弱いとか意味が分からん!


 大体!


 風だと?風属性の攻撃ってなんだよ!そんな属性持ってる奴いれば苦労はしてないんだよ!


「!」

(風…)

(風だと?)


 居た!たった一人だけ…あの子だ!あの子が連れていた精霊の片割れはウィンドミルと呼ばれていた。

 名前といい、能力といい、ちっさいながらもあの子は風の精霊だったのではないか!?


「なんてこった!!!」


 俺は天を仰いだ…


 もし本当に俺が勇者なら、助太刀に来るヒロインはあの子だったのだ…混乱の中、街中であの子と出会ったのは神の御告げであったかもしれないのだ。


 そんな事知る由もない俺は、無闇に突っ込んでしまったが、あの時、俺の敗北は決まってしまった様なものだ…


 なんてこった…もしこの場にあの子が…あの子さえいてくれたら…あるいはなんとかなったのかも知れない。

 そう思うと無念さだけがこみ上げて来る。











『アンタびっくりするくらい不器用ね…』

『ま、どうでもいいけど!死に様だけは見届けてあげるわよ』












 不意にあの少女が最後に俺へと放った言葉が思い出される。ああそうさ、俺は不器用なのさ…

 不器用さゆえに死ぬんだな、そう思った。


「!」

(死に様…だけは見届けて…あげるわよ?)


 あの子は最後に確かにそう言ったはずだ!死に様を見届ける…ひょっとして今この状態もどこかで見ているのだろうか?


 嘘や吹かしを言ったりするようなタイプの人間には見えなかった。

 ウィンドミルと呼ばれていた精霊が作る、あの魔法陣を介してなら、ひょっとしたらどこか離れた場所からでも俺の姿を見ていることは可能なはずだ!


(見てる!あの子は必ず見ている!)

(ダメで元々…最後の悪あがき位しなきゃ!あの世でちゅん助に合わせる顔がないよな!)


 俺は痺れる腕に再び力を入れ短剣を矢印代わりに右手を振って叫んだ。


「ここだあ!コイツを!この白い奴を撃ってくれえええええええ!」


 その叫びはあの子が見ているから呼びかける!というよりはそうであってほしい希望、いいや単なる都合のいい希望的観測であったが、最後の唯一の望みであった。


(彼女は見てる!)


 そう信じるしかない、あるかどうかも分からない救いを求めての必死の叫びだった。















「…あのちび助がやられた以上…」

「残念だけど次は…あの間抜けの番ね…」


 崖上でちゅん助の悲壮なる最期を見届けた少女の次なる視線は、青大将に捕らわれ今なお振り回され、今まさに捕食される寸前のイズサンへと移っていた。


「可哀想だけど…」


 現時点ではどうにもできない、そう発することなく少女はイズサンの姿を見つめていた。


「なんか叫んでるっポ!?」


 イズサンの異変に気付いたのはファイアストンだった。少女に注意を促すべく声を上げた。


「悲鳴でも上げた?」


「違うッポ!なんか必死に伝えたそうな感じがするッポ!」


「誰かに訴える様な顔してるっピュ!」


「誰かって誰よ?ちび助はいないし、周りの奴等もそれどころじゃなさそうだけど?」


「なんか必死に叫んでるっポ!振り回されててよく分からないッポ!」


「短剣で必死に何かを指し示してるようだッピュ?」


「…ここだ?コイツを?なんのことだっポ?」


「何のこと言ってるの?もう少し読み取れる?」


 少女は小炎に詳細を求める、小炎は真剣な眼差しで魔法陣を食い入るように眺めて、イズサンの口の動きを読み取ろうとする。


「ここだ?」

「白い奴?」

「撃って?ッポ?」


「白い奴ですって?」


「そんなの居ないっピュ!?」


 少女と炎、風はより一層の注意力を以って画面を注視する。


「ここ…白い奴…撃って、ですって?何の事?」


「短剣で怪物を指してるようにみえるっぴゅ?」


 運の悪い事に少女の居る崖上に対して、青大将は完全に背を向けていた。

 その巨体に隠れて白い魔王の居る位置は全くの死角となっていたのだ。

 さらにはイズサンの身体すら左右に振り回された時に、僅かに一瞬だけ青大将の巨体からはみ出た時、ようやく少女たちの風連図フレンズの射線に捉える事が出来ているだけなのだ。


 真裏に位置する白の核蟲の存在は、透視能力でもない限りその姿を把握することは出来ない…


「………」


 画面は必死でもがくイズサンの姿を捉え続けていた。

 不意に少女の表情が「何か」に気付いたかのように鋭さを増した!


「!」

「ウィンディ…もっと映像を大きく!アイツの顔を捉えて!」


「ピュッ!」


エンドカード!

挿絵(By みてみん)

絵師様ツイッターID @gyuuniku_desu


 第六話

 その14 崖上の測的手スポッター

 終わり

「きゃああああああああああ!」


「どうしたお?」


「また私の意味不明なエロイラスト上がってんじゃないのッ!」


「フッ」

「前回のはただのからーらふというやつだおw」


「きゃあああああ!!??」

「つややかになってしまってるじゃないの!?」


「ありのままのお前さんを見てもらうんだおwww」


「余計悪いわよッ!消しなさい!!!今すぐ!」


「ネットに上がった物は消せないのが世の常、人の常だおwww」

「まあ、これも完成一歩手前ですおw」


「あ、アンタねえええええ!!!」

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