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わたしを嫌いな角砂糖  作者: 赤の他人
5/8

好きな食べ物はいちごのショートケーキです

なんか書きたいって思って鉛筆持っても、全然進まないのはなんで?

映画とか本とかに影響してわたしもなにか書きたい!っていま、鉛筆を持ったの。

でもね、全然思い浮かばないの。あんなのこんなの書きたいなって景色は思い浮かぶんだけどね、続かないんだよ。

とりあえず、おなか減ったからパン食べるね。食パン。それも焼かないで食べるの!絶品だよね!

「きのこの味がするなあぁ」

食パンの耳ってたまにきのこの味するよね。腐ってんのかな。

まあまあ、大丈夫。わたしのおなかは強いから。



「冷蔵庫にケーキもあるよ」

お母さんが二階から叫んだ。


20歳かあ。

わたしも20歳になったのかあ。早いなあ。

永遠に小学生なのかと思ってた。ずっとゲームしてたら今日が終わる、また明日、その繰り返しなのかと思ってた。



「いちごのショートケーキって、イチゴが一個のってるのがいいんだよ」

わたしがいちごのショートケーキをすきになったきっかけ。幼馴染の、あ~盛った。幼馴染だったらいいなって勝手に思ってた。名前は知らない。寝ぐせくんって呼ばれてた。いつも髪がはねてて、手入れをしてもすぐはねるんだって。笑える。

「でも、スポンジの間にもいちごはいってるじゃん」

でも寝ぐせくんは、聞いてなかった。

「きみもさ、もっと笑うといいよ」



寝ぐせくんは幼馴染の女の子と結婚した。見た目すごく、いちごっぽい、the女の子ってかんじ。絶対、好きな食べ物いちごだよ。



いいよね。幼馴染ってだけで、特別な関係みたいで。いつも一緒。そりゃ、必然的に好きになるよね。でも、絶対飽きるよ。

なにもかも知りすぎて、刺激がなくなるもん。


「ずっと笑ってるのも疲れるよ」



寝ぐせくんの名前すらしらない、わたしはただの近所の笑わない子としか認知されてないんだ。まあー、別に知られてなくてもいいけどね。また、会ったときに教えてあげよう。なんてね。





「すきな食べ物がいちごじゃなくて、いちごのショートケーキって子がすきだな」

それはもう、プロポーズと捉えてもいいですかって。


「きみはさ、ほんとに笑いすぎだよ」

寝ぐせくんはにこにこしてわたしをみてた。


彼の名前は結婚した今だって知らない。




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