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枕の下に 希望の上に(5)

寒気の日黙る

あのドブ川の底のタニシ

その上を飛ぶ赤蜻蛉

スルスルと抜けていく青大将

田に逃げる山棟蛇

土竜の穴に入っていく

鼬の姿を思い出した

忘れても構わないが

忘れてはならない時間

土の匂いがする

僕は何も

喋らない




雪降る木々

あの白さを描くなら

粉砂糖だろうか

いつか白線を引いた

石灰だろうか

鼻に届きそうな

いつかの匂い

蒸し暑さを感じては

手袋をはめる

僕は何も

喋らない




誰かが言いそうな

クリスマス畏怖

特に一人身が

心底

感じていそうだ

クリスマスイブに

イルミネーションと共に

雪が降って

楽しいと言えるなら

それで良い

紅葉を見て

綺麗だと言うのと

同じかもしれないから

僕は何も

喋らない




冷たい物に

隠されてしまう冬を

人生の底辺と

なぞるのは

あまりにも虚しい

冬は一番近づきたい日々

誰と誰がくっついて

誰と誰が離れるのか

そこまでが

近づくという事

それを見れば

胸が高鳴る

僕は何も

喋らない




年明けて

梅が咲けば

春の匂い

春に想いを

馳せたりはしない

気温が上がる窓辺から

見える景色が

変化するだけ

それを変わると言うのだろうか

それとも

変わらないと言うのだろうか

選び方は自由だが

選ばないという選択肢は無い

それは何処か

如何わしいから

僕は何も

喋らない










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