不幸な幸福、幸福な不幸 林
林は狙うコンビニへと足早と向かった。中でもうすでに計画が始まっているのが見えたからだ。
ちらりと腕時計で時間を確認する。まだ計画の時間までは十五分以上ある。いったい、どうしたってんだ。
さっさとコンビニに入る。すると、先に入っていた、共謀者が林の姿を見て驚くのがわかる。持っている武器はスタンガンではなさそうだ。紐か何かか?
それにしてもこいつ...時間より早く来て何がしたかったんだ?いくらすでに監視カメラに細工がしてあるとはいえ、どの時間帯が細工されているのか、やつが知っているわけがない。一人で来て、報酬を独り占めする気だったのか...まあいい、今日のおれは寛大な気持ちになっているから。
「仲間にするなら?」林は問いかける。
「キティーちゃん」速攻で返事が返ってきた。あのキャラクターって猫だったか。いや、名前から子猫って意味か。
林はうなずいて、レジへと向かう。手はずでは近いほうがレジを開けることになっていた。
何のためらいもなく、林はレジを開け、万札に手を伸ばす。
この分だとに手取り二十万か。自然と笑みがこぼれた。今月は少しは贅沢が出来そうだ。
林はそこで、ちらりと共謀者のほうへと眼をやった。しかし、そこに姿がなかった。
どこへ行った?逃げたのだろうか
林がコンビニの外へ目をやった時だった。首に衝動を感じる。
まさか...
うすれゆく意識の中、しかし林は手にもった札束を離すことはなかった。




