おばあちゃんの優しさ
描写としては残酷ではないのですが、心理的にグッとくるものがあるので注意してください。
僕には両親がいない。
だからおばあちゃんに面倒を見てもらっている。
おばあちゃんは優しい。こんな僕をいつもほめてくれるから。
「おばあちゃんテストで54点も取ったよ」
「ああそうかい」
おかしいな。ほめてくれないぞ?
「おばあちゃんっ!」
僕はそう言いながらおばあちゃんの背中をたたく。
動作が悪い時は、こうしてあげると元通りになる。
「痛いねえ・・」
背中をさすりながら顔をかがめる。畳の上に、水滴がぽたぽたと垂れていく。
「どうしたのさっ!」
今度は蹴飛ばした・・のだが、これでもおばあちゃんはちゃんと起動してくれない。
「故障でもしちゃったのかな・・?」
どうやらその通りのようで、おばあちゃんは動かなくなってしまった。
「困ったなあ、これでもう3回目だよ。」