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文具戦争  作者: 文音マルタ
Fight&Fight
50/54

集合

学校で襲撃を受けたその翌日の早朝、僕は小走りで学校へ向かった。文具協会へ昨日の事について報告をしなければならないのだ。校門を抜け、来客用駐車場を抜け、校長室の窓から中を覗く。

正面玄関を抜けるよりもショートカットだ。

窓際に居たナズナが気づいて窓を開けてくれたので、腕で体を持ち上げ脚を窓枠にかけると、空のバッグを中へ放り投げる。

「よっと」

ひらりと音を立てずに校長室の床へ着地した。我ながら見事だ。

「あれ?もしかして僕がラスト?」

室内を見わたすとナズナ以外にもシュナイダー、創、そして矢代がそろっていた。ナズナはどうやら素の人格へもどっているようだ。

「俺はちゃんと起こしたぜ。けどこいつときたらてんで起きねぇでやんの」

今投げたばかりのバッグの中から自力で這い出たペンギン(?)が何やら戯言をほざいている。バッグを叩きつけておけばよかったかなとチラリと思った。どうせ能力の産物だから死にはしないのだ。

「まぁ、まだ約束の時間までは三分あるからセーフ、でしょ?」

でしょ?と言いながら皆にウインクをしながら僕をフォローしてくれたのが矢代でなくせめてナズナだったら、なんて贅沢な事は言わないでおいてやる。

矢代から目を逸らした僕はクローゼットの中がいきなり光ったのを見た。

「あれっ?」

僕の声に皆がクローゼットへ注視する。

するとガタッと音がして勢いよくクローゼットが開き、定子と藍が雪崩出てきた。

「痛ーい!」

「うぐぅぅ・・・定子さん、とりあえず上からどいてください」

「ちょっと待って今ちょうど──────って、あれれ!?」

注目する日本部隊一同に気がついた定子が奇妙な声をあげる。

「せ、勢揃いでなにしてるのかしら?」

「・・・そっちこそ」

「私たちはビッグベンドで藍ちゃんの特訓をしていたのよ。それでそろそろ日本が朝になる頃だと思って帰ってきたの。」

藍はとりあえず毎日学校へ来ている。とはいってももともと教室内では話さないし授業中以外は休み時間の度に定子のところへ行っており、放課後はすぐにどこかへ行ってしまうので全然話せていない。

「で?貴方達は?」

「・・・」

「・・・」

「あっ、えーと、文具協会へ行って報告をしなきゃいけないんだ。」

だれも口を開こうとないので創がぎこちなく説明する。

そこで少し異変に気づく。

いつもならシュナイダーが優しくすぐに説明をしてくれるはずだ。

「・・・シュナイダー?」

僕は校長室の隅でおとなしくしているシュナイダーへ声をかける。

すると振り向いたシュナイダーはなにやらよくわからない言葉を放った。

一瞬唖然とした一同であったが定子の

「この部屋に翻訳ルールはないわ」という説明でだれもが納得したのだった。

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