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文具戦争  作者: 文音マルタ
Fight&Fight
49/54

リザルト

前回の更新から随分放置してしまいすいませんでした!


これからは毎週最低一回は更新してまいりますのでどうぞ応援よろしくお願いいたします!!

「二重人格・・・?」

「はは、いきなり何言ってるんだって顔だな」

ニシシ、とアレックスは歯を見せて笑う。

「んーと、じゃあ、これなんだと思う?」

そういってアレックスは足元を指差した。

そこには何かの残骸がある。

「もしかして・・・服!?」

「そう!・・・まぁ、服だけじゃないが」

気がつくと屋上一面に服などが粉々になったものが散乱している。

後ろで黙って話を聞いていた創が不思議そうな声をあげた。

「・・・鋭利なものでズタズタにされてますね・・・でもナズナさんの能力は・・・」

アレックスがパチンと指を鳴らし

「そこだ!」

と言った。

「そこが不思議で面白いところなんだよ。・・・矢代、君はこれも知ってるんでしょ?」

急に話を振られた矢代は一瞬肩をピクリとさせたが

「お、おう」と応えた。それをアレックスは横目に見て

「実は文具協会の研究データによると───文具の能力は僕たちのメンタル及び脳の働きと密接に関わっているらしいんだ。」

「えっ?」

驚いた僕と創に矢代が説明を加える。

「だから二重人格者は二つの能力を持ち得る、という事らしい。」

えー。話が急すぎてついていけないんですが。

そんな僕らの反応を楽しむようにアレックスは続ける。

「もっとも、能力が発現した人が二重人格であった・・・なんて確率は限りなく低いから、まだナズナ以外では確認されていない。」

僕はこんがらがった頭で質問を捻り出す。

「うーん、と・・・わかるようなわからないような・・・えと、それで、それとシュナイダーがなんの関係が?」

すると金髪青年はパッと明るい顔になり

「ああ、それとこれは関係ないよ」

と否定した。

「ただ単にナズナがシュナイダーの事を好きで、抱きつかれたら気絶しちゃう、ってだけ。」

「ああ、それは知ってる」

と創は言ったが僕はさらにわからなくなってきた。

矢代がバカを見る目で一瞥してくる。

なんか腹立つな。

「つまり、ナズナの裏人格は強大な"カッター"の能力を持っていてあまりに凶暴で手が付けられないため、シュナイダーが気絶させて落ち着かせる、という訳だ。起きたら素の人格にもどってやがるからな。───わかったか?」

「お、お、お、おう。わ、わかたっ」

「わかってねぇんだな」

「いや、頭が混乱してるだけでなんとなくはわかった!」

ジトっとした目を僕に向ける矢代の顔面にマッハの速さでパンチを打ち込みたい。

そのときアレックスが「定子も・・・」と小さく呟いたのが聞こえた。

「とりあえず、今回の戦いはなんとか切り抜けたみたいだね。・・・ほら、全員帰って行く。」

シュナイダーがそう言って校門の方を指差した。

すると、今まさに校門から互いに肩を貸しあったりしながら出て行く五人の男の姿があった。

三人ほど服を着ていないのはナズナさんのせいでしょうね。


────それにしても、こうやって屋上から相手の姿を見送るのは二回目だ。

一度目の事を思い出して、ついこの間の事だけれど、とても懐かしく思えた。

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