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文具戦争  作者: 文音マルタ
Fight&Fight
48/54

ナズナの秘密

アレックス・・・?

どこかで聞いた気がする。

「定子は元気か?」

「えっ?・・・あ!!」

思い出した。数日前の部室での会話に出てきていた、定子の護衛を引き受けたという二人の男のうちの一人だ。

「定子は?」

アレックスは辺りを見回している。

「今は居ませんよ。本部にいると思います。」

アレックスは少し残念そうな表情をしたが、すぐに元気を取り戻す。

そこで僕はナズナの事を思い出した。

「あ、ナズナさんを探しにいかなきゃ!」

「あ。あ───、それは多分、大丈夫だぜ。」

「え?」

僕が聞き返すとアレックスは、ばつが悪そうに頭をかき、

「シュナイダーが止めに行ってる。」

と言った。

止めるってどういう事なんだろう。というか、シュナイダーさんも来てるんだね。

「シュナイダーだけじゃ無理かもしれないから、俺らも行ってみる?」

と言ったアレックスが指差した方向は

──────屋上。

あれ─?校内の鍵閉めたよね?

もしかして・・・外壁から登った?

僕たちは屋上へ向かった。



アレックスはまず僕を抱えて飛んだ。どういう原理なのか分からないが、多分これも能力なんだろう。抱えられた状態だからよく見えないけれど、一瞬、羽があるようにも見えた。

屋上へ着いた。アレックスは僕を下ろし、にへらと笑った。

「あーらら、惜しかったね。あと少し早けりゃ見られたのに。」

そこで顔を上げた僕は見た。



シュナイダーがナズナに抱きついてる。



「なんだ・・・あれ」

後ろから声がし、僕が振り返ると口を開けた矢代が立っていた。アレックスの相棒、アレンから今下ろされたばかりなのだろう。創も矢代の隣で驚いている。

僕らが唖然として見守る中、ナズナがシュナイダーの腕の中でがくりと崩れ落ちる。気を失ったらしい。

「どういう事なんです?」

と僕がアレックスに聞くと、相変わらずのニヤニヤ顔で答えた。

「シュナイダーに抱きつかれるとナズナは気を失っちまう。よっぽど好きなんだね」

「?」

さっぱり意味が分からない。

僕はそんな表情だったのだろう。アレックスは不可解そうな顔をした。

「あれ?まさか知らない?」

そして僕がさらに困惑している表情を見ると

「あらぁ、知らないんだぁ。」

と若干オカマ言葉でにやにやしだした。

僕が矢代と創の方を見ると、二人は目を逸らした。

お前ら、意味が分かってるのか。

「いや、だって俺が説明しようとした時最後まで話聞かなかったじゃん。」

という矢代の発言に対し慌ててブンブンと首を縦に振る創。

「じゃ、教えてやろーう」

アレックスが少し偉ぶった口調で言った。



「ナズナは二重人格者なんだ」

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