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文具戦争  作者: 文音マルタ
Fight&Fight
46/54

初戦闘

僕は暗くなった空の下、学校の敷地内を疾走していた。

まだナズナはもちろん、敵にも会っていない。そろそろ息も切れてきたから、少しスピードをゆるめ早歩きになる。

早く見つけないと・・・。

僕はまだ行っていない中庭の方へと足を向けた。

この校舎はコの字の形に建っていて、校舎に三方を囲まれた場所に中庭は位置する。まばらに植えられた樹木と、中央に作られた校長の銅像の頭頂部から噴き出す噴水だけが夜の校舎に微かな音を響かせていた。

僕は銅像を囲む池のそばまで行き、中庭全体を見回した。

───視線を感じる。

僕はゴクリと喉を鳴らした。

「出てこいよ」

この言葉を発して0.2秒で後悔した。

それを待っていたかのように二人が木の上から飛び出してきたのだ。

うわー、失敗したな。この二人は創たちに任せたつもりだったのに。まさか僕の方がエンカウントが早いなんて。

出てきた二人は僕の前方から次第に間合いを詰めてくる。大股5歩分くらいのところで止まった。そして互いに睨み合う。

正直にいうと、ヤバい。

僕はまだ一度も戦闘した事がないのを思い出したよ!!

だが次の瞬間、無情にも相手は大きく太い棒状の物を出現させ、殴りかかってきた。

僕が後ろに飛びのいてそれを回避するといつの間にかもう一人に後ろに回られていたらしく、これまた棒状の何かで叩き飛ばされた。なんとか着地したがダメージはでかい。

反撃しないと、やられる。

僕は決心し、右手をかざした。

そしてそこに槍のような細くて長いシャープペンをイメージし、出現させる。その辺に売ってある安いプラスチックのやつだ。クリップのような部分を持ち手にする。

僕はしっかりとそれを握りしめ、相手に突進した。

「うおおおおおおぉぉ!」

だが当然回避される。しかももう一人が後ろから棒状の何かで後頭部を殴ってきた。グラリと視界が暗転する。

だが踏ん張ってなんとか立った。暗闇に段々と目が慣れ、相手の持っている物が見えてきた。

───二人とも、鉛筆。

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