急襲
いよいよ新章突入します!
頑張って面白く書いて行こうと思いますので、
どうぞ応援よろしくお願いいたします!
体育倉庫の影に飛び込み、息を潜めて後ろをのぞき見る。
────よし、追手ナシ。
僕とクロロは溜息をついて、教室棟と管理棟の間から見える、すっかり暮れてしまった空を見上げた。
6月1日、会長は藍と定子を連れて一旦文具協会へ帰ってしまい、それ以来あまり部室に現れなくなった。藍は日本部隊ではなく残留組。会長のもとで特訓をするのだとか。携帯があるのだから連絡くらい簡単に取れる、と思っていたけれど、文具協会は特別な空間にあるため電波が届かないらしかった。
委員長である矢代は教室では今まで通りたいした絡みもないし、創も転校生だから取り巻きが多くて近寄れない。
そしてナズナは警備員として学校に潜入したようだった。
そうして日本に残された僕たち四人は、放課後ナズナが校内の戸締りをチェックし終わってから校長室を開けてもらい、そこに毎日集まっていた。
そんな6月7日。
日も暮れかけた頃に、いつものように校長室で話し合いをした後、解散してそれぞれの帰路に立ったとき
─────ヤツらは現れた。
僕の目の前には二人。僕が全速力で学校へと引き返すと、同じように走ってきた他の三人と合流した。僕らは学校内にそれぞれ隠れ、敵を一人ずつ不意打ちで倒す事にしたが、僕のところに三人も来てしまった。しかもそこで僕は物音を立ててしまい、見つかって追いかけられて────
そうして、今に至る。
なんとか巻いたようだけど、まさか敵五人中、三人が固まってくるなんて。
他のみんなは、大丈夫だろうか。
(クロロ、他のみんなと連絡は取れるか?)
コソコソと肩に乗る飛べない鳥に話しかける。
クロロはコクンとひとつ頷いて目を閉じる。
(みんな、ぶじ。)
よかった。とりあえずこれからどうするかを話し合いたいが──
(クロロ、通話機能とかないのか?)
(あるかボケ)
(じゃあメッセージ機能は?)
(あるかボ・・・あった!!)
おいおい、自分の機能くらい把握しとけよ。
(チャットモードとメールモードがあるみたいだ)
意外と高機能だし。
(じゃあチャットモードで全員に繋いでくれ)
(アイサー)
そういうと再びクロロは目を閉じ、僕の目の上から羽なのか手なのかよくわからないそれを押し付けてきた。と同時に僕の視界にはパソコンの画面上でチャットをしているような映像が展開された。
>>"シャープペンシル"が入室しました。以下「シ」で表示します。
>>"メジャー"が入室しました。以下「メ」で表示します。
>>"蛍光ペン(ピンク)"が入室しました。以下「け」で表示します。
シ:みんなー!無事か!?
メ:こちら創。無事だよー!!
け:おう、こっちも問題ナシだ。
シ:あれ?一人少なくないか?
け:ああ、ナズナが居ないな。
シ:・・・。
メ:もしかして交戦中?
け:そういえばナズナの隠れてる方に人影が二つ行ったような。
シ:‼僕の方には三人来てたよ!!
け:って事は相手は二手に別れてるのか!?五人もいるのに!??
シ:よし、じゃあこうしよう。僕はナズナを探して交戦中だったら加勢する。君たち二人は他の二人を引き付けておいて!!
け:お、おう。分かった。だがナズナには加勢は要らないと思うぜ?
>>"シャープペンシル"が退室しました。
け:あいつ、絶対最後の見てないよな。
メ:・・・だろうね。
け:んじゃ、俺らは一旦保健室の裏で合流しよう
メ:了解!
>>"蛍光ペン"と"メジャー"が退室しました。




