4/54
邂逅
相手の姿をようやく確認できた。大柄だが太ってはおらず、筋肉もりもりといった感じだ。そして片手には藍を抱えていた。
「ちっ、聞いた話では女一人のはずだったんだがな・・・!」
男はなにやらブツブツと呟いている。
「藍を放せ!」
僕は半分叫ぶようにして言った。
「ああ?オマエ誰?・・・ま、誰でもいいけど」
そう言って男は藍を抱えたままもう片手のモノを構える。
「・・・ハサミ!?」
えっ?なんてシュール!!
「取り返したいなら俺から奪ってみろ!」
そう言って巨大漢は巨大ハサミを振りかざしながら突進してきた。
「あ・・・!!」
多分死ぬ時ってこんな風に、突然なんだろうと思った。
キィーン!!
目の前に見た事のない少女が一人。
「相手の攻撃が刃じゃなくて助かったわね。」
確かに相手はハサミの刃を閉じた状態で振り下ろしていた。
そしてそれを受け止めているモノ、少女が手にしているそれは
刀と見間違うように長く、巨大な定規だった。
お知らせ・・・今回より幼馴染の名前を「いろは」→「(あい)藍」に変更しています。