ストップ
「・・・!?」
定子は驚きのあまり、動きが止まる。そこにすかさず白髪の男の蹴りがはいる。
「ぐっ!」
定子は飛ばされ、壁にぶつかった。
「・・・?」
定子はぶつかった壁を振り仰ぎ、僕と藍もその壁をよく見る。
「・・・文具協会!?」
僕の声があたりの空間に響く。
今気づいたけれど、ここにはビッグベンドの砂漠のあの空間と文具協会の存在する空間とが混在していた。本来ならこの砂漠からもう一つ段階を踏んで協会に繋がるはずなのだ。空は気味の悪い紫色をしている。
驚きを隠せない僕らを見て白髪の男が嘲笑う。
「ははは、どうですかこの空間は?お気に召しましたか?貴方たちの空間を私のチカラで適当に組み合わせてみました。美しいでしょう?ふふっ」
定子はさっきまでの勢いはなくなり、青ざめた顔で男に聞いた。
「さっきの定規のときといい、この空間といい・・・貴方、何者!?」
「と、聞かれましてもねぇ」
そういって肩をすくめ
「貴方たちと《同じ》能力者ですが?」
と言った。
そのとき突然
「"The angle of“10°” degrees!!」
と会長が叫んだかと思うと鋭い光の槍が会長の手先から放たれ白髪の男を襲う。しかし男はこれをひらりとバックステップで回避し、
「そろそろおいとましますよ。・・・今回はちょっとした挨拶に来ただけですし。」
苦しそうに会長が言う。
「挨拶・・・だと・・・!?」
「ええそうです。ほら、何でしたっけ、予言書?あれを私達も探すことになりましたので・・・くれぐれも邪魔をしないように気をつけてくださいね。」
そういってニコッとしてから付け加えた。
「でないと今日のようなことになりかねませんから。」
「・・・おのれぇぇえ!!!」
会長が吠え、再び技を出そうとしたがもう既に白髪の男は居なくなっていた。




