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帰郷
すっかり変わってしまった故郷の町並みとそこを行き交う人達を見て、迦月はため息を一つつく。
「時代や街が変わろうとも人は変わらない、か…」
遠い昔、あの人がそう言っていたのを思い出す。
美しく華やかな庭園。そこを流れる小川に架かった小さな橋の上で、あの人が寂しそうに微笑みながら言ったこと。
あれから千年以上経った今でも、鮮明に覚えている。
それが、私が見た彼の最後の姿。
その後、彼は……
「あーもう、止め止め。埒が明かないや」
迦月は一人苦笑して、もう一度ため息をついた。
「とりあえず墓参りにでも行くかな」
少ない荷物の入ったバッグを肩に掛け直し、歩き出した。今は亡き友が眠る寺へ。




