お鍋
掲載日:2025/10/17
ぐつぐつ音が聞こえる
隙間から
白い湯気がびゅーっと逃げ出していく
それを見て蓋を開ける
溜め込まれていた熱気と香り
ぶわっと目の前に広がる
その先には
ツヤツヤとした
具材たち
光を得て輝いている
思わず空いてしまう口
頬が緩む
熱々のだしに
具材たちをひとすくい
そしていただきますと
箸に持ち変え口に迎える
身体の底から温まる
冷たかった心を溶かしてくれる
こどもの頃は好きじゃなかった
食べたいものが少なかったから
今ではこんなにも恋しい
ー
あぁこれが
大人になるということか




