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コミカライズ(進行中込み)

「双子で同じ顔なら、妹の方が良い」と、婚約者は言った。

「あなたたち……、何をしているの……?」


 私は目の前の光景に、唖然としたまま問いかけた。


「きゃっ、おねぇさま! ご、ごめんなさい、あの、これはその」


 慌ててシーツで胸元を隠すルーチェ。

 乱れた髪は汗ばむ肌に張り付いて、とても淑女が他人(ひと)前で晒す姿ではない。


 他人、そう、私の婚約者の前──というか、すぐ横で。



 その婚約者、ユスタス・ヴェネト公爵令息の第一声と言えば。



「っつ、ナターリア? なぜこの部屋に? はっ、そんなことよりルーチェが怯えてるじゃないか。彼女を責めるな。そもそもこれは、堅すぎるお前が招いたことだ!」



 一方的に私を(なじ)って来た。


 意味が(わか)らない。

 でも状況は理解した。


 私の婚約者は、我が家でのお泊り中。

 私以外の相手と同衾していたわけだ。


 私が出くわしたのは、浮気現場の彼ら。



 "結婚するまで肌は許さない"

 そんな私の言葉に、彼は我慢が出来なかったらしい。


「……さようで、ございますか」


 さすがに、声が途切れがちになる。

 対するユスタス様は、逆に勢いづいて語気を強めた。


「そうだ! 融通の利かないお前と違って、ルーチェはとても愛らしい。姉妹でどうしてこうも違うのか。俺の婚約者がお前だなんて、貧乏くじも良いとこだ」


「姉妹?」


「ああ。伯爵家は双子だろう? お前たちの顔は、本当によく似ている。だが明るく開放的なルーチェに比べ、お前の面白みの無さと来たら。"少しはルーチェを見習え"と要求したくなる」


「……。勘違いなさっておいでのようですが、ユスタス様。ルーチェと私は双子では──」

「わああっ。酷いです、おねぇさま! いくらユスタス様を奪ったあたしが憎いからといって!!」 


 私の言葉を遮って、突然ルーチェが泣き始める。


「あああ、泣くな、ルーチェ。お前に悪いようにはしない。なに、俺の力で、婚約相手をナターリアからルーチェに替えて貰えば済む話だ」


 彼の発言に、私は更に驚いて問い返す。


「本気ですか? ユスタス様」


「なんだ? 今更慌てて俺の機嫌を取ろうとしても遅いぞ。俺は次男とはいえ、公爵家。対するお前は伯爵家の娘。俺が望めば、婚約者の交代なぞ、わけはない」


「な……っ」


「浮気を謝るとでも思ったのか?」


 ベッドの上でルーチェを抱き寄せたユスタス様は、得意そうにふんぞり返った。


「ユスタス様、本当? おねぇさまではなく、あたしを選んでくださるの?」


 半裸の彼にしなだれかかり、上目遣いでルーチェが目を潤ませる。


「ああ、ルーチェ。お前の腹には俺の子がいる。誰が見捨てたりするものか」


「っ! 今、なんて……? 子ども?」


 つまり、ふたりの姦淫はずっと以前(まえ)から続いていて、今回限りの出来心ではないと、彼は言ったのだ。


「きゃっ、嬉しい、ユスタス様!!」

「そういうわけだ、ナターリア。至急、リドリス伯爵に話を通せ。提案したいことがあるとな」



「…………」 



 かくしてユスタス様は、「婚約相手をルーチェに替えたい」と我が父・リドリス伯爵に主張した。

 父はユスタス様の婚約者変更を受け入れるため、条件を出した。


 "何があっても、二度と(ナターリア)を婚約者に戻さない"。


「なんだ、そんなことか」

 ユスタス様は笑いながら承諾して、複数の書類に署名した後、契約成立に機嫌良く帰っていった。


 窓の外に、ユスタス様と彼を見送るルーチェが見える。

 束の間の別れを惜しむように熱い抱擁を交わしていて、もはや誰(はばか)ることなく堂々と見せつけているかのようだ。


(悪びれもせずに、よくやる)


 浮気についての謝罪は、とうとう一言もなかった。

 その傲慢さが、自分を滅ぼすとも知らずに。



「長かったな、ナターリア」

「ええ、本当に。ようやく解放されますわね」


 父の言葉に頷くと、私は晴れやかに微笑んだ。


(ユスタス様にはお気の毒だけど、まあ、自業自得よね)




 ◇




 ルーチェは私がまだ幼い頃、屋敷に来た。


「ナターリアとは同い年だが、妹として可愛がってやってくれ」


 私にそう告げたのは、お祖父(じい)様。いまは亡き、先代伯爵だ。

 当時はまだご壮健で、リドリス家の当主として、家中では絶対的な存在だった。


「これからよろしくお願いします。おねぇさま」


 ニッコリと微笑むルーチェは、あどけない顔つきをしていたけれど。

 性格はなかなか(もっ)て、(クセ)(モノ)だった。


「いやぁぁ。あたしもおねぇさまと一緒が良い──! お茶会に行くのぉぉ」

「おねぇさまと同じブローチが欲しいわ。すぐに買ってきて」

「どうしてあたしだけ席が遠いの? こんなのイジメよ」

「お勉強はいや! あたしは好きに過ごして良いって言われてるもの!」


 気に入らないことがあれば、すぐに泣きわめき、周囲に訴える。


「あれは母親を亡くし、哀しい娘なのだ。皆、よくしてやって欲しい」


 先代リドリス伯爵は、ルーチェの望みを叶えるよう、家の者すべてに厳命した。



 "淑女教育も必要では?"

 そんな声には、渋い顔をした。

「やがて家を出る人間であるし、甘えられるうちは、甘えさせてやりたい。もちろんルーチェが望むなら、最高の教師をつけるつもりだが……」


 ルーチェは望まなかった。



 その後祖父はルーチェを(のこ)して他界し、父が伯爵家を継いだ。


 代替わりして間もない頃、ヴェネト公爵が縁談を持ち込んできた。

 "公爵家の次男を、リドリス伯爵家の婿に"とゴリ押しされ、当時の力関係では断ることも出来ずに承諾。ユスタス様は、私の婚約者となった。


 その頃から、ルーチェは徹底的に私の真似をし始めた。

 ドレスを仕立てる際にも、私が特注した品と同じものを、その後すぐに発注した。


 自分の茶色の髪は、私そっくりの金髪に染め、入念に化粧を施すと、遠目からでは間違えられるほどに。

 

 行儀作法は苦手らしく、立ち居振る舞いまでは無理だったようだが。


 同じ顔、同じドレス。同じ持ち物。

 おかげでルーチェが"私の双子の妹"だと、勘違いする者も出て来くる始末。



 そして今日、ユスタス様との婚約関係は、私を真似るルーチェに、その役割を移した。




 ◇




 婚約者交代から数日。

 ユスタス様を追いかけて、ルーチェは家を出た。


 彼の方では喜んで彼女を受け入れ、しかし。

 一週間もしないうちに、物凄い剣幕でユスタス様が押しかけて来た。


 お茶を楽しむ私的な時間だったのに、家の者が通してしまったらしい。

 


「なぜだ、ナターリア! なぜ俺が伯爵家に入れない!? 次期伯爵をルーチェにすれば済むことだろう?」


「まああ、ユスタス様。先触れもなくいらして、いきなり大声を出されては驚いてしまいます。伯爵家の後継ぎは私。これは以前より揺ぎ無く決まっていることです。ユスタス様もご承知のうえで、書類にサインなさったでしょう?」


 せっかくのティータイムが台無しだ。

 けれど、いつか彼が抗議に来ることは折り込み済みだったし、ここはしっかりとわかっていただかないと。


 そう思い、私は手に持つカップを置いて、ユスタス様に向き直る。


 ユスタス様は不満そうに私の前に腰掛け、自分の分のお茶をメイドに命じた。


「だが公爵家の血を持つ俺が入ってやると言っているのだぞ? ルーチェを家に残し、お前が嫁に行くべきだろうが」


「ルーチェは伯爵家を継げません」

「どうして? お前が折れれば良い」


「折れる折れないの問題ではなく、あの()に資格がないのです」

「はぁ? 確かに彼女の知力はお前に劣るが、それはルーチェの愛嬌だ。勉強不足の件なら、今から励めばいい」


 まだ、気づかないらしい。


「……ルーチェの素顔をご覧になりましたか?」


 四六時中ともにいれば、機会もあっただろう。

 案の定ユスタス様は、言葉に詰まった。


「う、っ。ま、あ……。女は化粧で化けるということがよくわかった。お前たちの美しい顔に騙されてしまったが、お前も化粧をのけると、冴えない庶民と変わらないんだな。詐欺師になれるほどだ」


 馬鹿にしたように彼は鼻を鳴らしたが。


生憎(あいにく)と。私は今日、化粧をしておりません。少し肌をいためておりまして」

「は?」


「ですから急にお越しになると、非常に迷惑なのですわ」

「お前ッ、その言いよう、生意気だぞ! それに、化粧をしてない? 嘘をつくな。だってお前は綺麗なままじゃないか。ルーチェとは違う──」


「まあ、ユスタス様から"綺麗"と言っていただいたのは、初めてです。有難うございます」


 誕生日の贈り物はおろか、デートもエスコートもおざなりだったユスタス様。縁が切れてから褒めて貰うとは、皮肉なものだ。

 彼も心当たりはあったようで、気まずそうに眼を逸らす。


「く! ではなぜ、ルーチェはあんなに平凡なんだ……。お前たちは双子だろう?!」


「双子が必ずしもそっくりとは限りませんが──。まず、そこが間違いなのです、ユスタス様。私とルーチェは双子ではありません」


「な! で、では姉妹か。だがお前の母は、お前を産んですぐ──」


「姉妹でもなく。私とルーチェに、血のつながりはないのです」


「……は?……」


 今度こそ。ユスタス様は驚いた顔をした。


「ルーチェは、ユスタス様にお話ししなかったのですか?」

「待て待て。なら、なぜルーチェが伯爵家で娘として振る舞い、お前のことを姉と呼ぶんだ。彼女はなんだ?」


 今日のユスタス様は「なぜ」が多い。他の言葉を忘れたかのように。


 私は冷静に、彼の疑問に答えた。




「ルーチェは。あの()は、私の祖父・先代伯爵の愛人の連れ子……。母を亡くした孤児を憐れに想い、祖父が引き取った平民の子ですわ」


「!!!!」




 ──そうなのだ。


 祖父は市井に、若い愛人を囲っていた。

 正妻が亡くなった後に出来た相手で、そのことについては父も認めている。


 女性を屋敷に入れても良かったのだが、万一、子どもが出来るとややこしいことにもなりかねない。

 伯爵家には立派な跡取り息子がいて、しかも孫は女の子。

 

 祖父はしっかりと線引きをし、愛人とは外でだけ会う、静かな関係だった。


 彼女には、先代伯爵と出会う前から子どもがいた。

 その子がルーチェ。

 

 愛人が亡くなった後、先代伯爵がルーチェを引き取ったため、遺児は我が家で暮らしていたが。

 伯爵家の血はただの一滴も引いていない、平民に過ぎない。


 だから、ルーチェがどれほど姿かたちを私に似せようと、彼女は伯爵家を継げない。

 継ぐ資格がない。



 ユスタス様は、そんなルーチェを選んだのだ。

 


「嘘だろう……?」


 私の説明を聞き、呆然とユスタス様が呟く。


 ルーチェからは、何も聞かされてなかったのだろう。

 少し調べればわかることなのに、彼は調べなかった。


 ユスタス様に話したことはあったと思う。

 聞き流したであろう彼に、再三説明する義務はなかった。


 元々ユスタス様は、公爵家から強引に押し付けられた、望まぬ婿候補だったから。



 はじめは私だって、ユスタス様と向き合おうとしたのだ。


 けれど彼は、気ままに振る舞うのが大好きで。



 目下の者には横暴、女性にも居丈高。

 都合の悪いことは、聞きたがらない。

 面倒ごとは周りに任せ、失敗したら、責任は他者。



 奔放な元婚約者殿は、"私のものは何でも手に入れたい"と動いたルーチェの前に、あっさりと陥落した。



 "ルーチェの結婚相手が決まるまでは、ナターリアの妹として、我が家で面倒を見るように"。


 ルーチェの結婚相手がユスタス様に決まった時、祖父の遺言は完遂された。



 青ざめたユスタス様が、確認するように問う。


「じゃあ、ルーチェは何の身分も権利もない、平民なのか……?」


「ええ。でも問題ないのでは。伯爵家に婿入りしないユスタス様は、公爵家も継がれない。騎士位もお持ちではないので、いずれ家を出れば平民となられるのでしょう? 結婚は可能ですわ」


「なんっっ!! 馬鹿な。俺が平民になど、ありえん」

「ですが、ヴェネト公爵様がそうおっしゃっていたと、父を通じて聞いておりますが」


 今回の件。

 親として息子のために用意した婚約を、勝手に破談にしたユスタス様に、ヴェネト公爵は激怒。

 ユスタス様自身が選んだ道だと、今後一切、助けない決意をされたそうだ。


 肝心のユスタス様ご本人のお耳に入ってないのは……。


(ルーチェを迎えたことで、公爵家本邸を出て、別荘にでもいたのかしら。あら? でも伯爵家を継げない話をお聞きになって、今日は来られたのよね。勇気を出して伝えた召使いがいたけど、話をすべて聞かずに彼が飛び出したってところ?)


 推測しても仕方がないことなので、私はあっさりと疑問を放り投げた。

 どうでも良いことだもの。


「こんな……茶番、到底認められるものか! 仕方ない。お前との婚約を戻す。すぐリドリス伯に伝えるんだ。お前から願い出れば、伯爵も(いな)は言うまい」


「お断りします。"何があっても二度と私を婚約者に戻さない"。そう約束されたことをお忘れですか?」


「約束は無効だろう! 俺を()めておきながら!!」

「嵌めてなどいません。ルーチェとの間に、子まで(もう)けたのでしょう? 無責任なことをおっしゃらないで」

「平民の子など知らん!」

「さすがに酷すぎますわ」

「このっ。ナターリアの分際で……! 黙って俺の言うことを聞け!」

 

 逆上したユスタス様が、立ち上がった時だった。

 軽いノックの後、軽やかな声がした。


「ナターリア、ここにいるの?」


 扉からのぞかせた銀髪の貴婦人に、ユスタス様が一時停まる。


「あら、お客様? 失礼しました。ナターリアだけだと思ったから」

「気にしないで、もうお帰りになるところよ」


「ナターリア、貴様っっ」


「貴様? そこのあなた。いま()()()()()()に向かって、"貴様"と呼ばれましたの?」


 初対面の女性に厳しい顔で睨まれ、外面の良いユスタス様は慌てたように言いわけをする。


「あ、いや、俺はナターリアの婚約者で──。"姉"?」


「この方は()婚約者のユスタス・ヴェネト公爵令息よ、オリエッタ。ユスタス様、ご紹介しますわ。彼女は隣国に嫁いだ私の妹、オリエッタ・ラグネル大公妃です」


「隣国の大公妃? ナターリアの妹??」


「ええ。ルーチェのような居候ではなく、実の妹ですわ」


「しかし、似ていないが……」


「双子だから"似ている"とは限らないと、言いましたでしょう?」


「双子? まさか、"伯爵家の双子"というのは、お前とルーチェのことではなく」


「ええ、私とオリエッタのことです。オリエッタは幼少の頃、隣国にある母の実家に、養子として望まれましたの。そのまま向こうで成長し、大公閣下に嫁いで、今回は数年ぶりの帰郷。私に縁談を持ってきてくれたのですわ」


「縁談、だと?」


「はい。おかげさまで、良いお方が婿として来てくださることになりました。ですからユスタス様。リドリス伯爵家にあなたの席はもうありません。どうぞお引き取りください」




「そん、な……だって……、同じ顔だから、俺は妹の方でいいと思って…………」


 私は無言で応じた。

 とても失礼なことを言っていると、どうしてわからないのかしら。



 執事に誘導されて、ふらふらとした足取りで部屋を出たユスタス様。

 今後は正式な手続きなく、門を通さないよう徹底しておくつもり。


 ユスタス様はもう、リドリス伯爵家とは無関係なのだから。




 私はオリエッタと、淹れ直したお茶を堪能したのだった。







 ◇◇◇





「うふふふ。これで大恩ある伯爵家に、少しはご恩返し出来たかしら。ね、お母様。ナターリアお嬢様には幸せになっていただきたいもの」


 あたしは遠い昔に亡くなった、母の墓前に花を手向けながら、これまでのことを報告した。


 あんなバカ男が"おねぇさま"の夫になるなんて耐えられない。

 苦労される未来しか()えないし、栄えあるリドリス伯爵家が食い潰されてしまう。


 あたしに出来ることは、身体(からだ)を使った害虫駆除。


 ユスタスはまんまとあたしに溺れ、入り婿の地位を自ら手放した。


「にしても、子どもがいるって信じちゃって……」


 私は身軽く立ち上がる。


 "一度きりの気の迷い"。

 そう言い逃れることがないよう、子どもが出来たふりをした。

 彼が泊まった日に誘いかけ、お嬢様を誘導したのもあたし。


 まさかこんなに上手く事が運ぶなんて。


 お嬢様がクズ男を愛してなかったから、使えた方法だ。

 じゃなきゃ、婚約者が浮気なんて、お嬢様まで傷つけちゃう。


 ユスタスに対し、罪悪感が無いわけではないけど……。


 でも、ナターリアお嬢様に対するアイツの態度ったらなかったから、これぐらいちょうど良い。

 何年もお嬢様をぞんざいに扱った報いは受けるべきだし。


(ま、まあ、その意味ではあたしも、だいぶ伯爵家に迷惑かけちゃったけど)


 けどお嬢様には見抜かれてたっぽいんだよねぇ。あたしが持ち出した(カバン)に、餞別(せんべつ)がたっぷり入ってたんだもの。


(伯爵家の人たち、良い人過ぎるよ……。申し訳なくて、早々に追い出されようと暴れたあたしに、令嬢教育までしてくれようとするなんて。辞退するってば。平民よ? あたし)


 とりあえず、ユスタスは捨てて来た。

 というか、伯爵家を継げないと聞いた途端、リドリス家に乗り込みに行ったから、その場でサヨナラしたわ。


 彼、きっとリドリス家からは追い返されると思うけど、真実を聞いてくるはず。

 あたしが敢えて伏せて来た、あたしの身の上。


 逆恨みで暴力とか振るわれたら、たまらないもの。帰ってくる前に、逃げるに限る。


「さて、これからどうしようかなぁ」


 "今日からあなたも金髪美人!"

 "女優顔負け、なりきり演技術&メイク!"


 ──なんて講座を、開いちゃうのも楽しそう。


 あたしはどこにでも行けるし、何にでもなれる。

 だって舞台女優の娘だもん。



 茶色の髪が、風になびく。

 爽快に伸びをしたら、青い空がすっごく、広かった。




 お読みいただき有難うございました!

 書きたい別のお話が遅々として進まないので、気晴らしに別の短編。ゆるふわ設定はご容赦ください。

 メインがナターリア視点。おまけがルーチェ視点です。

 今回は思い切って恋愛要素なし。あるのはルーチェの隠れた忠義。ジャンル・ヒューマンでいいかな…?


 お話楽しかったよーと思っていただけましたら、お星様を塗って応援くださると大喜びしますヾ(*´∀`*)ノ

 どうぞよろしくお願いします♪

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最高に面白かったです。ルーチェ、不器用な生き方してるなあ…と心配になりますけど、これからはお姉さまだけじゃなく自分を大事にしてね、と願います。書いてくださってありがとうございます!
わあっ……面白すぎる!! 二転三転する素晴らしい構成に引き込まれました( ・`д・´) ルーチェが少し心配だったのですが、他のご感想の返信を読んでホッとしました。 きっと逞しく生きていくよね♪ 伯爵…
総合1位納得の面白さでした! どんでん返しにびっくり。ざまぁ苦手な私ですが、これはにこにこです。 ルーチェって名前かわいいなあと思ってたら、本人はもっとかわいかった~。 読後感最高なお話を、ありがとう…
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